2025-02-24

ねこ独立国家を作った話②

ねこはまたさすらった。

さむいひも、あついひも、かわをこえ、やまをこえ、どこまでいってもにんげんのせかいはつづいていた。

にんげんはどこにでもいて、どこでもおなじようにせかせかといそがしそうにあるいていた。

でも、ねこはしっていた。

にんげんはただいそがしくしているだけで、ほんとうはなんにもわかっていないのだ。

あるひ、ねこはふしぎなばしょをみつけた。

そこにはだれもいなかった。

ひろいだいちに、みどりのくさがはえ、かわがきらきらとかがやいていた。ねこはおもった。

「ここなら、ほんとうのくにがつくれるかもしれない。」

ねこはふたたびくにをつくることにした。

こんどはひとりでなく、いろんなねこたちをよんだ。

「ここならしあわせになれるよ!」とさけぶと、あちこちからねこがあつまってきた。

さいしょは、すばらしいくにだった。

ねこはみんな、たべものをわけあった。

だれかがつかれていたら、べつのねこがえものをとってきた。

くるしむねこがいたら、みんなでなぐさめあった。

おかねも、ちいさなからも、ぜんぶわけあった。

「みんながひとつ、みんながおなじ、みんなでくらすしあわせなばしょ!」

さいしょは、それでよかった。

でも、すこしずつ、おかしなことがふえてきた。

「おまえはえものをとってくるのがうまいのだからもっとはたらくべきだよね?」

わたしはちからがないから、ほかのねこがたくさんはたらいてくれたほうがいいにきまってるよね?」

「みんなおなじなのだから、ひとりだけおおくたべるのはよくないよね?」

ねこたちは、ねこたちをみはるようになった。

みんながみんなをおなじようにするために、つよいねこがきまりをつくった。

そして、きまりをまもらないねこをおこるようになった。

「みんなおなじ、みんなひとつ、みんなしあわせなはずだよね?」

でも、ねこはおもった。

「ほんとうに、そうだろうか?」

あるひ、ねこはきがついた。

このくにでは、ひとりのねこがじぶんでなにかをきめることができなくなっている。

みんなが「しあわせ」とおもわなければいけない。

みんなが「おなじ」といわなければいけない。

だれかがまちがっているとおもっても、それをいうことができない。

それは、ほんとうに、いいくになのだろうか?

ねこは、ふたたびくにをすてることにした。

「こんどこそ、ほんとうにしあわせなくにをつくるんだ。」

ねこは、またあるきだした。

どこかに、ほんとうにじゆうで、ほんとうにしあわせなばしょがあるのか。

あるいは、それはどこにもないのかもしれない。

それでも、ねこはあるきつづける。

どこまでも、どこまでも、またあたらしいばしょをめざして。

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