「ノー・アザー・ランド 故郷は他にない」 揺蕩う紫煙、生命の営為、活動写真

「ノー・アザー・ランド 故郷は他にない」を観てきた。
映画『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』公式|2025年2月21日(金)公開

No Other Land (2024)

95分の短い映画なんでね、皆さんも観るといい。観たまえ。観なさい。観ろ。

観ろ (★5)

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「どうすればよかったか?」 家なんかなければ

2025年ですね(マジかよ信じられねえ)。わたくしの2024年ベスト映画は「宇宙探索編集部」。皆さんも観てね。
底辺から見る宇宙 「宇宙探索編集部」 - 挑戦者ストロング

ぼく昨日、Twitter、今で言うエッキスですか? あれをやめましてね。やめたと言っても投稿しなくなったんじゃなくて、アカウント削除。2008年からやってたから、16年にわたって入力した3万3000以上のツイートを全消し。ついでになんとなくやってたInstagramも削除した。メチャクチャスッキリしたよ。皆さんもあんなもん、軽はずみに消そうぜ。クソが運営するクソSNSに、これ以上いる意味ないよ。

そして今日、「どうすればよかったか?」を観てきた。Twitter削除して軽やかだった気分がズドーンと落ちる、スーパーヘビー級のドキュメンタリーだった。
感想の前に、映画の概要はこちら。これはたいへんなことだよな…
映画『どうすればよかったか?』公式サイトdosureba.com

一時代を築いた名機、SONY VX-1000で撮影した映像がたくさん観られますが… 嬉しい気持ちにはなりません。 (★3)

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「ロボット・ドリームズ」 燃やせ燃やせ 怒りを燃やせ

「ロボット・ドリームズ」

文化後進地域の四国から、遠く広島まで行ってアニメーション映画「ロボット・ドリームズ」を観てきたよ。
ハッキリ言って今作はオレの年間ベスト候補のひとつだった。メチャクチャ期待していた。だから実に残念だったし、怒りも激しくなった。
以下、ネタバレありの感想。

仕方なくないが? 仕方なくないが? (★2)

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今のプロレス、昔のプロレス

久々にプロレスの話を。ま、過去のエントリと同じく老害の世迷い言と小馬鹿にされるんだろうなとは思ってる。

2024年9月9日、小林邦昭が亡くなった。

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  • 紫レガ

    お久しぶりです。

    比べてしまったり、むやみなスロー再生するのは良くない方向性ですよね。昔より技は進化してるのかも知れませんが、受け方は退化してる様にも感じてしまいます。

    ショルダースルー復活論は私も同意いたします。
    誰だったか、『受け身の一番難しい技はショルダースルー』と言ってた記憶があります。

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それは愛なのか 「侍タイムスリッパー」

インディーズ映画ながら評判が高くて拡大公開されている「侍タイムスリッパー」を観てきましたよ。世評に違わず面白かったんだけど、文句もある。
今CinemaScapeが落ちてて投稿できない状態なので、こっちに書く。文句を書いてますが、面白かったんですよ。観て損はしないと言っておきます。あーそれからネタバレありますので、まだ観てない人は絶対に読まないように。

紅萬子さん(右)、メチャクチャ久しぶりに見ました

面白かったんだけど、クライマックスの展開に問題あり。ええーそういう事するのかあ、と鼻白んだ。そうしたくなるのはわかるし、実際盛りあがってんのは確かなんだが。 (★3)

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「きみの色」 人の色が見えるという設定がもう人間をナメている

山田尚子監督のオリジナル長編アニメ、「きみの色」を観てきた。観てる間はフーン、フーンと思ってて、腑に落ちないまま家に帰ったらだんだん激烈に腹が立ってきて、このような感想になってしまった。お好きな方々にはごめんなさい。しかし書いてて思ったけど、オレ山田監督のアニメだいたい観てるんだなあ。さすがに短編とかは観てないけど、気持ち悪いやつだな。

