選択的夫婦別姓導入の是非を巡り、自民党の山下貴司元法相は26日の衆院予算委員会で、立憲民主党などが令和4年に提出した法案の問題点を列挙した。
山下氏は、世論調査では家族同姓を維持しながら旧姓を使える機会を拡大する「通称使用の拡大」を選んだ人が多いという結果を紹介し、「野党の支持層でも最も多い。夫婦別姓について賛成か反対かという二択だけで世論調査をやるメディアもあるが、それではこうした最も多い層の思いというのが伝わらないのではないか」と疑問を呈した。
その上で山下氏は、選択的夫婦別姓について「事実上の家族別姓だ」と指摘した。「親の一方は必ず子と別姓になる。子も別々の姓が使えるので、親子、兄弟姉妹で姓がバラバラという事態が発生する。別姓を選択すれば家族姓は使えない。旧姓も家族姓も使いたいというニーズには対応していない」と述べた。
野党案では子が生まれるたびに夫婦が子の姓を決めるとしているが、山下氏は「夫婦仲がよければよいが、紛争があり決まらなければ、子の姓は決まらないままだ。何年も『氏なし子』ができることもあり得る」と問題視した。
戸籍に関する論点も挙げた。現行は戸籍筆頭者を索引代わりにして戸籍を家族単位で統合している。山下氏は「別姓になると、戸籍筆頭者は誰なのか。生年月日で決めるのか、あいうえお順で決めるのか。そうなるとシステムの大改正になる。それにとどまらず、戸籍を個人ごとに分解するということにもなりかねない」と懸念を表明。「実際に韓国は戸籍をやめて個人ごとの身分台帳的になり、マイナンバーを全部戸籍に載せている」と韓国の例を出した。
旧姓に戻す選択を遡及的に認める野党案の内容に関しても、山下氏は「国民的議論はまだだ」と述べた。その上で選択的夫婦別姓について「賛成か反対かの二択ではない」として、石破茂首相に見解を求めた。
首相は「二者択一ではないと思っている。わが党の中でもいろいろな議論がある。数学みたいにきちんと答えが出るわけではない。それぞれの価値観もある」と述べた。その上で「きちんと議論を詰め、加速することが国民に対するわが党の責任だ」と語った。