ベルとアイズはとある鍛治師の工房に来ていた
「ここであってるんですか、アイズさん?」
「うん…ここであってるはず…」
「ここにヴェルフ・クロッゾさんがいるんですよね…」
「椿さんが言ってたから…合ってると思う…」
二人はここに来た経緯を思い返す
遡るは昨夜
黄昏の館
「ベル、ランクアップ可能になっとった」
「本当ですか!?ロキ様!!」
「ああ、ほんまやただなベル、あんたの基本アビリティがまだ伸びそうやねん」
「それがどうかしたんですか?」
「ああ、そういえばベルは知らんかったな」
「何がですか?」
疑問を浮かべるベルにロキは笑みを浮かべ
「同じLv同士の冒険者が戦ったときの勝敗って何が分けると思う?」
「えっと戦闘技術ですか?」
「それもあるな、けどその戦闘技術も相手の方が力も速度も上やったらそれも意味ないんとちゃうか?」
「あ!基本アビリティの差!」
「そ、1番いい例やとリヴェリアって魔導士なんは知っとるか?」
「はい!確か後衛で魔法を撃つ方なんですよね?」
「せや、リヴェリアは近接戦が始まるとフィンとガレスには負ける」
「力と速度のアビリティが違うからですか?」
「そういうことやリヴェリアは並行詠唱も覚えとるが基本は後衛の動きを求められとるから並行詠唱覚えるまで近接戦をする機会がなかったんや、せやから力とかのアビリティが魔力のアビリティより低いんや」
「あれでもそれだと例えばLv.1の人とかでもリヴェリアさんより力とか敏捷のアビリティ高かったら勝てるってことになりませんか?」
「それが違うんや、ランクアップした
「ううんちょっと難しいですね…」
「まあ、今は基本アビリティ上げとくんは損が無いっちゅうことだけ覚えてればええ」
「はい!」
「せや、ベル、リヴェリアから伝言を預かっとる「明日は休みをとれ、それとへファイストス・ファミリアの眷属に呼ばれているそうだぞ」らしい」
「休みはわかったんですけどへファイストス様の眷属にですか?」
「せや、なんでもへファイストスのとこの眷属がベルに興味持ったらしくてな時間があったら来てほしいらしい」
「えっとその人のお名前って……?」
「ヴェルフ・クロッゾ、ちゅう眷属らしいは聞いたことは?」
「あ!僕が買ったライトアーマーの製作者の人です!」
「面識はないんか…(まあ、大方下級鍛治師の眷属なんやろな、自分の作品買った人物が知りたくてとかその辺りやろ)」
「どこに行けば会えるんですかね?」
「ああ、へファイストスが言うには工業区から少し外れたところらしいわ」
「それじゃあ明日にでも行って見ます!」
「気をつけて行ってきい」
「はい!」
そうベルは言うと自室へと戻ると
アイズがまだ起きていた
「あれ?アイズさんまだ起きてたんですか?」
「うん…ベルが帰ってくるの待ってた…長かったけどどんな話してたの?」
「あ、はい!実は…ランクアップできるようになってまして!」
「もう…?」
「はい!けどロキ様が基本アビリティをもう少し上げたいって言っててそれで一度保留にしたんです!」
「そうなんだ…基本アビリティは大事だからね…(ロキ…ベルが目をつけられるから後にしたな…)」
「はい!それで…明日は休みってリヴェリアさんが言ってて、それとへファイストス様の眷属の人が僕と話がしたいみたいで…」
「誰?」
「ヴェルフ・クロッゾって言う方らしいんですけどアイズさん知ってますか?」
「ヴェルフ……(クロッゾさんのことか)」
「どうかしましたか?」
「いや…なんでもないよ…ヴェルフ・クロッゾでしょ?知ってるよ…」
「本当ですか!?どんな方なんですか!?」
「ううんと…私から聞くよりあってからの方がいいんじゃないかな?」
「そうなんですか?」
「うん…」
「わかりました!」
「うん……それじゃあもう遅いし寝ようか……?」
「はい!それじゃあおやすみなさい!」
ベルは早々に寝ようとすると
そこにアイズが入ってくる
「あ、アイズさんっ!?」
