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教科横断型授業、アクティブ・ラーニング、
グローバル教育を有機的に関連させて
「自進力」を育てる

東洋女子高等学校

〒112-0011
東京都文京区千石3-29-8

TEL:03-3941-2680

学校情報 学校HP

8系統別の多彩な土曜講座

 教科横断型授業、アクティブ・ラーニング、グローバル教育を有機的に関連させて「自進力」を育てる東洋女子高等学校。「自進力」とは、主体的に学び、論理的に考えて自分の将来を選択できる力のことです。

 将来の目標に合わせて「特別進学」と「総合進学」の2コースが設置されており、両コースともに1年次では高校で身につけるべき基礎を徹底的に学びます。特別進学コースは2年次で文系と理系に分かれますが、総合進学コースは分野別に設定された8系統の中から、自分の興味・関心や志望に合わせた系統を選択します。

 8系統別の学習を深め、教科を横断して開講するのが「土曜講座」です。同講座は大学のゼミのようにいくつかのグループに分かれて、普段の授業では取り組めない探究活動を行います。

 2020年、休校明けから始動した土曜講座は、休校期間があったとは思えない活気を帯びていました。教室、多目的教室、実験室、そして体育館など、それぞれの場所で実施された土曜講座の様子を紹介します。

グローバル系
多様化する国際社会で、グローバルリーダーとして
社会に貢献できる人材を育てる。

主体性を持って世界と関わる

大本 征真 先生(英語科)

 2020年度のグローバル系統の土曜講座は、1時間目に外部の方の講演を聴き、2時間目にワークショップを行います。これまで銀行で総合職として働く女性、人材紹介会社のキャリアコンサルタントなど、グローバルに活躍する方々に講演していただき、国際社会に求められるスキルや働き方について伺いました。

 11月の今日は、在日外国人就労者の日本語学習支援をする会社の代表者の講演を聴きました。英語と日本語との違いや、日本語を外国語として見たらどのような言語なのかなど、普段の英語の授業とは違う視点で言語を学びました。近年、日本では多くの外国人が働いており、講師の方は在日外国人への就労支援も行っています。そこで日本のグローバル化についても、現実的なお話を伺うことができました。

 今後の土曜講座では校外学習も導入して、生きたグローバル社会について学ぶ予定です。

日本でも多くの外国人が働く昨今。グローバルな仕事の現状を学びました。

経済・経営系
人・物・お金の流れを通じて社会の仕組みを理解し、
未来の社会を担う能力を開発する。

SDGsと投資について学びながら
経済の仕組みを知る

佐々木 篤 先生(地歴公民科)

 今、挑戦しているのは『日経STOCKリーグ』への参加です。この企画は高校生と大学生を対象に仮想で株式売買を行い、投資を経験して経済の仕組みを学ぶコンテスト形式の学習です。

 土曜講座では前回までに500万円を投資する経験をしたので、4回目の今週はSDGs関連の取り組みを実践している企業を調べ、「実際にSDGsに貢献している企業はどこか?」という視点で分析をしています。実際には外務省が発表しているSDGsに取り組む企業を調べ、仮想でその企業の株を買い、そのあとの株価の推移などを図表にしてレポートを作成します。

 高校生にとってSDGsというと環境問題がすぐに思い浮かぶかもしれませんが、企業の取り組みを見ると、自分にも関わるさまざまな問題が見えてきます。また、社会貢献はボランティアだけでなく、企業が事業として取り組むことで、持続可能性のサイクルができることも理解できます。

 2021年度は「町の資源」について考えます。まずは町にどんな種類の店や施設があるのかを調べるので、校外で実地調査も行います。最初は自分の興味ある分野に取り組みますが、社会の仕組みを知るうちに、自分と社会とのつながりも見えて、視野が広がると思います。

