インタビュー

「おまえが書かなきゃ」で覚悟決め 勝又隆幸さん(上)フジテレビ警視庁キャップ

 当初、病院は「遺族は納得している」と説明。捜査員は「事件になるか分からないので報道するな」と言う。「誰のための報道なのか」と悩んでいたとき、広尾病院の外来で受診を待つ大勢の患者の姿を見た。「この人たちはこの病院で点滴を取り違えられて死んだ人がいることを知らない。それでいいのか」

 報道はスクープとなり、取り違えた看護師2人が業務上過失致死罪で、当時の院長が医師法違反などでそれぞれ有罪判決を受けた。その後、今月1日に施行された「医療事故調査制度」につながる契機となる事件だった。

 「そのときは理解されなくても、良い方向に向かうと信じて報道した。この件で『事件記者でいきたい』と思えた」。刑事裁判に並行して遺族が起こした民事裁判でも勝訴。遺族は司法担当になっていた勝又さんに「ありがとうございました」と述べたそうだ。

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