「ん?……どうしたの?」
「え、いや、あのなんで僕のベットに入ってくるんですか!?」
「え…?ベル…私と寝るの…いや…?」
「っ!!!!!!!(嫌じゃないですけど!!!!!!!)」
ベルは今人生で一番の危機迎えていた
と言っても当人は最低でも三度アイズと寝ていることを知らないのだが
「大丈夫そうだね…?それじゃあ…寝よっか…」
「え!!!!!!!」
アイズはベルをLv.4の力でベルに抱きつく
「ヒュッ!!!!」
「おやすみ…ベル…」
アイズは少ししてベルを抱き枕にして寝たがベルはアイズの抱擁から逃げられずに諦める
そんなこんなで一日が終わる
そして最初の場面に戻る
「ノックしますね?」
「うん…」
ベルは工房のドアに近づきノックする
工房の中から声が聞こえてくる
「勝手に入ってくれ!!」
「は、はい!!」
ベルはドアを開け工房の中へと入る
そこには一人の少年がいた
「ん?剣姫と…」
「ベル・クラネルだよ…クロッゾさん…」
「だからその家名やめてくれって言ってるだろ剣姫」
「だったらそっちも剣姫呼びやめて…」
「わかったよ、けど前の癖が抜けてないんだよ」
「あ、あの〜」
「お、悪い悪いお前がベル・クラネルか?」
「は、はい!」
ヴェルフは少し考えて口を開き始める
「ちょっとこっちに来てくれ姫さん」
「うん…」
そしてベルに聞こえない程度の声で喋り始める
「…なあ、姫さん、アルの奴もしかして記憶ないのか?」
「…うん、ないよそれと話してなかったけど…」
「…マジかよ…」
「…だからベルにはボロ出さないようにね」
「…わかった」
ベルが不思議そうな顔をしている
話が終わったのかヴェルフが話し始める
「それで、ベル、お前が俺の作品の「アルゴ」を買ってくれたんだよな」
「はい!」
「なんで買ったのか聞いてもいいか?」
「え?」
「俺の作品はどこにでもあるようなありふれた作品だ、けどお前はそれを買ってくれた…俺は、その理由を聞きたい」
「えっと、漠然とした理由なんですけど……貴方の作品をずっと前から求めてたような気がするんです」
「!!」
「えっとこんな理由…おかしいですよね…」
ヴェルフは笑い出す
「くっあはは!!気に入った!やっぱりお前は気に入ったよ!」
「だから言ったでしょヴェルフ、あの名前にした方がいいって…」
「いや、姫さんこいつは…ベルは違う名前でも俺の作品を選んだと思うぜ」
「えっと…」
「悪い悪い、いやなんだ気に入っちまってなお前のことがベル」
「それって…?」
ヴェルフは少し考えたそぶりを見せ、口を開き始める
「ベル…俺と、専属契約を結ばないか?」
「専属契約……ですか?」
「おう、鍛治師がその冒険者に武器を作るそう言う契約だ」
「そんな、大事な契約、結んでいいんですか!?」
「おう、俺はなそこら辺にいるような魔剣だけを求めるような奴らよりお前みたいな奴に、俺の武器を作ってやりたい」
「でも、僕は何も返せないですけど…」
「返さなくても、いいぜ、けどもしお前が納得できないってなら…そうだな、お前の夢と『冒険』について行かせてくれ」
「そんなのでいいんですか!?」
「そんなのってひでえな、けど俺にとっては大事なことなんだ」
「わかりました、僕の夢と『冒険』だけでいいなら…」
「私は外に出てるね…終わったら呼んで…」
そう言ってアイズは外へと出ていった
そしてそれを確認してからベルは話し始める
「その僕の「夢」は、笑われるようなものですけど、『英雄』になりたいんです」
「!それは…『百』を救う英雄にか?それとも『一』を救う英雄にか?」
「
「!!」
「えっとどうかしましたか?」
「いや、なんでもない俺の友人よりすごいことを言ったなと思ってな」
「えっとその友人ってどんな方なのか…聞いてもいいですか…?」
「ああ…いいぜいくらでも聞かせてやるよ、あいつの「
そこからヴェルフはベルに時間を忘れたように無二の友のことを
途中でアイズも入ってきて一緒に楽しそうに語った