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200万部も売れた矢沢永吉『成りあがり』は、現代のサラリーマンにも刺さる「最強のビジネス書」だと言えるワケ

数じゃないんだよ

自分の会社員経験でいえば、会社というのは、自分をゆっくり見つめるタイミングのないところである。特に最近はテキパキ・ツメツメ・効率効率と、とてもせわしないと聞く。そして突然、メンタルやフィジカルがイカれてしまう――。

だから少しでも時間があれば、自分を見つめに会社を抜け出す。銭湯やサウナがいい。リモートワークなら自宅のシャワーだ。そして若い若いと思っていた自分が、案外やつれてしまっている鏡の中の姿を、まぶたにしっかり焼き付けるのである。

メンタルとフィジカルの保全のためには、矢沢永吉同様、まずは「おまえも最近やつれてきたな」と自分に言ってあげることだ。

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ここで「次点」として、次のフレーズを滑り込ませたい。

――オレ、二十八年間も人間やってて、ミュージシャンもそうとう長いことやってて、金払ってレコード買ったの何枚あると思う? レコード屋行って、買ったの。四枚。

のちに私は、「レコード何千枚何万枚も持ってる」と主張する音楽家をたくさん知ることになるのだが、そういう音楽家を知るごとに「四枚」のリアリティが増してくる。ロックは知識じゃないのだ。

会社にはビジネス本マニアとでもいうべき人種がいる。口癖は「これ読んだ?」。数じゃないんだよ。そういう上司がいたら「矢沢は四枚」「オレはこの一冊」と言いながら『成りあがり』を突き出しなさい。いよいよ堂々の第1位!

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