国立病院機構宇都宮病院と同栃木医療センター(いずれも宇都宮市)で働く看護師らが2月28日、待遇改善を求め始業から1時間、ストライキを実施した。その後、栃木県庁で記者会見した看護師らは、団体交渉で改善が見込めなければ新年度から「賃下げ」となる窮状を訴えた。
国立病院の看護師は「国家公務員に準じる」とされている。昨年の人事院勧告では月例給2・76%アップ、ボーナス0・1カ月アップとされた。
しかし、国立病院機構と全日本国立医療労働組合(全医労)との27日までの団体交渉で、本給についてはゼロ回答。一方、基本給などの6%に当たる地域手当は、市単位から都道府県単位に見直されることに伴い4%に引き下げられる。そのため地域手当分の年10万円程度が、「賃下げ」になるという。
全医労によると、機構側は現在の収支が続けば、法人運営が立ち行かなくなるとしているという。
栃木医療センターで時短勤務で働く看護師は「病棟が逼迫し定時は16時だが帰宅が19時になることもある。学童の迎えも間に合わない。賃金が2%下がるなんてありえない」と訴えた。宇都宮病院の看護師は「超過勤務のスタッフも多い。生活のため他の病院へ(移る)ということも考えられる」と述べた。【有田浩子】
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