緒方元長官ら、二審も有罪判決 朝鮮総連本部詐欺事件
在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部の土地・建物と現金をだまし取ったとして詐欺罪に問われた元公安調査庁長官、緒方重威被告(77)ら2人の控訴審判決が29日、東京高裁であった。小川正持裁判長は、緒方元長官を懲役2年10月、執行猶予5年、元不動産会社社長、満井忠男被告(78)を懲役3年、執行猶予5年とした一審判決を支持し、検察側、被告側双方の控訴を棄却した。
判決理由で小川裁判長は「両被告が朝鮮総連側に虚偽の説明を繰り返していたことなどから、詐欺の共謀が推認される」と指摘。そのうえで「被告に詐取した現金を持ち逃げする意図はなく、執行猶予とした一審判決に誤りはない」と結論づけた。
判決によると、緒方元長官らは2007年4月、取引に必要な経費名目で、朝鮮総連側から約4億8千万円を詐取。資金調達のめどがないのに、同本部の土地・建物の所有権を緒方元長官の会社に移転登記させ、だまし取った。