SDGsと企業活動は切っても切れない時代になりました。
生徒たちはiPadを駆使して、企業の社会貢献を学びます。

保育・幼児教育・福祉系
子ども、高齢者、障がい者が
健やかに暮らすことのできる社会を形成するための、
コミュニケーション能力および課題解決能力を養う。

メディカル・バイオ系
生物学を中心とした理数系の知識を得ながら、
人類が抱える地球的な問を発見し、解決する能力を育てる。

看護・栄養系
生物学を中心として理数系の知識を得て、
人々の生活を支える「心」を醸成する。

3つの系統に共通するのは「人を支援する」こと

原 準平 先生(理科・物理) 原 準平 先生(理科・物理)

 2020年度の土曜講座は、「保育・幼児教育・福祉系」「メディカル・バイオ系」「看護・栄養系」の3系統が一緒にワークショップを行っています。この系統を選択する生徒に共通するのは、“人を支援する”仕事を志していることです。大学では専門知識を学びますが、本校の土曜講座では、人を支援するためにはどのような心構えが必要なのかを考えます。たとえば看護師を志望する生徒でも、「看護師はどんな仕事をするのか?」ではなく、「看護師になるにはどのような人間性が求められるのか?」を学ぶ講座です。

 前回の講座では、さまざまな視点から社会問題を発見するワークショップを行いました。たとえば3人の教員が自分の食事メニューを写真に撮り、生徒は「その食事の問題点は何か?」を考えました。

 今回は「発見した問題を社会へどのように発信するか?」に取り組んでいます。たとえば働くお母さんの1日を動画で見て、「大変そうだな」と思ったら、それがなぜ大変なのかを考える。次にその苦労を解消するためにはどうしたらいいのかを考えます。

 理科や国語など、異なる教科の教員が関わって、グループの話し合いで進む教科横断型の講座です。

グループで協働する前に、トランプを使ったアイスブレイクでお互いの情報を交換しました。 グループで協働する前に、トランプを使ったアイスブレイクでお互いの情報を交換しました。
問題解決をする前に、何が問題かを発見します。テーマは「働くお母さん」です。 問題解決をする前に、何が問題かを発見します。テーマは「働くお母さん」です。(産能大プログラムより)
先生方の食事メニューを見て、どの先生かを推測します。生徒たちは先生の個性をよく観察していました。 先生方の食事メニューを見て、どの先生かを推測します。生徒たちは先生の個性をよく観察していました。

人文・社会学系
人間社会や文化を科学として考える能力を養い、世の中で起きるさまざまな事象を多角的に考察する力を養う。

幅広い分野から自分の興味・関心を見つけて探求する

柏原 潮 先生(国語科) 柏原 潮 先生(国語科)

「人文・社会学系」の土曜講座は、文学、歴史文化、哲学心理学、教育、社会学、マスコミ・メディア、法律・政治、国際関係、観光学、福祉の10分野について探究活動を行います。自分の興味のあるテーマを選び、グループを作ってテーマを決定します。

 過去2回の土曜講座では、SDGsや文章の書き方講座などを開講しました。今回はいよいよ、自分たちが決めたテーマを深く探究する段階に進みました。

 人文・社会学は、非常に幅広い系統で、人間の活動すべてに関わる分野でもあります。土曜講座に留まらず、各教科の授業とリンクすることもたくさんあります。そのなかで自分の興味あるテーマを深く掘り下げ、主体的に考えて表現するのが講座の目的です。

選択者が最も多いのが「人文・社会学系」です。全部で11のグループができました。 選択者が最も多いのが「人文・社会学系」です。全部で11のグループができました。
各グループで活発な議論が行われています。 各グループで活発な議論が行われています。

理学・工学・建築系
物質や材料の性質を学び、「もの」を探究し、
先端技術への応用を自らの力で切り開く能力を養う。

好きな分野をとことん探究

鷲尾 真樹 先生(理科・生物) 鷲尾 真樹 先生(理科・生物)

「理学・工学・建築系」では、この系統を選択した生徒の興味ある分野を探究しています。たとえば物理選択の生徒は熱気球を作っていますし、生物選択の生徒はカビの生態や他の生物との相互作用など、さまざまな研究をしています。

 たとえば植物にカビが生えにくい性質があることを発見して、カビを防ぐ方法を考える生徒がいます。遺伝子組換え実験を行い、光る大腸菌を作ることで遺伝子のはたらきを調べることができます。また、熱気球やホバークラフトをつくることで、原理や物質の性質について理解を深めます。

