ボカコレに参加することに相当な葛藤があったという話

※ここに書いてあることはあくまでも自分の目から見えた世界の話です。間違っていることも多々あると思います。


自分がボカコレに参加してもいいのか?
これをずーーーっと迷っていた。
いや、迷ってすらいなかった。選択肢から除外していた。


ルーキーとTOP100が分かれたとはいえ、やはりボカコレは若手の主戦場のように見えていたし
いつかの回の某大コラボ曲に対する周囲の反応を見ていると、自分みたいなのが参加することは、若者の場所を荒らすことに繋がるのではないかと。


実際は、「荒らす」ほどの事態はさすがに起こりえない、正直なところ、自分の規模感は2016〜18年あたりから比べるとかなり落ち着いているし、そもそもニコニコへの投稿も控えていた時期すらあった。(理由は後述)
少なくとも現時点で涼しい顔して1位とか2位とか取れるような状況に自分は絶対にいない。

とはいえ、ちゃんと頑張ればTOP100には入れてしまうだろうというとも思っていた。
そうなると、やはり1人を弾くことになり、真剣に将来を掴み取ろうとしている若者の場所を奪うことになる。

何様だというセルフツッコミはありつつ、一人が椅子に座れば一人が弾かれるというのは現実として起こることだし
そもそも、TOP100入りを目指さずに参加するってそれって何か意味あるのか、とか
え?おまえ手抜いて曲作るつもりなの?とか、ぐるぐると

あと、真剣に運営されている今のドワンゴの社員さんたちには本当に申し訳ない話、ボカコレというイベントに対しては自分の中で大きな疑問があった。
多くの参加者が抱いていたであろう賞レースに対するストレス的なこととは全くもって違うところで。


ジジイらしく昔話をする。
上で話した、ニコニコへの投稿を控えていた理由にも繋がる。

自分がニコニコで一番活発な時期だったであろう2016-18年
ちょうどこのあたりから、ボカロ曲の再生はYouTubeのほうが上回るようになり始めた。

ただ、それでも「ボカロシーン」はニコニコ動画にあった
ニコニコで100万再生ならYouTubeでは500万とか、そんな状況にも関わらず
それでもシーンはニコニコ動画だった。

ニコニコ動画のトップページから1クリックで飛べる場所に「ボカニコ」というページがあった。
今ではニコニコ動画の公式のDJイベントを指すようになったその名前はもともとはそのページの名前で
ボカロ曲の毎時・毎日・毎週・毎月ランキングがバーっと横並びに表示され、そのまま下にスクロールすると、歌ってみたなど二次創作のランキング、その下には公式のボカロのイベントの告知があるような、そんなページだった。
これ自体は、若い人でも見たことある人も多いかもしれない。

どうして、YouTubeより見られていないニコニコ動画が「ボカロシーン」なのか
答えば明白で、このページがあったから
このページで、当時のボカロの今が見えていた。

YouTubeには明確なランキング機能はなかった。
ボカロどころか音楽どころか全ジャンル共通のものでさえも
これは今に至るまでそう。

2018年、ニコニコ動画が(く)になったとき、突然そのページが消えた。
何かとYouTubeと比較され、弱点が浮き彫りになって、プレミアム会員も減り、ニコニコ動画が改革を余儀なくされた時だった。


そりゃさぁ
「仕分けられた」と思うじゃん

ボカロはもういいっすわと言われた気分だった。

別に、なにか攻撃をされたわけじゃない。
今まで善意で貰えていたおやつが無くなっただけ。
明確に捨てられたわけでもない。
優先度がほんのちょっと下がったくらいのことだったんだ
と今では思う。

ただ、このときそこに在ったはずのボカロシーンは一時的に(といってもたぶん1年くらいは)見えなくなってしまった。

明確に捨てられたわけでもない、ので、そこからしばらくはニコニコにも投稿は続けた。
でも、ボカニコのページはない、YouTubeよりも再生は回らない、そもそもニコニコ観てる人はYouTubeも観てるだろという状況で、ニコニコに曲を投稿する不毛さはずっと感じていた。

そんな感じだったのと、自分で歌い始めたりしたこともあって、フェードアウトするようにニコニコへの投稿をやめた。
(なんとなく気まぐれに上げてみたりすることはありつつ)