びっくりするほど魅力のない同級生たち

自身の集大成的な内容を手癖で作ってるもんだから、監督の悪癖が山盛り。もともと山田尚子作品をお好きな人にはよろしいんでしょうな。 (★2)

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「ガラス職人/The Glassworker」、初期衝動という宝石

「ひろしまアニメーションシーズン2024」なる催しがあり、世界の様々なアニメが上映されたのであるが皆さんは御存知か。オレは全然知らなかった。しかし先日アヌシー・アニメーション国際映画祭において日本のアニメによく似たルックのパキスタン製長編アニメが上映されたことは知っていた。youtubeでトレーラーを観て、これは是が非でも観たいと確信し、この1本、1回だけの上映を観るためだけに灼熱の広島へと密航した。その甲斐はあったと言える。

The Glassworker

アニメあふれるこの国で、パキスタン初の長編アニメを観て自由に息ができたこと (★4)

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「化け猫あんずちゃん」 我々は幾度「少女が田舎でひと夏のナントカ」映画を観るのか

ロトスコープで踊る吉田

森山未來が見事(チャリパクに気づく芝居など最高)で大いに楽しんだが、えらく生ぬるい。ここまでお子様ランチ化するのかと思った。 (★3)

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「悪は存在しない」 そうかー?

地元のミニシアター、ホールソレイユで「悪は存在しない」を観た。
この監督の映画は「ドライブ・マイ・カー」しか観たことはない。それも日本映画専門チャンネルの録画で観たものだ。シネスケの感想リンクはこちら。
CinemaScape/Error
ドライブマイカーみたいに3時間あったら観なかったが、2時間切ってるらしいので観に行った。ネタバレ注意だが、ネタバレとかそういう問題でもない気がする。

ちょっと長渕入ってるオヤジのニット帽

作り手の描く範囲内ではよくできてるし力のある変な映画とは思うが、好きかといえば全然好きじゃない。 (★3)

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「白日青春 生きてこそ」 すばらしいアンソニー・ウォン

アンソニー・ウォンの新作「白日青春 生きてこそ」を松山で観てきた。東京では1月公開の映画なのに、四国民は3ヶ月も待たされる。いつもの許しがたい地方格差である。

アンソニー・ウォン 黄秋生

アンソニー・ウォンは好きな役者だ。好きになったきっかけは「八仙飯店之人肉饅頭」(1993)だった。以降もハーマン・ヤウ監督と組んだ人間探求シリーズ(と勝手に呼んでる)、「タクシーハンター」(1993)、「エボラ・シンドローム 悪魔の殺人ウイルス」(1996)など傑作が多い。とかなんとか言いつつヒットした「インファナル・アフェア」三部作は観てなかったりする。

なぜオレはアンソニー・ウォンをこんなに好きなのかを考えながら観ていた。 (★4)

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底辺から見る宇宙 「宇宙探索編集部」

「宇宙探索編集部」

「宇宙探索編集部」を観るために、週末に高知に行ってきた。この映画は文化荒廃県・香川では上映されなかったので、上映してくれたゴトゴトシネマさんに感謝します。高知には他にも毎週末上映会をやってるシネマ四国さんもあって、皆さん立派だ。文化の荒廃と日夜闘っておられる。

以下、CinemaScapeに投稿したネタバレいっさいなしの感想。今年のベスト候補です。

穴の空いた胸には、ロマンのかけらがほしいのである (★5)

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ミスター珍と、力道山

1994年刊

ミスター珍が亡くなる前年に刊行された著書、「万病息災 糖尿地獄からの生還」を読む。こんな本が出ていたことは全然話題にならなかったし、こんな本を読んだのは流智美と吉田豪とGスピ編集部ぐらいなんじゃないかと思う。タイトル通りミスター珍の長年にわたる闘病の記録であり、しかし日本プロレスや国際プロレスの貴重な記録、歴史の証言でもある。正直言ってこの本はメチャクチャ面白かった。君たちも探して読みたまえ。

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