札幌からオホーツク枝幸へ直行!宗谷バス・特急えさし号
北海道宗谷地方の南東に位置する枝幸町。桧山にある江差と区別するため、オホーツク枝幸、北見枝幸と呼んで区別される事が多いです。
枝幸町は宗谷総合振興局管内10市町村で稚内市の次に人口が多い町(2025年1月末日・外部リンク)。
そんな枝幸町と札幌を直接結ぶ公共交通が宗谷バス・特急えさし号。1日1往復し、途中で美深(びふか)町、音威子府(おといねっぷ)村、中頓別(なかとんべつ)町のバス停にも停車する予約制の都市間バスです。JR宗谷線とも競合する特急えさし号に札幌から乗車してみました。
札幌線と旭川線の2系統!特急えさし号
特急えさし号は宗谷バスが運行する枝幸ターミナル発着の都市間バスです。札幌ー枝幸(外部リンク)と旭川ー枝幸(外部リンク)で各路線・1日1往復運行中。
本稿では札幌ー枝幸線を取り上げます。
札幌線の概略と予約・支払方法
札幌発は11:30で枝幸ターミナル17:00着。
一方枝幸ターミナル発は7:00で札幌12:25着。
枝幸町を中心に道北在住者が札幌へ行き、札幌から戻る時に利用しやすいダイヤといえます。
完全予約制で予約方法は電話のみ。宗谷バス・枝幸ターミナルか北都交通札幌予約センターに電話(外部リンク)します。なお、札幌予約センターは23時までの営業。日中忙しい人には助かります。また支払いも札幌予約センターの場合は現金とPayPayのみで、カード不可なので注意しましょう。
枝幸ラッピング車両も運行!
特急えさし号は枝幸町を宣伝するラッピング車両で運行される事があります。運用は公表されていないので当日までのお楽しみ。
なおラッピング車両、通常塗装車両ともに特急えさし号のほか、旭川ー浜頓別ー鬼志別を結ぶ特急天北号(外部リンク)で運用されています。
筆者は札幌から枝幸町まで乗車してみました。
札幌発は大通バスセンターのみ乗車可!
札幌発枝幸ターミナル行は、札幌大通バスセンターのみ乗車可能です。1階にある北都交通窓口で運賃を支払い、乗車口へ向かいます。
なお枝幸ターミナル発札幌行は、札幌市内で
苗穂駅前、大通バスセンター、札幌駅前
の3カ所に停車。札幌駅前は、北都交通の新千歳空港、丘珠空港行バスが主に発着するJR札幌駅南口そばにあり、わっかない号のほかに根室からのオーロラ号の終点でもあります。
札幌行の大通バスセンター降車場所は、北都交通/宗谷バスが運行する「わっかない号」、北都交通/根室交通が運行する「オーロラ号」のほかに、北海道バスのニュースター号(外部リンク)の乗降も行われます。帯広行11:04発の乗車と重なるためか、待合室周辺は多くの利用者がいました。
なお1階の北都交通受付及び待合室は、ニュースター号利用者のエリアではなく、特急えさし号、わっかない号、オーロラ号利用者向けなので、ニュースター号利用者は注意しましょう。
特急えさし号の乗車はバスセンター1階の建物内にある乗場から。
なお大通バスセンターでは地下にある乗場から札幌市内各地へ向かう路線バスが発着します。モエレ沼公園(外部リンク)へ路線バスで向かう主に外国人旅行者が、1階でなく地下が乗場だと知らず、えさし号乗車の列に誤って並ぶ事があるので、関係者の対応が望まれます。
特急えさし号の車両は11:15に到着し、乗車が始まりました。運転手は1人乗務。
車内は宗谷バス・わっかない号と同じ3列のリクライニングシートで快適に過ごせます。
わっかない号は指定席ですが、特急えさし号は自由席なので、希望の座席がある利用者は早めに並んだ方が良いでしょう。またわっかない号では荷物をトランクに預ける時、事前に1階大通バスセンター・北都交通受付で荷物札を受取る必要がありますが、特急えさし号では不要。
わっかない号と同じく車両中央右側にトイレがあります。
発車前に運転手が乗車券を回収。乗客の大半は枝幸ターミナルで往復購入しており、札幌で購入した筆者の様な乗客は少数派でした。
定刻11:30に大通バスセンターを18人の乗客を乗せて発車しました。なお乗車当日は休日。
大通バスセンターから1回目の休憩まで、わっかない号と同じルートを走ります。創成川通に出て南下し、すぐ南1条通を左折。
またすぐに左折して東2丁目通に入り、
北3条通を右折します。
途中JR苗穂駅南口前を通過します。特急えさし号・札幌行の苗穂駅前停留所(降車専用)は北3条通南側なので注意しましょう。
そのまま進んで豊平川にかかる平和大橋を渡ります。
豊平川を渡ってすぐ、南7条・米里通へ左折。
南7条・米里通をそのまま進み、11:52に札幌インターから道央自動車道に入りました。
砂川サービスエリアで25分休憩!
