拒否しない限りPTA加入? 9割が入会届なし 埼玉県教委が初調査

上田雅文

 子どもが入学したら、親(保護者)は自ら申し出ない限り、PTAに入会する――。埼玉県立の学校にある8割以上のPTAがこんな仕組みになっていることが分かった。さらに、本来、任意加入にもかかわらず、9団体が自動的に加入することになっていた。

 埼玉県立の高校で昨年度、PTA入会を希望しない親を強制的に入会させていた問題があり、県教育委員会が調査した。PTA入会の意思確認の状況を尋ねる調査は初めてという。

 PTA問題に詳しい文化学園大学の加藤薫教授(日本文化論)によると、PTA入会時に保護者の意思確認がとられているかの調査は全国的にも少なく、その意義は大きいとみる。

 埼玉県教委の調査は昨年6~7月、すべての県立学校176校(中学校1、高校137、特別支援学校38)のPTA(192団体)を対象に実施された。

 調査のうち、保護者への入会の意思確認方法を尋ねた質問では、「(入学に合わせて)自動的に会員となる」と答えたPTAは9団体あった。「(説明した後、保護者から)入会しない旨の申し出がない限り、入会とみなしている」と回答したPTAは157団体で、「入会届の提出を求めている」は1割に満たない19団体だった。

 本来、PTAは、保護者と教職員が児童生徒のために活動する団体で、保護者の入会は任意だ。加藤教授は「保護者への意思確認がないまま、勝手に入会させられて負担金を払っていると、寄付金を割り当てて強制的に徴収することを禁止する地方財政法に違反する可能性がある」と指摘する。

 県教委は、「入学で自動的に加入」としている9団体について「任意性があるとはいえない」と問題視している。昨年11月にあった校長会の理事会で、新年度の入学時にはPTAに入会する保護者の意思に十分配慮するよう求めたという。

 保護者側が積極的に「非入会」を申し出ないと入会とする157団体についても、どんな形で意思確認がされているのかの把握に努めていく。

 埼玉県立高校のPTAを巡っては、2023年度に入学した生徒の保護者が、PTAに入会する意思確認をとられた覚えがなく、入会届も提出していないのに、図書館充実費などに充てられるPTA負担金を保護者の銀行口座から引き落とされていた。学校側と話し合った結果、保護者は入会継続を断った。

 すると、学校長は保護者の子どもが図書館を使う際の利用料について「実費の負担というのを念頭に置かなければいけない」と返答した。

 この発言について23年末の埼玉県議会で答弁を求められた日吉亨教育長は「適切ではない。保護者が非加入の生徒に不利益な取り扱いや実費負担を求めてはならない」と述べていた。

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    ダースレイダー
    (ラッパー)
    2025年2月22日23時47分 投稿
    【視点】

     PTAも教育現場の組織であるからには教育の一環です。PTAの在り方そのものも子供達への教育効果があります。任意加入、ボランティアといった言葉の意味を教え、それがどう実行されているかも子供達に見せるべきだと思います。教師や保護者が言葉の意味を正しく理解していないようでは子供達に教育する資格があるでしょうか?  僕は娘たちの小学校のPTAに関しては任意加入でないこと、退会規則がないことなど(これはのちに改善されました)を指摘した上で参加はしないが、子供達のために協力できる場合はその都度やりますと伝えました。同じことを娘にも話し、不参加の理由を納得してもらっています。

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