 本校の理科室には、無菌状態をつくるクリーンベンチや有害な気体を取り扱うドラフトチャンバーなどの設備がそろっています。年々、理系を志望する生徒が増えているので、さらに取り扱う実験の分野は広がると思います。

女子校には珍しいドラフトチャンバー。理系女子に恵まれた環境です。 女子校には珍しいドラフトチャンバー。理系女子に恵まれた環境です。
カビを生やさない植物を発見した生徒もいました。 カビを生やさない植物を発見した生徒もいました。
熱気球を作ろうとするのは、物理が大好きな生徒です。 熱気球を作ろうとするのは、物理が大好きな生徒です。

体育・芸術系
人間であること自体を楽しむ体育と芸術を通じて、
世界や歴史とつながり、自己表現力を磨く。

より良い社会を実現するために身体表現を学ぶ体育

神田 純一 先生(体育科) 神田 純一 先生(体育科)

 体育系を選択する生徒は、体育大学をめざすばかりではありません。たとえば前回の系統探究では、視覚を奪われた状態で下駄箱から教室に移動して、椅子に座るまでの時間を計り、ハンディキャップを持った人が日常生活をどのように送っているのかを体験しました。今回の系統探究では、ハンディキャップを持った人や高齢者でも楽しめる「ボッチャ」というスポーツに挑戦しています。

 生徒たちがめざすものはさまざまです。たとえば自粛中でも楽しめるスポーツイベントを考えたり、ハンディキャップを持った人がビーチバレーボールを楽しむための方法を考えたり、あるいは全盲の人が取り組む「ゴールボール」を普及させたいと思う生徒などが選択しています。具体的には特別支援教育や障がい者スポーツ支援など、大学の先にさまざまな道を見据えています。

 2020年はコロナ禍の影響で予定していた企画のすべてに取り組むことはできませんでしたが、2021年はさらに充実させて、一人ひとりの志望をサポートしたいと思います。

芸術系進路志望者に専門分野の入試対策も行います

鈴木 美香 先生(音楽科) 鈴木 美香 先生(音楽科)

「体育・芸術系」は、将来の目標がはっきりしている生徒が選択しています。音楽を選択する生徒たちは、土曜講座で「癒やしの音楽」を作曲しました。まずバイタルサインを見ながら、どんな音が血圧を安定させるかを確認し、科学的に考えてコンピュータで楽曲を作りました。次回はモチベーションをあげる曲を作る予定です。このような取り組みはポートフォリオとして、音楽大学以外の受験に活用することもできます。今年度は保育・幼児・初等教育をはじめ心理学部や社会学系の分野を志望する生徒もいます。

 生徒は学校にあるバイオリン、チェロ、ハープなどの演奏を通して感性を育て、ソルフェージュや楽典など音大受験のための学習にも取り組んでいます。私は東洋女子に着任して30年以上になりますが、音大受験者は全員合格を果たし、多くの生徒が音楽の教育実習にやってきます。

 美術選択者は、「社会とつながる美術」をテーマに、絵画、写真、立体物などに取り組んでいます。本校では各種デザイン分野を含め美術系進路を志望する生徒が多いので、デッサン力・発想力の向上をシステマティックに図っています。

 音楽、美術、体育は理科や数学、歴史など、他教科とも関連がある分野であり、生涯教育としても有意義な学びです。

アイマスクとヘッドフォンを付けて、ハンディキャップのある人の日常生活を体感します。 アイマスクとヘッドフォンを付けて、ハンディキャップのある人の日常生活を体感します。
音楽と数学は密接に結びついています。コンピュータを使って「癒やしの音楽」を作曲しました。 音楽と数学は密接に結びついています。コンピュータを使って「癒やしの音楽」を作曲しました。
美術室では絵を描いたり、動物や、モデルハウスを作るなど、
ユニークなアイデアを魅力あふれる作品として表現する生徒たちがいました。テーマは「より良い社会を目指す制作物」です。
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