オンラインによるG7首脳会合には、ウクライナの首都キーウからゼレンスキー大統領が議長国カナダのトルドー首相らとそろって参加しました。
この中でゼレンスキー大統領は、アメリカのトランプ大統領に対し「トランプ大統領、私たちはアメリカの支援が続くのか、聞きたい。私たちの国民は誰もが心配している」と述べ、ウクライナへの支援を続けるよう直接、訴えかけました。
また、鉱物資源の権益をめぐるアメリカとの協議に言及し「生産的な話し合いを進めている」と述べ、合意に期待を示しました。
そのうえで侵攻の終結に向けたロシアとの交渉にはウクライナとヨーロッパも参加すべきだという考えを改めて強調しました。
これに対しトランプ大統領は、SNSにメッセージを投稿し、鉱物資源の権益をめぐるウクライナとの協議について近く署名するという見方を示すとともに、ロシアのプーチン大統領と侵攻の終結に向けて真剣に話し合いを続けていると強調しました。
これまで繰り返し批判してきたゼレンスキー大統領については言及しませんでした。
一方、首脳会合の共同声明は文言をめぐって調整が続いているとみられ、発表されておらず、複数のメディアは「ロシアによる侵攻」などロシアに批判的な文言にアメリカが反対しているなどと伝えています。
ウクライナ侵攻3年でG7首脳会合 国連総会の決議案に米は反対
ロシアによるウクライナ侵攻が始まって3年となるのにあわせて24日、G7=主要7か国のオンラインによる首脳会合が開かれ、参加したウクライナのゼレンスキー大統領は、アメリカのトランプ大統領に対し、支援を続けるよう直接、訴えかけました。
また、首都キーウではヨーロッパやカナダなど10か国以上の首脳が集まって対面とオンラインによる首脳会合を開き、侵攻の終結に向けて各国が結束していくことを確認しました。
米仏首脳会談 トランプ氏“ウクライナで早期停戦実現目指す”
石破首相 “共同声明は調整中”
G7首脳会合について、石破総理大臣は、ウクライナに公正かつ永続的な平和をもたらす重要性などを共有したとする一方、共同声明はいまも発表に向けた調整が続いていると説明しました。
石破総理大臣は、25日、総理大臣官邸で記者団に対し「戦争の即時停止と、ウクライナに公正かつ永続的な平和がもたらされること、そのためにはアメリカの関与が重要で、G7のほかの国々が後押ししていかなければならないこと、G7の結束が大事だということは、皆の共通認識だ」と述べました。
その上で「共同声明については、なおいろいろな調整が行われている最中だが、文言の子細について、決定的な差異があるわけではないと理解している」と説明しました。
また、林官房長官は記者会見で「共同声明は、情勢が刻々と移り変わる中で、いかなるタイミングで、どのようなメッセージを発するのが適切か、調整している」と述べました。
首都キーウでも10か国以上の首脳が会合
ウクライナの首都キーウには24日、スペインやカナダなど10か国以上の首脳が集まり、対面とオンラインによる首脳会合を開きました。
会合には日本の石破総理大臣がオンラインで参加するなどあわせて40を超える国の首脳や国際機関のトップが参加しました。
この中でゼレンスキー大統領は「私たちは、強さと知恵、そして団結によって平和を実現しなければならない」と述べ、ロシアによる侵攻の終結に向けて各国の結束や支援を改めて呼びかけました。
また、EU=ヨーロッパ連合のフォンデアライエン委員長は「危機にひんしているのはウクライナの運命だけではない。ヨーロッパの運命もだ」と述べ、ウクライナ支援の重要性を強調するなど、侵攻の終結に向けて各国が結束していくことを確認しました。
さらにフォンデアライエン委員長は会合の後の記者会見でウクライナが求めるEU加盟について「2030年よりも早くなる可能性がある」と述べ前向きな姿勢を示しました。
一方で首脳会合にはアメリカの姿はなく、欧米の連携にほころびをうかがわせる結果となりました。
国連総会 ロシア軍の撤退求める決議案採択 アメリカは反対
国連総会では24日、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から3年となるのにあわせて、特別会合が開かれ、ウクライナやEUなどが提出した、戦闘の停止とロシア軍の撤退などを求める決議案が採決にかけられました。