ボカコレが始まったときも、どうしても思ってしまった
「こんなん、数日だけボカニコを復活させてるだけじゃん」
「毎日やってたことを数日だけにして何をそんな一大イベントみたいに」って
今思えば、善意で与えられていたものが無しになっただけのことに対して不当な怒りだったとは思う。
でも、自分を捨てた親が「子どもって良いわね〜」と言っているのを見たような、なんだかそんな気分にはなってしまっていた。


そう、そうなのよ
だからいっそう思ったのよ
こんなこと思ってるようなヤツがボカコレに参加してもいいのか?って

自分で勝手に思ってるだけとはいえ
心のなかで勝手にニコニコと喧嘩しちゃってる状態で、1人の若者の夢を破壊してまでボカコレに参加するのか?と
自分の中でいちばん潔癖症な人格が叫んでいた。(ちなみにこいつはめちゃくちゃ声がデカい)


一昨年「どっちなんだ!」という曲をニコニコにも投稿した。
音街ウナのVOCALOID6版のデモ曲として依頼されて作った曲で
ニコニコへも投稿して下さいと、インターネット社の村上さんに言われていた。

その時に「和田たけあきがニコニコに帰ってきた!」みたいなリアクションがわりとあり
「そ、そんなにニコニコに投稿することに需要が…?」と面食らったが
ボカコレ(アプリのほう)でバックグラウンド再生が出来るのが便利だったりとか、ボカコレ(イベントのほう)の登場によって、いつのまにかニコニコにまたボカロシーンが復活していたらしかった。

らしかった。と書いたけど、なんとなく界隈を見ていて分かってはいた。
見ないふりをしていたのもあるし、ニコニコを離れたこともあって、そこのところ実感を持ててはいなかった。

なので、このとき、Twitterで、先述したボカニコのページのことをちょっとだけ書いた。
一応こういう理由で上げてなかったんだということを言っておく必要があるのかなと

その時リプライで言われたことが今も心に深く突き刺さっている
「過去に囚われないで下さい」

いや〜…もう…これは完全にやられました。
仰るとおりです。


何よりもう、俺が2017年にナタリーのインタビューで砂の惑星に噛みついた時の思いそのものだったのよ
「過去に囚われないで下さい」っていうのは

もうあの話は今更あんまり掘り起こしたくはないけど
あれについては「いや、それって3年前(2014年)くらいの状況のことじゃね?」という理由で噛みついてたわけだから

やってしまったんです、俺も。
Oh……………………..
立派な老害に俺もなったよ!


これはどこかでどうにかしないといけないと思った。
「若者に擦り寄るジジイって老害ジジイよりもダサい」という思いもあって
自分はもう自分のフィールドでやっていくんだと思っていたけど
さすがにこんな特大ブーメランが頭に刺さったまま歩くのは辛すぎた。


そんなことを考えていたとき、台湾の即売会に出ることがあって、その旅では、はるまきごはんと行動を共にしていた。
それがまさにボカコレ2024冬の期間だった。

たぶん伝わってしまってると思うけど、21-23年あたりは自分的には迷走期で、メンタルも落ち込んでしまっており
そうなると自分と近い立場の人たちが作る曲は、まー聴けなくなってしまう
ボカロを聴くという習慣がほとんど無くなってしまっていた。

そんな自分の前で、はるまきごはんはガンガン𝑽𝑶𝑪𝑨𝑳𝑶𝑰𝑫を𝑪𝒐𝒍𝒍𝒆𝒄𝒕𝒊𝒐𝒏していた。
さすがに触発されて、自分も𝑽𝑶𝑪𝑨𝑳𝑶𝑰𝑫を𝑪𝒐𝒍𝒍𝒆𝒄𝒕𝒊𝒐𝒏し始めていて

