女子大学生殺害、交際相手に懲役22年 62カ所の傷「強い殺意」
大阪府枚方市のマンションで昨年5月、交際していた女子大学生を刺殺したとして、殺人罪などに問われた無職西光勝(しょう)被告(27)の裁判員裁判で、大阪地裁(三村三緒裁判長)は28日、求刑通り懲役22年の判決を言い渡した。「自身の見栄を守るための犯行で、同種事件で最も罪が重い部類の事件だ」と判断した。
判決によると、西光被告は昨年5月16日、枚方市の大学生渡辺華蓮さん(当時19)のマンションで、渡辺さんの首などを包丁で複数回突き刺すなどして殺害した。
判決は、西光被告が犯行前に「刺されたら死ぬ場所」などとネット検索をしていて、計画性があると指摘。刺された傷は62カ所に及び、抵抗時につく傷もあり「必死に抵抗する被害者に攻撃を繰り返し、強い殺意が認められる」と述べた。
動機について、被害者に高収入であるように装い、「うそが限界に達し、被害者にばれるのが耐えられなくて殺害した」と認定。「見栄やプライドのためで身勝手きわまりない」とし、自首したことなどを踏まえても、求刑通りの懲役が相当と結論づけた。
閉廷後、渡辺さんの両親は弁護士を通じて「裁判所は我々の思いを十分くみ取ってくれたと思いますが、懲役22年は納得できるものではありません。このような事件が2度と起きてほしくない。このような悲惨な出来事を味わう人がいなくなる社会になってほしいと思っています」との談話を出した。
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。