決議は日本など93か国の賛成多数で採択されましたが、アメリカやロシアなど18か国が反対し、65か国が棄権しました。
さらにアメリカはこの決議案に対抗して「侵攻」などロシアへの批判的な文言を使わずに「紛争の早期終結」を要請するとした別の決議案を提出しました。
アメリカのシェイ国連臨時代理大使は、「戦争の終結というシンプルな考えに焦点をあてた決議案だ」と説明し、ロシアのネベンジャ国連大使も「正しい方向への一歩だ」と評価しました。
このアメリカの決議案に対しフランスなどは「ロシアによるウクライナへの全面的な侵攻」という表現を盛り込んだ修正案を提案し、これが各国の賛成多数で採択されたため、アメリカは自ら提案した決議案を棄権しました。
国連総会の決議に法的な拘束力はありませんが、ウクライナ情勢をめぐるアメリカとウクライナやヨーロッパ諸国との立場の隔たりが国連の場で浮き彫りになりました。
岩屋外相 “対立している場合ではない”
岩屋外務大臣は記者会見で「G7首脳会合では、1日も早くウクライナに平和をもたらすべく率直な議論を行い、G7の結束を確認できたと考えている。和平に向けた各国の活動が展開され始めている時期に首脳会合を行ったことは非常にタイムリーで時宜を得たものだった」と述べました。
一方、国連総会でウクライナやEU=ヨーロッパ連合などが提出した決議をめぐり、アメリカとの立場の隔たりが浮き彫りになっていることについて「対立している場合ではない。国際社会が結束して、長年にわたる戦闘行為が終結しウクライナに公正で永続的な平和を実現することが最終的な目的だ。わが国としては、米欧双方と意思疎通し、分断や対立ではなく協調して和平が実現するよう働きかけたい」と述べました。
米 安保理にもロシアへの批判的文言使わない決議案提出
アメリカは国連総会に続いて、24日、安全保障理事会にも「侵攻」などロシアへの批判的な文言を使わず「紛争の早期終結」を要請する決議案を提出しました。決議はロシアを含む10か国の賛成で採択されました。
ロシアのネベンジャ国連大使はアメリカの決議案について「正しい方向への一歩であり、アメリカの新政権の紛争の平和的な解決に貢献するという意思を反映している」と述べて評価しました。
一方、イギリスやフランスなどヨーロッパの5か国は棄権しました。
国連安保理と国連総会の決議とは
国連安全保障理事会は、国際社会の平和と安全に主要な責任を負う国連の機関で、すべての加盟国に対し法的拘束力のある決定を行うことができます。
▽アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国の5か国の常任理事国と
▽任期が2年間の非常任理事国10か国で構成されていて
常任理事国には、1か国でも反対すれば決議案を否決できる拒否権が与えられています。
一方、国連総会では、193の加盟国すべてが決議案の採決に参加でき、どの国にも安保理のような拒否権はありません。総会決議は法的拘束力がありませんが、国際社会の総意を示す政治的な重みがあるとされています。
フィンランド 犠牲者追悼と団結訴える催し
ロシアによるウクライナ侵攻から3年を迎えた24日、フィンランドの首都ヘルシンキで犠牲者を悼み、ウクライナへの団結を訴える催しが開かれました。
フィンランドは、ロシアによる侵攻をめぐっては一貫してウクライナを支援していて、催しはロシアによる侵攻開始から24日で3年となるのに合わせて開かれました。
首都ヘルシンキの観光名所でもあるヘルシンキ大聖堂の前にある広場では2000本以上のキャンドルがともされ、亡くなった犠牲者に黙とうがささげられました。
参加した女性のひとりは停戦に向けた外交が活発化している一方、ウクライナやヨーロッパの頭越しに米ロの高官による会合が開かれたことについて「議論を交わすことは重要だと思いますが、正しい当事者がテーブルについていなければいけない。これは当事者抜きで議論できるような問題ではありません」と話していました。
また、フィンランドで暮らすウクライナからの避難者の学生は「家族と離れて住んでいるので悲しいですが、ここではフィンランドの人からのサポートを実感することができます」と話していました。
NHKスペシャル トランプとプーチン “ディール”の深層
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