それがもう、めちゃくちゃ楽しかったんです。

ずーっと叫んでた内なる潔癖症の自分は悔しそうに沈黙した。
「潔癖症」以外の全員が口を揃えて言った。

「過去に囚われないで下さい」

エーン


この時点で、もう次は我慢できずに参加しちゃうんだろうなと思いつつも
それとは別に問題もあった。

もう良い曲がぜんぜん作れなくなっていた。
たまにてらてらみたいな奇跡は起こすものの、創作意欲は相当すり減っていた

年齢の問題なのか
数字が減ってしまったことも決して無関係ではなかったと思う

でももし年齢の問題なんだとしたら…え、もうおしまい?
と危機感を抱えたまま過ごしていた。

作るアルバムのテーマが「おしまいのその後も人生は続くのである…」になっちゃうくらいおしまいだった。

もうすっかり病んでしまっていた。

今回の話とは関係ないけど、この時期はギターの演奏を頼んでくれる人たちに生かされていたと思う。
はるまきごはん、ぬゆり、烏屋茶房、澤田空海理、YUUKI MIYAKE、She is Legendさまに本当に感謝…

メンタルの落ち込み自体は彼らや、家に迎えた犬のお陰で回復はした。あと時間。時間は偉大。
とはいえ、創作意欲がムンムンです!という状態にはならず
どうしたもんかな〜と

そんな中YouTubeのおすすめに出てきたのがsebonさんのこの曲


どうしてここまで惹かれたのかはわからない
Louis Cole好きそ〜!とかMVの質感が好みとか理由を挙げようと思えば挙げられるけど
とにかくこんなに狂ったように1曲を聴き続けたことってここ10年以上なかったと思う

まだギリギリ味はする枯れ木をしがんでしがんでどうにか作曲していた自分の中に何かがまた発生した感覚があった
絶対りむるを使って曲を作りたいと思うようにもなった

LocalVoid氏のボカロランキング動画を発見したこともあって、「堀り」の効率が上がり、最近では過去イチでボカロを聴いている
そうしたら、ボカロシーンに飛び込むときの自分の取るべき姿勢が明確に見えてくる感覚もあった
今回の「サーーードアイ!!!!」のデモは1年前すでにあったが、完成させるにあたってかなり広がった視野を持つことが出来たと思う。

現代のスーパーハイレベルボーカロイドシーンにおいては、自分なんか1位取るつもりでやってようやく50位くらいだろうと思っていたので、自分の中のありとあらゆる妖刀を抜いて戦ったつもり。

「勝ち」にいくことに対して、普段ならまた「潔癖症」が叫び出してしまうけど、黙らせられる環境だというのもボカコレの良いところと言えるかもしれない。
哀しみが生まれる原因でもあるけど

以降は、曲の方の話になってしまうので割愛


なんかもう、こういう感じでした。
ずーーーーーーーーーーっとウジウジウジウジウジウジウジウジしてました。

サーーードアイ!!!!の投稿文の「も〜お我慢できねぇ〜〜〜ボカコレだァ!!!!」
このフザけた一文にこんなグチャグチャな思いがこもっていました。


自分みたいな上の世代が参加しちゃうと若者から嫌われるかもみたいな不安についても
これは結果論だけど、2年くらい前までは確かにその空気あったけど別に今はそんなでもないらしく
参加自体にネガティブな反応はひとつも見なかった。

いざとなったらめちゃくちゃヒールを演じてやるぜみたいな覚悟もあったけど、蓋を開けてみたらこんなものだった。
いやもうホント、「過去に囚われないで下さい」ですね…


おかげさまで5位という相当に良い順位を取らせてもらいました。

画像
本当にありがとうございます。


大好きなりむるを大好きなボカコレでアピールすることができました。めでたい。
今後も迷いなく平気でいられるかはわからないけど、少なくとも現時点ではりむるとボカコレ2024冬に完全に救われて、心身と創作意欲すべてが非常に健全な状態にあります。

最後に、真剣に運営して頂いている現在のドワンゴ社員の方々に心からお詫び申し上げます。(こんなの読んではいないとは思いますが…)
個人的な心情の整理のために過去の社内判断にケチを付けてしまい、大変申し訳ございません。
今回のイベント本当に楽しませて頂きました。ありがとうございました。


あまりにも赤裸々で、こんな弱いところ見せていいのかよみたいな気持ちもあるしめちゃくちゃ恥ずかしいし恥ずかしいけど
残しておいたほうがいい気がしたので書きました。

でも恥ずかしみが臨界点を超えたら消します。
最後まで読んで頂きありがとうございました。

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ボカコレに参加することに相当な葛藤があったという話|和田たけあき
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