AzureやAWSなどの認定資格は「本当に無駄なのか」を考えてみた
はじめに
半年に1回ぐらいの頻度でエンジニアたちは、IT資格取得は「無駄である派」と「無駄ではない派」と「中立派」に分かれてSNS(特にTwitter)を通じてお互いの意見を(不思議と)ぶつけ合っています。
実は私も数年前までは、「無駄である派」の無関心派閥の立場でした。他者に対して否定的な言動はしないものの、認定資格で満点を取ることよりも、実際にクラウドリソースを触って現場で活かせる技術を身につけるほうが最優先だと考えていました。わざわざ国家試験でもない高額かつ有効期限付きのベンダー試験対策に何日も何十時間も費やすくらいなら、その時間を趣味や自己研鑽に充てたいという人間でした。
今でもその思考は変わりません、これから先も。ただ、ある出来事をきっかけに「無駄ではない派」の立場になりました。
1.パートナー企業の社員を対象とした表彰プログラム を知る
パブリッククラウドを活用したビジネスを展開している企業は、売上拡大や新規事業を実現するために MicrosoftやAWS、Google などとパートナー協定を締結することが多いです。人材育成や案件獲得、新規サービスの早期利用、クラウド利用料やライセンス調達の割引などの特典を得られるためです。
そのパートナ企業に所属する正社員を対象とした表彰プログラムというのがあります。自分はこのプログラムを知ってから、認定資格 を少しずつ取得するようになりました。
Microsoft パートナー(通称:Azure Networking Managed Service Provider (MSP))
・YYYY Microsoft Top Partner Engineer
AWS パートナー(通称:AWS Partner Network (APN))
・YYYY Japan AWS Top Engineer
Google パートナー(通称:Google Cloud Partner)
・Google Cloud Partner Top Engineer YYYY
本表彰プログラムは、
① パートナー企業のビジネス拡大活動
② 自己研鑽活動(認定資格やブログ執筆、社外登壇、コミュニティ活動)
の2点を評価します。特に①の取り組みが大きく評価されます。
応募者は専用フォームに評価期間に個人(や組織)として取り組んだことを記入し、日本Microsoft や AWS Japan などの社員が評価します。基準値が満たしていれば選出されるという内容です(選出数の上限があるのかは不明)。主にエンジニア、営業、情シスの担当者が選出されます。
恥ずかしながら、私は締切ギリギリにこのプログラムを知りました。一応 10本ほど Azureブログを公開しており、業務では大規模案件を担当していたので、顧客のビジネスを成就するための課題を「Microsoft Azure のサービスで実現してやったぜ!ドヤッ」的なことを自信満々に記入して応募したら選出いただけました。ご協力していただいた弊社員や関係者には、頭があがりません。
Twitter(現X)でも多くの方から祝っていただき、本当ありがとうございます🙇♂️
応募時に取得していた認定資格は、AZ-104とAZ-305だけでした。選出される可能性を少し上げたいのであれば、いっぱい取りましょう。パートナー企業であれば、バウチャー配布や資格合格奨励金などの制度があるところにはあります。弊社はあります。表彰プログラムに選出された場合は、祝い金の支給もあります。
2.案件入札時の資格要件を満たす
最近、案件入札時に「AWS認定資格〇〇の保有者をプロジェクトにアサインすること」などのクラウドの資格要件が増えてきました。大きな会社であれば、たくさんいるかも知れませんが中小企業やスタートアップ企業では、IPA資格の有識者は在籍してもベンダー認定資格を持つ社員は少ないのではないでしょうか。
実際に私は会社から依頼されたことがあります。「数日しかないけど取るのだ!対策教材の費用なら出す!」と偉い人から告げられ、業務でバリバリ触れていた領域だったので公式ドキュメントを数周回読んで、翌日オンライン受験で合格しました。
特にデジタル庁が関わってくる公共案件には、IPA資格やPM試験以外にも「特定のクラウド認定資格の有識者をインフラ業務に担当させること」と明記されることがここ数年で増えています。近年、大手の製造業界の案件にも増えている印象です。
なぜ認定資格を否定・非難する人がいるのか
答えは2つあると思います。
① A.技術者だからです。
本ブログの冒頭でも触れたように、現場で活かせない・活かしづらい活動に成長期または成長しないといけない時期を使って精を出して取り組む必要はないという考え方をお持ちの方がいます。個人的には、その思想自体は決して間違いではないと思いますが、他人に強要してしまうと、当然ながら反発や反感を買ってしまいます。
