幼稚園の先生になるために必要な免許。
その免許を取得するために行われる試験を巡って、ある情報が「イット!」に寄せられました。

「ここのテストの問題というのは、持ち込み資料からそのまま出題されていて、模範解答を書き写すだけで、誰でも幼稚園教諭2種の免許がとれてしまう」と話すのは、ある専門学校の教員です。

北海道・札幌市などで事業を展開する専門学校では、試験の際、持ち込みが認められている資料の文言を書き写すだけで、ほぼ単位が取れてしまう実態があると証言します。

「イット!」が入手した、専門学校の2024年の試験問題。
3問目から7問目まで、学習指導要領の役割などを文章で答える問題が並んでいます。

一方、試験の際に持ち込みが許されている、専門学校が生徒向けに用意している学習の手引き。
そこには、試験問題の模範解答が書かれていました。

解答用紙を見てみると、ほとんどの人が模範解答と同じ「学習指導要領は」から始まり、「明確にされている」で終わっています。

持ち込んだ学習の手引きから、そのまま回答として書き写していると思われます。

札幌国際大学の平野良明名誉教授は、単位の認定には法的な規制はなく「違法ではない」としつつ、「合格させるために細工をすることはあってはならないこと。資格を取得して現場に出て行く者が、しっかり身につけていかねばならない知識」と指摘しました。

また、「イット!」に情報提供した教員も「幼稚園の現場に出たときに、知識がないということで子どもたちに不適切な行為をしてしまったり、人権侵害とか、そういったことが行われる可能性がある」と話していました。

こうした試験が行われていることについて、専門家は、保育の現場の人手不足を指摘しています。

札幌国際大学・平野良明名誉教授:
現場は本当に人手不足。それがこのところ恒常化していて、なんとか現場で育てるので、資格を取れた学生さんを少しくらい力不足でも送ってください、というのが現場の声としてある。

「イット!」は学校側にコメントを求めていますが、現時点で回答は得られていません。