拝啓 灰豚殿
法曹臣民(※職業的にいろいろ書面を書いたり読んだりする人)でございます。
日頃より、王の所業への果敢な挑戦を拝見し、法曹フロアから熱視線を送っております。
仕事柄、「もう書面は十分!」なはずが、気づけばプライベートでも灰豚殿の写経ライブに釘付け。自分でも呆れるほどの“文書漬け”ですが、法律界隈の新種エンタメとして楽しませていただいております。
さて、界隈で「DMCA」という言葉があちらこちらで飛び交っているのを目にし、専門家としては「あれ、ちょっと違うな…?」とつい首をかしげております。ご存じの通りDMCAは米国法“Digital Millennium Copyright Act”の略称でして、「DMCAを打つ!」と言うのは、実際には同法における「Notice and Takedown」システムの通知(Notice)を送るのことでしょう。
▼Notice and Takedown のざっくりした流れ
著作権者が侵害を発見 → Online Service Provider(OSP)に通知(Notice)
OSPが迅速にコンテンツを削除(Takedown)
発信者が異議を述べたい場合は反対通知(Counter Notice)を出す(但し氏名等が相手に開示される)
著作権者が10~14営業日以内に訴訟提起しなければ、OSPはコンテンツを復活(Replace)させる
ついでながら、以前ライブで「財産目録は不動産の…」というお話があったように記憶しておりますが、それは法的には「物件目録」と呼ばれるものをイメージされていたのではないかと存じます。財産開示の場面では、不動産のみならず金融資産なども含めた総合的な「財産目録」を提出しますので、もし今後話題に上がる際は頭の片隅にでも置いていただければ幸いです。
とはいえ、そうした細かい専門用語をちょっと間違えたところで、灰豚殿の“訴訟エンタメ”にかける熱量と発信のセンスが失われるわけでもなく、むしろその姿勢こそが裁判制度に新風を吹き込む原動力かと。法曹界としても、背中を押しつつこっそり盛り上がるという妙なシナジーを感じております。
これからも、「王の所業」への挑戦を通して有益かつ面白い情報を発信していただければ、法曹としても大変心強い限りです。世間に正しい知識を広めることは、我々にとっても使命感あふれる愉快な共同作業。引き続き応援しております。
敬具