中京学院大移転に揺れる東濃…多治見は経済効果47億円 中津川、瑞浪「痛手」「説明を」
2025年2月21日 20時22分 (2月22日 09時52分更新)
中京学院大が中津川、瑞浪両市のキャンパスを統合し、多治見市へと移転する基本合意書が締結された21日、それぞれの地元住民らは大きな衝撃をもって知らせを受け止めた。大学のある中津川、瑞浪の関係者は地元経済やまちの活気への影響を懸念。多治見市の住民からは「若者が来るのはうれしい」との声が上がった。
バス会社、スポーツ界、飲食店…戸惑い連鎖
「大きなダメージだ」。バス会社「北恵那交通」(中津川市)の成瀬重男・代表取締役(54)は表情を曇らせた。同社は中京学院大からの負担金を受け、学生の通学に無償で路線バスを利用できるようにしている。大学と中津川駅を往復する路線を日常の足として使う住民も多いが、「大学が移転すれば、便数を削減せざるを得なくなる」との見通しを語った。
「学術とスポーツの真剣味の殿堂たれ」を校訓とする同大では、地域連携の一環で学生や教員が子どもたちへのスポーツ指導に取り組んできた。市体育協会の丸山充信会長(78)は同大の撤退に「中津川のスポーツのレベルが下がってしまうのではないか」と心配する。「大学を支えるため、市全体としてもっと何かできることがあったのでは」と声を落とした。
学生行きつけの喫茶店「愛夏」(同市駒場)の店主伊藤恵巳子さん(72)は「お店に来るのは気遣いのできるいい学生ばかり。移転はとても残念」。大盛りのオムライスなどが運動部の学生に人気で、OBでプロ野球広島の菊池涼介選手(34)も足しげく通ったという。「アルバイトを学生に頼っているほかの飲食店は大変なはず」と同業者を気遣った。
同大によると、中津川キャンパスには329人が通い、部活動がさかんなため9割ほどが下宿している。小栗仁志市長は...
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