愛知県に住む在日トルコ人の数は、埼玉の1786人に次ぐ1644人で全国2位だ。県西部に位置する津島市や稲沢市、あま市などに暮らしている。
前回記事『埼玉県川口市のクルド人が愛知に「大移動」か…現地住民が明かす「知られざる理由」』より続く。
移民と解体業
いまのところ、トルコ人とクルド人の間で大きなトラブルは起きていない。それは業務においても、彼らの間で住み分けがされているからだ。県内に住む解体業の日本人経営者はこう語る。
「愛知では元請けの日本企業が、トルコ人経営の下請け業者に仕事を投げるケースがよくあるんです。ただ、いまのトルコ人のなかには解体業以外の仕事をしている若者も増え始めて、現場に人手が足りていない。円安の影響も大きいです。母国と日本の賃金に差がなくなってきているので、わざわざオルドゥ出身者が来日する理由が少なくなってきている。そこで、トルコ人の下請け業者がクルド人に現場仕事を振るようになりました。
クルドの人たちは、トルコ人の若者が嫌がるような仕事を積極的に引き受けてくれるので助かっていますよ。愛知の近くだと、これから岐阜県庁の旧庁舎の解体が始まるので彼らの手を借りることになると思います」
ただ、愛知にやってくるクルド人のなかには、自身の出自を隠している若者も数多くいる。
'24年から愛知県犬山市の解体業者に勤務しているクルド人男性(21歳)が、匿名を条件に明かしてくれた。