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特訓の復習と会議

翌朝、カーテンの隙間から差し込む太陽の光でメリッサは目が覚めた


「おはようございます! 先生」


「う〜ん…おはよ〜…」


 まだ眠気が覚めないのか、眠そうな声で答える

 弟子はパッチリと目が覚めているのに師匠ときたらこれだ。そういう点では弟子であるリディアを見習って欲しいところである


「お〜、もう朝ご飯できてるの? ありがと〜」


 テーブルにはトーストと目玉焼き、そしてバターが用意されている


「リディアって朝強いのぉ〜?」


「はい、朝は強い方です。屋敷にいた時、起床時間が早かったのもありますけどね」


「へぇ〜、名家のお嬢様は忙しいね〜」


 そう感心しながら椅子に座る


「それでは食べましょうか」


「「いただきます」」


 二人は朝食を食べ始めた。


「う〜ん、君の作った朝ご飯おいしいね!」


「ありがとうございます! 簡単なものなら作れますので」


「ほ〜、中々できるお嬢様じゃないか〜」


「もう! 今は先生の教え子です!」


 頬をぷくっと膨らませながら反論する


「はははっ!! そうだったね〜」


(私と会ってから表情が明るくなった感じがするな。まるで娘みたいだね)


 前までは引っ込み思案だった彼女は、今は明るい表情を見せるようになった。

 コショウを切らしていた…そんな偶然の先に、こんなにも可愛らしい弟子に出会えたと思うと少し笑えてくる


「よし、食べ終わったら特訓だよ!」


「はい、先生!」


 ――――――

 昨日と同じ草原で訓練をすることにした。朝日が辺りを照らし、暖かく、優しい風が吹いていた


「じゃあ、新しい訓練を始める前に昨日の復習をしようか。的を用意したから、一回やってみて」


「はい!」


 昨日教えられた通りにやってみる


 まずは手に意識を集中させる


「ふぅ…」


 落ち着いて、焦らずに息を整えて集中させる。昨日より格段に安定している


 次の瞬間、周りに複数の火の玉が出現する


(おお!感覚をつかんだか!)


 そして標的に意識を集中させ、そのまま遠くにあった的に向かって勢いよく発射する


 ドォォォンという轟音と共に、的が爆発した


「すごい! 上出来だよ!」


「えへへ…まだ応用とかはできませんが…」


「いや、上出来だよ! 一日で感覚を掴むなんて凄いよ!」


 メリッサはリディアの頭を撫でながら褒める


「褒められた…うれしい…」


 姉と比べられてばかりだった彼女は、今自分が褒められたことがとても嬉しく感じた。


 (私、褒められてる…)

 


 褒められたのがあまりにも嬉しかったのか、涙が出てきた


 

「お〜い、え? 泣いてる?」


 顔を覗き込みながら尋ねる


「は、はい…私、人から褒められたことが無くて…セリアと比べられてばっかりだったので…嬉しくって…」


 リディアは涙を拭った


「そう言えばそうだったね…成長したね、リディア」


「うぅ…うわあああん!!!!」


 とうとう泣き出してしまった。まるで子供のように泣きじゃくった


「ええ!? 逆効果ぁ!?」


「あ…ごめんなさい…もう感情が溢れ出しちゃって…」


「あ、あらそう…じゃあ、泣き止んだら新しい訓練始めよっか…」


 この後、彼女が泣き止むまでかなり時間がかかったとさ…


 ――――――

 王都の城の一室

 七人の魔女が、巨大な円卓を囲いながら座っていた。

 その一人一人は異彩な空気を放っている。部屋の空気は冷たく澄んでいた


「さて、今日の議題はこれだよ」


 人形のような美貌をした白髪の魔女、リディアの姉である『七大魔女最強』セリア・グレイスである


その言葉に、紫の髪を長く垂らした霧雨千尋が微笑みながら口を開く。

 

「ふふ、そうやなぁ。あの子、最近また面白い動きをしてはるんとちゃう?」

 

「面白い、ですか?」

 

お嬢様然とした雰囲気を漂わせるマリー・エリドーラが、優雅にティーカップを傾けながら言った。

 

「私はむしろ、少し危険だと思いますわ。彼女がこれ以上力を増すようなら…いずれ私たちにとっても脅威になりかねませんもの」


「その点について、詳しく聞かせて」

 

静かに話を促したのは、無機質な声で話す水色の髪のアーシャ・ツェインベルンだった。


そのタイミングで、セリア・グレイスが円卓の上に視線を落とし、口を開いた。


「…確かに、メリッサはただの魔女じゃない。七大魔女の私たちに匹敵する、いや、それ以上の潜在能力を持ってるよ」


その言葉に、赤髪のリン・シャンホアが興味深そうに身を乗り出す。

 

「ほう…七大魔女であるセリアさんがそこまで言うとは。メリッサさんの実力、そこまで凄まじいのですか?」


セリアは静かに頷くと、続けた。

 

「私自身、彼女と一度だけ対峙したことがあるよ。その時は、私の全力の一撃をいとも簡単に防がれた。あの力…恐らく、私たち全員で挑んでも勝てる保証はない」


会議室に緊張が走る。全員が黙り込み、焚き火の音だけが再び響いた。


「でも、どうして今さらメリッサ・エリヴェーラの話なん?」

 

霧雨千尋が首を傾げながら問いかける。


セリアはため息をつきながら、続けた。

 

「彼女には現在、弟子がいると聞いたんだ。リディア・グレイス…私の妹だよ」


その名前に、リーナ・プロイセンが驚いたように声を上げた。

 

「えっ、あなたの妹さんがメリッサ様の弟子に!?それって一体どういうことですか?」


「詳しい経緯は分かりらない。ただ、リディアがメリッサに師事することで、彼女の力がさらに強大になるのは間違いない。リディアは…潜在能力だけなら、私以上のものを持っていますから」


「なるほど。それは確かに厄介かもしれないのぉ」

 

シルティ・マティアナスは顎を撫でながら考え込む。


「でも、それならこういうのはどうや?いっそのことリディアちゃんをこちら側に引き込むとか…」


「…却下です」

セリアが冷たく言い放つ。


「リディアは私の妹です。彼女を利用しようとするなら、たとえ誰であろうと容赦しません」


その冷たい目に、さすがのシルティも肩をすくめる。


「ふふ、怖い怖い。でもセリアちゃん、そんなに一人で抱え込んで大丈夫かいな?」


「心配無用です」


短く答えたセリアを見て、メリシア・アルスが初めて口を開いた。


「まあまあ、みんな。あんまり騒ぐ必要はないよ。メリッサがどう動くかなんて、まだ分からないんだからね。彼女が何を考えているのか、少し様子を見ようじゃないか」


メリシアの白髪が焚き火に照らされて妖しく輝く。彼女の冷静な声に、他の魔女たちは黙って頷いた。


「いいかい?彼女がこちらに敵対する気配を見せたら、その時は七大魔女として一丸となって対応する。それでいいだろう?」


その提案に、全員が静かに同意した。


こうして、七大魔女たちはメリッサの動向に注目することを決めた。だが、それぞれの胸中には違った思惑が渦巻いていた


_____


「ううっ…なんか寒くなってきた…」


彼女の平穏な日常の崩壊が、もうすぐ訪れる…

時間を見てみたら…え?五時?

オワタ…_(:3 」∠)_

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