化粧品産業の集積をすすめている佐賀県が、経済的に困窮している家庭に化粧品を無料で配布する新たな取り組みを始めます。

提供されるのはアイシャドウやマスカラ、口紅など化粧品メーカーが抱える行き先のないコスメ。

廃棄ロスを減らし、笑顔を届けるプロジェクトです。

「コスメは節約の対象」と話すシングルマザー

40代のシングルマザー
「一番は子供たちの学費。節約をしないといけない部分にコスメは入ってしまう」

佐賀県に住む40代のシングルマザー。

子供の学費がかさみ、化粧品を十分に買えない中、去年、ひとり親家庭の支援団体から化粧品のプレゼントが届きました。

40代のシングルマザー
「化粧水から乳液、基礎のものから口紅、チークとかハイライトとか。もらった時めちゃくちゃ嬉しくて本当にありがたい。お化粧は続けたい。必要だと思っているので。仕事をするうえでも」

季節の変わり目や新商品で廃棄されてしまう化粧品

経済的に困窮している世帯に化粧品を無料で届けようと新たなプロジェクトが佐賀県で動き始めました。

佐賀県 山口祥義 知事
「みんなもっといいんだよ、コスメもっと使ってって」

佐賀県が始めたのは、全国の化粧品・日用品メーカーなどが抱える行き先のない化粧品を困窮家庭に配る「佐賀県コスメギフトプロジェクト」です。

県によりますと製品に問題がないものの、季節の変わり目や新商品の登場などで廃棄されてしまう化粧品は、生産量のおよそ2割。年間5000億円分にも上るということです。

こうした化粧品の廃棄ロスを削減し、経済的に困っている家庭の支援につながる”ウィンウィン”のプロジェクト。都道府県が主体となって取り組むのは、全国で初めてということです。