東京の教育関連企業から支援を受ける北陸学院=金沢市飛梅町の北陸学院中・高

  ●インターナショナル校併設 少子化で低迷、校名は継続

 創立140年の歴史を持つ石川最古の私学、学校法人北陸学院が、有名起業家・大前研一氏創業の教育関連企業「Aoba―BBT」(東京)から運営支援を受けることが22日、関係者への取材で分かった。深刻な少子化で入学実績が低迷する中、短期大学部の廃止や大学の大幅改組など、自力での再建を模索してきたが、さらなる対策が必要と判断した。国際教育を強化し、Aobaが運営するインターナショナルスクールの併設にも取り組む予定という。幼稚園から大学までの運営は維持し、キリスト教教育と「北陸学院」の名称は継続するとしている。

 関係者によると、北陸学院とAoba―BBTは1月7日付で「事業運営に関する契約書」と「理事の地位の継承等に関する基本契約書」を締結し、今月25日からAobaが北陸学院の運営を支援する。Aoba側から理事などを受け入れるかについて、北陸学院の担当者は「まだこれからの話ではっきりしたことは言えない」と述べた。

 北陸学院小に子どもを通わせている保護者によると、21日に保護者会が開かれ、学院側から運営支援について説明があった。堀岡満喜子理事長が、今春の大学入学者が少なく十分な収益が見込めないとした上で「吸収や合併ではなく、業務提携なので安心してほしい」と説明したという。

 教育関係者によると、少子化が進む中、「ミッション」と呼ばれ名門女子校として知られた北陸学院は2005年、中学と高校の共学化を図るなど生き残り策を展開。23年度に短期大学部の学生募集を停止し、大学も1学部から3学部に改組するなど再建を模索してきたが、長期的な視点で学院運営を検討した結果、外部からの支援を受ける道を選んだとみられる。

 Aoba―BBTは、ビジネス関連の膨大な著作を持つ経営コンサルタントの大前研一氏が1998年、株式会社ビジネス・ブレークスルーとして設立。インターネットを介して学ぶオンライン大学を経営するほか、インターナショナルスクールを運営している。

 北陸学院の関係者は「Aobaは建学の精神を理解してくれた」とし、国際理解教育と探究教育を強化するとしている。グローバル人材育成のプログラム「国際バカロレア」を小中高で導入するほか、「Aoba―Japanインターナショナルスクール」の併設に取り組む予定という。

 娘が北陸学院小に通う母親は「少人数教育など指導には満足している。経営難で学校そのものがなくならないか心配だ」と話し、自身もOGで娘が高校に通う別の母親は「おおらかで自由な校風は変わってほしくない」と語った。

 Aoba-BBTの男性スタッフは22日、北國新聞社の取材に「休日なので分かる人がいない」と話した。

 ★北陸学院 北陸唯一のミッションスクール(キリスト教主義学校)。米国人宣教師のメリー・K・ヘッセルが1884(明治17)年、金沢市広坂で開いた女子対象の私塾を開き、翌年、金沢女学校として設立された。現在、幼稚園と小中学校、高校、大学を運営する。

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