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官製談合容疑で逮捕の佐賀県多久市課長 入札情報の閲覧権限 市長が会見で陳謝「信頼回復に全力」

 佐賀県多久市が発注した工事を巡る官製談合事件を受け、同市の横尾俊彦市長は19日、市役所で記者会見を開いた。官製談合防止法違反(入札妨害)の疑いで18日に逮捕された市総合政策課長の梶原聖司容疑者(58)は、庁内のネットワークで入札の指名業者名などを閲覧する権限を付与されていたことが分かった。

 梶原容疑者は2022年9月、市が管理するテニスコートの照明設備改修工事の指名競争入札で、秘密事項の指名業者名を参加業者の佐電工(佐賀市)営業本部副本部長の鳥越昌彦容疑者(55)=公競売入札妨害容疑で逮捕=に漏らした疑い。梶原容疑者は1998年に入庁し、建設課長などを経て、2021年から現職。

 横尾市長は会見で「市民の皆さまには大変ご心配とご迷惑をおかけしている。信頼回復に全力を尽くす」と陳謝した。事件は18日午後に県警からの連絡で把握したといい、「仕事ぶりは非常に積極的で熱心だっただけに大変残念」と述べた。

 市によると、入札の指名業者名や最低制限価格などは庁内のネットワークで管理され、一部の入札に関わる職員のみ閲覧ができ、それ以外の職員が閲覧するには書類申請が必要となる。梶原容疑者は22年度のいずれかの時点から閲覧が許可されていたが、申請や許可の時期などは、県警に資料が押収されるなどして「確認できない」という。

 再発防止に向けて横尾市長は「職員の服務規律を徹底するよう呼びかけたい」と話し、今後具体策を検討するとした。

 (才木希)

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