私は、従業員数もそこまで多くはないSI企業に所属しているため、「この案件やりた〜い」と挙手すれば概ねアサインしてもらえる職場環境にいます。しかし、そういった自由度の高い会社ばかりではありません。
百聞は一見にしかずという言葉があるように、実業務で鍛えられた技術者の成長スピードや技術力・能力ともに高い水準にあります。多くの失敗を経験しているからこそ、次の行動の精度が飛躍的に上がるのです。どの業界でも「経験>>知識」が重視されるのは、そのためだと思います。
こうした考え方を理解し合いたい人と、分かってはいるものの自社の方針などで実力を発揮しづらい人の間には、当然思考の差が生まれます。実際、「資格を持っているから必要な知識を勉強している」という理由で、「この案件を〇〇さんに任せよう」と周囲が判断してくれるまで、動きづらい立場の方がいるのも事実です。友人や知人にもそうした人は少なくないので、両者の意見はどちらもよく理解できます。
② A.否定してしまう人が日本のIT業界にはいます。
IT業界には、物事や出来事を何でも否定する人が一定数います。大体②の方が多いです。
悪意を持って攻撃してくる人は論外として、下手に反論するよりは距離を置くほうが賢明です。やってはいけないのは、「あなたは間違っている」と論理的に正当性を求めたり、糾弾したりすることです。そもそも会話が成立しない場合が多いので、無理に対話を続けるよりも、そっと引いたほうがいいでしょう。
やられっぱなしは嫌と感じる方に知ってほしいことが2つあります。
ブログで書くべきか悩みましたが、書きます。
1.精神疾患者が多い
独り身の精神疾患者は、攻撃的になりやすい傾向があります。未婚者の割合が増えている現代社会にとって、今後ますます増えていくと個人的に予想しています。特に成人してからの職場いじめや能力不足によるドロップアウトした方の後天性の場合は、周囲の方や行政がサポートしない限り、その後の人生を辛く暮らします。 私の周りにも男女問わず、20〜70歳の幅広い方々が後天性の患者がいます。真面目で優しい人ほど、壊れやすいです。
本人の努力不足などの内的要因も大きく関わってきますが、環境が人を育てるというのは事実であり、成人になって壊れる方に共通するのは外的要因です。自身の心に余裕があるのであれば、悔しい気持ちがあるのは重々理解できますが、相手しないことが最善な行動になります。
2.応援してくれる人がほとんどという事実
安心してください!頑張っている方や目標を達成する方を応援する人が大半です!あまりにも自慢しすぎると他人から引かれる原因になりますが、自己研磨・自己研鑽する方は対面したことない人でも見ていて気持ちいいので、アウトプットしちゃってください!
私は、いいね魔 なので通知をうるさくしてしまいますがご了承ください🙇♂️
私は認定資格をどう思っているか
業務で携わった技術領域が試験範囲であれば、サクッと取れることがIT資格には多いです!
もちろん、受験するしないは本人によりますが、所属する会社がサポートしてくれる福利厚生があるのであれば、隙間時間などでコスパ・タイパよく勉強して取得しましょう〜
福利厚生がない場合は、定期的に「再受験無料」「50%オフ割引」「100%オフ割引」などのキャンペーンが開催されるので、そのタイミングでチャレンジするのもいいかも?
さいごに
IT業界は、世界的に見ても技術の進歩が非常に速い分野です!特にクラウドエンジニアの場合、専門領域を掘り下げながら、継続的なインプットを続けることが求められます。
たしかに、認定資格だけでは現場であまり役に立たないことが多いかもしれません(私自身も、資格が直接役立ったと感じた経験はありません)。しかし、一方で公式ドキュメントを読み解く力や、学習を通じて良質なコンテンツとの出会いがあるなど、試験結果そのものだけではなく、勉強のプロセスから得られるものも少なくありません。
心身に負担のない範囲で、マイペースに取り組んでいくことを推奨します!
あと↓読んで❤️
Discussion
資格の勉強自体は、直接役には立たないとも言えますが、Well-Architectedな考え方が身についてきたと思います。
試験問題は、どっちも実装できるけど、Well-Architectedな観点でこっちが正解、みたいなものも多いですし。
現場のシステムでも、動いてるけど、無駄が多い構成は、有資格者が絡んでいない印象です。
だんだん有資格者の評価が上がってくるといいなあと思います。
Maseさん コメントありがとうございます!
たしかに 「Well-Architectedな観点」は基盤や運用設計時に意識するようになっていました!
技術要件やクライアントの都合で彼らのベストプラクティス構成を導入できない場面がどうしても発生するので、ビジネスニーズと将来性を考慮した「最適なアーキテクチャ(Well-Architected)」を提案・実装できる人はどんどん増えてほしいですね〜