長崎県諫早市小長井地区の3小学校統合、児童が校舎再活用案
少子化が進む長崎県諫早市小長井地区で今春、三つの小学校が1校に統合される。閉校となる長里小で23日、式典があり、児童や近隣住民ら300人が愛着のある学びやに別れを告げた。5、6年生からは校舎の再活用案について提案があり、ユニークな発想で会場を沸かせた。
全児童21人は創立から152年の歴史を演劇で紹介したほか、感謝の思いを込めて校歌を斉唱した。子どもたちの成長を近くで見守ってきた地域住民には、目頭を押さえる人もいた。
5、6年生は校舎の再活用法として、年代を問わずに楽しめる複合施設「みんなのながさとpark」に改良する案を発表した。家庭科室や音楽室をレンタルスペースとして一般に貸し出したり、放課後学童は継続した上で図書館を一般にも開放したりするという。
校舎の一部を道の駅やレストランにして、水泳用のプールで養殖した魚を提供するという大胆なアイデアには、会場から「おおーっ」とどよめきと笑いが起きた。6年の児童(12)は「体育館裏の涼しい木立が、心が落ち着いて好きだった。大切な場所を残したいとみんなで話し合い、楽しかった」と話した。
長里小は1873年に民家を借りて始まり、1919年に多良岳と有明海を臨む現在地に移った。同じく小長井地区にある遠竹小とともに4月から小長井小に統合される。校区が広がるため、諫早市は通学手段としてスクールバスを巡回させる。
(今井知可子)