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お子ちゃま

アイザック会長から、ほぼ押し付けられた新入生代表のスピーチ。

 何度か練習を積んだ(フェンリスの指導も混み)が、あまり人前で話すということに慣れずにいた


「はぁ…何が言わない方が面白いよ…あなたが生徒会長を降りなさいよあのダボ女…」


 アレンは押し付けた犯人に対する愚痴が止まらない。さらには会長を『ダボ女』という始末…


「私もそこは同感…でも流石にダボは言い過ぎだよ…」


リディアは肩に手を置く


「しかも分厚すぎる原稿を押し付けるなんて…ホント副会長じゃなくてあなたが会長から降りなさいよ…」


それでもアイザックに対する愚痴が止まらない。先ほどのことで相当腹が立っているのだろう


「でも、そんなに愚痴を言ってばっかりじゃ何も変わらないよ」


 アレンはため息をつく


「確かにそうね。与えられたからにはしっかりとこなさないと…許されるならあの女に百発ほどビンタしたいくらいだけど」


「うわ〜…もう止まらないよ…」


「貴様、会長を侮辱したな?」


 横からフェンリスの声が入ってくる。どうやら聞こえていたようだ


「はて…別に何も言ってませんけど?」


 先ほどの怨念のような表情と打って変わり、何事もなかったかのような顔になる


「私の前で会長を侮辱するとはいい度胸だな…? いいだろう…今日はさらに、みっちり徹底的に教育してやる…リディア・グレイス、貴様もだ」


「ええ!? なんで私まで!? 」


「静粛にしろ、貴様らの無様な姿を会長に見せてみろ。二人とも仲良く『教育』してやるからな?」


 冷徹な目を二人に向ける。『絶対零度』と恐れられる程の冷たい目……なのだが


 リディアは

 

 (大丈夫、先生のよりはまだマシ…だってあの人笑顔で詰めてくるし、ホントに殺されそうになったこともあるし…)


師匠であるメリッサに詰められた時は、殺されると本能で感じるほどだった。

目を泳がせると『あっれれ〜? どこを見てるのかな〜? ちゃーんと人の目を見て話そうね〜♬』と顔を固定されたことはトラウマになっている


 アレンも同じく


 (前のあんな情けない姿を思い出すと…ぷっ、笑えてくるわね)


 フェンリスが声を上げるが、二人は涼しい顔をしている


「貴様ら…何がおかしい!!」


「「いえ、なんでも…ぷっ…」」


「ぐっ……手加減はしないからな…!!」


 その後、彼の指導はさらに厳しくなったが、二人はなんとか終えた


 ――――――

 その頃、メリッサは――


(リディアとアレン、代表でスピーチをやるって聞いたけど上手くいってるかな?)


 そう心の中で呟きながら買い物をしていた


「あ、またこのトマト高くなってる…」


 メリッサは軽く眉をひそめながら、トマトと睨めっこをする。先週より値上がりしていたのだ


 その時――


 ――ドンッ


「いたっ」


 不意に小柄な少女とぶつかった。


 メリッサはバランスを整えるが、少女はバランスを崩し、持っていた袋を落としてしまう。袋の中から、果物や野菜が転がり落ちた。


「これはすまんかったのぉ」


 少女は変わった口調で謝る。メリッサはため息をつく


「ほら、落としたよ」


 (変わった喋り方だなぁ…)


 落ちた果物や野菜を拾ってやる


「いや〜、すまぬすまぬ。主に任せてしもうた」


「いいよ、このくらい。君、おつかい?」


「うむ…まあそんな感じかのぉ」


 落ちたものを全て拾い終わる


「じゃ、気をつけて帰りなよ?」


 これでおさらば…というところで少女はメリッサの服の裾を掴んだ


「まあ、待つがよい。せめてお礼に、吾輩の名を教えてやろう」


 すると、腕を天に掲げるとこう告げた



「聞いて驚け!! 吾輩の名はシルティ・マティアナス!! 七大魔女の一人じゃ!!」



 彼女は七大魔女の一人であった。

 


 こんな幼い見た目の少女が数多の魔女のトップに君臨する七人の魔女…


 周りの民衆の視線が一斉に彼女に集まる



 が、当のメリッサは…

 


「へ〜…そうなんだ〜。そんな妄想早くやめた方がいいよ? 大人になったらすごい恥ずかしく感じるよ?」


 無表情のままである。特に驚いた様子も無く、ただただ無表情である


「な!? この吾輩の名を聞いても驚かんのか!?」


「うん、むしろ誰って感じ」


「な……!?!!」


シルティは自分の名を知らない者がいたという、衝撃の事実(彼女にとっては)を知り、崩れ落ちる。


「わ、吾輩のぉ…名は…」


「はいはい、お子ちゃまは絵本でも読んでてね〜」


「お、お子ちゃまじゃないわい!! 吾輩はちゃんとオ・ト・ナじゃ!!」


「わ〜、凄いね〜。えらいね〜、かっこいいね〜」


 メリッサは、完全に子供をあやす様子でシルティの頭をポンポンと撫でる


「な、撫でるでない!! くっ…この吾輩を誰だと思っておる!!」


「うん、知らない。あと、どっちかっていうと小動物みたいだね」


「しょ、小動物じゃと…!?」


 ぷるぷる震えながら怒るシルティ。しかし、メリッサはマイペースに買い物を続けようとする。


「じゃ、私はトマト買うから。お子ちゃまは迷子にならないようにね〜」


「迷子じゃないし! というか待たんか!!」


 次の瞬間、彼女はこう答えた



「メリッサ・エリヴェーラ!!!」



 その場の空気が凍りつく。

はい、のじゃロリ登場です!!


これからもがんばるのじゃ(黙れ)

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