第35話 凍道チャンネル「祟神機関八咫烏スペシャル⑩」

「じゃ、最後に三大怨霊最後の一人、崇徳院について。怨霊としていうなら前もいった通り、長屋王がどう考えても最強最悪なんだよね。長屋王のエピソードなんて笑うよ。『全国民の3~5割が天然痘で死亡し、藤原四兄弟が全滅し、天皇は長屋王が二度と復活しないように長屋王の体を焼きくだき、河に散らし、海に放擲した。そして骨は土左国(土佐)に流した。すると土佐の民が長屋王の呪いで死に始めたので、天皇に頼み、沖ノ島に骨を封じた』こんな感じ。首が飛んだだけの将門公とどっちが怨霊っぽい?」


『どうきいても長屋王』『長屋王』『骨だけでも呪うとか最強じゃん』『長屋王』『最強』


「あとは早良親王も怨霊としてエピソード豊富かな。早良親王は皇位継承はしてないのに、祟りがやべーから崇道天皇と天皇の名を死後贈られている。このへん歴史に興味ないと学校でもほとんどやらないところだから知らない人がおおいだろうけどざっくり説明するね。藤原百川ってのが朝廷を影で操るレベルの権力者になり、本来天皇になる予定だった皇太子を廃して桓武天皇を立てた。百川の甥に藤原種継ってのがいて、暗殺されたんだけど、犯人は早良親王ということで早良親王は殺され、そして早良親王の祟りがおきた。で、藤原百川とかも死んでるんだよね。藤原百川は桓武天皇を立てて実権を握ろうとしたんだけど、その周辺を病原菌で暗殺するために、これは早良親王の祟りに違いないということにしたんじゃないかと」


『さすがに陰謀論では』『早良親王自体知らない』『天皇じゃないのに天皇は面白い』


「でさ、ここで崇徳天皇の祟りにいこうか。崇徳天皇が三大怨霊と呼ばれた原因の祟りについて説明できる人いる?」


『建春門院・高松院・六条院・九条院の死亡』『血書五部大乗経のだ』『大魔縁となりて天皇を民にして民を天皇にするって宣言したのが一番やばいと思うのだ』


「うん、それね、だいたい後世のこじつけなんだよね。血書は誰も見たわけではないし、天皇をその座からひきずりおろす!って呪いの言葉も後付だと思う。実際の崇徳天皇は、流刑先で数年質素な暮らしをして、おだやかに極楽にいけるよう祈りながら死んだようだよ」


『ええええ?』『じゃあなんで怨霊なの?』『おかしいのだ』『Wikipediaに書いてあるのだ』


「Wikipediaってだいたいアカデミアの人が熱心に書いてるからね。だからアカデミアの意向にそった答えしか書いてないよ。そもそも、辞典とか教科書、本にしたって、書いた人の意向が入ってる。なにごとも盲信するべからずだよ」


『アカデミアが書いてるってマジ?』『いけませんよ!!!またアカデミアの席が!!』『もうやめて!アカデミアの席は0よ!』


「で、崇徳天皇が怨霊になった理由について認知プロファイリングするね。崇徳天皇は、のちの南北朝みたいに長続きしなかったけど保元の乱を起こして敗れた。そして、この保元の乱こそが、天皇(朝廷)が武家幕府に権力を奪われたきっかけとなったんだよ。神の威光があるはずの天皇(朝廷)が権力を奪われるなど、そんなのは大災厄みたいなものだ。だから、原因がなくてはならない。何もなしに武家幕府なんてものが起こってはならない。なので、『崇徳天皇という神の末裔が呪ったから、そのせいで武家幕府なんてものができた』ということになったんだよ。崇徳天皇の祟りは作り話で、保元の乱を起こして朝廷から権力を奪われるきっかけを作った崇徳天皇に、崇神や崇道」


『いけません!あーっ!いけません!あーっ!』『ああああ』


「歴史上、崇という字のつく天皇は、崇神天皇、崇峻天皇、崇徳天皇、崇光天皇の4人と、あとは天皇じゃないけど崇道天皇となった早良親王だけだ。神という字が、神武天皇、崇神天皇、応神天皇の3人だけだってのは、この3人が神祖であり同一人物を元にしてる説をだしたけど、崇のほうは、「祟」の当て字であり、祟りに関する天皇におくられた名ではないかと思うんだ」


崇神天皇 天然痘で敵対国が壊滅したこと

崇峻天皇 歴史上唯一暗殺された天皇。よって『祟らねばならない』

崇徳天皇 天皇(朝廷)の権力が武家に奪われた原因。よって『祟らねばならない』

崇光天皇 現在につながる北朝の天皇。南朝の後小松天皇の系譜は途絶えたので、途絶えさせた存在が必要。よって『祟らねばならない』


別枠 崇道天皇 早良親王が死んだ後藤原家が祟りにあった


「こういう風に、崇とつく天皇は祟りと関連性が深いように思う」

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認知プロファイリング探偵松尾光 暇空茜 @himasoraakane

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