再調査で“いじめ重大事態” 初期調査では被害者に聞き取りなし
福岡|
02/19 19:52
福岡県の私立学校で4年前、周りから避けられるなどして不登校になった生徒を巡り、学校が設置した第三者委員会は、「いじめには該当しない」と結論づけましたが、再調査の結果、「重大事態」と認定されました。
学校は当初、被害生徒への聞き取りを行っていませんでした。
「他の学校でもやって頂きたい防止策も盛り込んでいます/指導・周知のほどお願いします」
きょう、福岡県の服部知事に手渡されたのは、「いじめ重大事態」の再調査報告書です。
「県内すべての学校に対して今回の報告書の内容について周知・共有を図りたいと思います」
再調査報告書によると、「いじめ重大事態」と認められた出来事があったのは、私立高校で4年前。
当時2年生の生徒は、同じ部活動の生徒たちから避けられるように「別の教室で食事しよう」と言われたり、事実とは異なる噂を流されたりするなどの行為を受けていました。
生徒はその後、不登校に。
半年後に転校しました。
学校は第三者委員会を設置して調査を進めましたが、「いじめには該当しない」と結論。
しかし、当の本人への聞き取りは行われておらず、生徒と保護者は、県設置の再調査委員会に意見書を提出しました。
おととし11月、福岡県の服部知事は、再調査の必要がある判断し、1年3カ月にも及ぶ関係者たちへの調査で、「いじめ重大事態」が認められました。
再調査報告書では、初期対応で部活動の顧問が校長に報告していなかったことなどを指摘し、再発防止策として「いじめが疑われる事案はすべて校長に報告し初期段階から組織として対応することが重要」などととしています。