バスは道央自動車道を進み、12:45に砂川サービスエリアに到着。休憩は13:10まででした。
筆者は事前に昼食を持参しましたが、砂川サービスエリアの食堂や売店が空いていれば、軽食を購入、または食べる事は可能だと思います。
休憩中は吹雪だったので、大半の乗客はトイレや買い物を済ませると早々とバスへ。
予定時刻に発車し、道央自動車道を旭川・名寄方向に進みます。尚わっかない号は通常、深川ジャンクションから留萌方面へ。
道北バス・高速なよろ号、北見特急ニュースター号が休憩する音江パーキングエリア(深川市)は13:30に通過。
道央自動車道を順調に北上していきます。
士別剣淵ICから美深バス停まで
14:19に道央自動車道・士別剣淵インターを出ます。
ここから国道40号を北上。
えさし号旭川便は停車する士別大通6丁目バス停を14:25に通過。
道北バス・名寄線の旭川行きとすれ違います。
わっかない号が名寄経由の場合、休憩場所となる道の駅「もち米の里☆なよろ」を14:42に通過しました。休憩はもう少し先です。
道の駅通過7分後、名寄インターから名寄美深道路(通行無料)に進みます。名寄市中心部は通りません。
名寄美深道路を15:07に智恵文(ちえぶん)インターで下ります。
国道40号に戻り、美深バス停には予定より7分早い15:13に到着。1人降車しました。
札幌12:00発ライラック15号・旭川13:25着→旭川13:35発サロベツ1号・美深14:51着と近い時刻です。JRとは競合といえるでしょう。
なお美深バス停は札幌発は降車のみ、枝幸発は乗車のみです。名士バスの停留所と同じ場所。
美深バス停は、美深ターミナル(JR美深駅)から約450m離れています。えさし号から美深駅へ行き、JRで天塩川温泉などへ移動したい旅行者は注意しましょう。
バスは美深から国道40号を音威子府(おといねっぷ)へ向け進みます。
音威子府ターミナル(駅)で10分休憩!
バスは音威子府村中心部を通り、
15:50に音威子府交通ターミナル(JR音威子府駅)到着。ここで16:05まで15分休憩します。
音威子府から先まで乗車する人と運転手はトイレへ。音威子府では10人降車しました。10人のうち6人がデマンドバス(中頓別・浜頓別線・外部リンク)に乗換。
デマンドバス発車時刻の目安は16:10ですが、えさし号より先に到着したJR特急サロベツ1号(15:24音威子府駅着)からの乗換客が先に2人待機中でした。えさし号からの乗客がトイレから戻ってすぐ、デマンドバスは15:55に発車。
デマンドバスはワゴンでの運行が多いのですが、当日は予約人数が多かったため、スクールバス車両での運行。
音威子府ターミナルー枝幸ターミナル間の利用は予約後乗降ともに可能です。
なお2023年10月から音威子府ターミナルにあった宗谷バスの窓口は閉鎖されました。同時に旧JR天北線の代替バスだった宗谷バスの路線バス・浜頓別ー音威子府間も廃止。ターミナルにはえさし号、天北号、デマンドバスの案内が掲示されています。
特急えさし号、特急天北号、デマンドバス共に事前に予約(デマンドバスは前日17時まで)しなければ乗車出来ません。
16:01に名寄駅からの普通列車が音威子府駅に到着。事前予約していれば16:01着普通列車からデマンドバスへの乗換も可能なのですが、予約はなし。
バスは7人の乗客を乗せ、枝幸へ向け発車。
国道275号にかかるJR宗谷本線のコンクリート橋の下を通過後すぐに、建設中の音威子府バイパスの下を走ります。
特急えさし号は歌登方面へ
上音威子府を通過後、天北峠を越え中頓別町の最初の集落が小頓別(しょうとんべつ)。
旧JR天北線駅跡にある小頓別バス停で乗降はないまま16:18に通過。
登録有形文化財・旧丹波屋旅館前を進んですぐに、
国道275号と歌登・枝幸方面への分岐点があります。えさし号は道道12号へ右折します。
右折後すぐに枝幸町との境界に到達。
歌登ターミナルで下車
上毛登別(かみけとべつ)、毛登別、下毛登別で乗降がなく通過後、道道220号との交差点へ。
更に道道12号を進み、道道120号・歌登東町方面にある歌登ターミナルに向かいます。当日は歌登12線、歌登中学校前では乗降なく通過、歌登西町で降車1人でした。
筆者は今回、歌登ターミナルで下車。道路状況が悪かったため、定刻より5分遅れて16:40に到着。なお歌登ターミナルでは17時過ぎまで暖房が入っていました。
歌登ターミナルから先の停留所は、歌登土木前、般家内(ぱんけない)、一本松、金駒内(けもまない)、下幌別、樋口前、商工団地前、新港町、本町、枝幸ターミナルです。
終点・枝幸ターミナルに翌朝訪問
翌朝、枝幸ターミナルに朝7時前に訪問。1階に宗谷バスの窓口があり、特急えさし号札幌線・旭川線共に予約受付、乗車券の購入が可能。
なお窓口の営業時間は6:30~19:00です。
バス車庫はターミナル内にあり、発車10分前・6:50に乗場に入りました。
札幌ー美深、音威子府、歌登、枝幸の移動に、宗谷バスのえさし号はいかがでしょうか。
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