フランス最高裁 日本人女子学生殺人事件で審理やり直し命じる

9年前、フランスに留学中だった筑波大学の学生、黒崎愛海さんが行方不明になり、元交際相手のチリ人の被告が殺人の罪に問われている事件で、フランスの最高裁判所は、手続きに不備があったとして禁錮28年を言い渡した2審の判決を取り消し、審理のやり直しを命じました。

筑波大学の学生、黒崎愛海さんが、2016年に留学先のフランス東部のブザンソンで消息を絶った事件では、元交際相手でチリ人のニコラス・セペダ被告が学生寮で殺害したあと、遺体を運び出したとして殺人の罪に問われ、セペダ被告側は無罪を主張していましたが、裁判所は1審と2審で禁錮28年の判決を言い渡しました。

ただ、弁護側はその後、2審で捜査当局が提示した証拠の中に、弁護側に事前に示されていなかったものが含まれていたなどとして、フランスの最高裁判所にあたる破棄院に上告していました。

破棄院は26日、こうした弁護側の主張を認めた上で、裁判の手続きに不備があったとして2審の判決を取り消し、審理のやり直しを命じました。

セペダ被告の釈放はおこなわないとしています。

フランスの破棄院は、1審や2審の裁判で法律上の手続きに問題がなかったかなどを審議する機関で、今後は、別の裁判所で再び2審が行われる見通しです。

セペダ被告の代理人の弁護士は、NHKの取材に対し、「3度目の裁判で彼が常に主張してきた無実が認められることを願っている」とコメントしています。

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