金融情報の蒐集はスパイよりもAIの時代へ
0.25%という刻み幅で上下するFRBの金利、その数値そのものは、ニュース記事のためには必要だろう。だが、今やビジネスの世界では、発表される前から推定されてしまっている。株式などは、それを折り込み済みで取引される。
金融情報をスパイするとすれば、利率の変動幅などではなく、FOMCの議事録の読み方、あるいは深読みの結果、さらにはそれに基づく見通し、といったことにならざるを得ないだろう。ということは、ロジャーズの罪状からしても明らかではないか。
そこで気になるのは、AIがFOMC議事録をどこまで金融のエキスパートのように読み砕くことが可能か、どうかだ。
この点については、すでにニューヨーク連銀の調査グループが調べ上げ、2024年12月6日付けで報告済みだ。
F-1スコアと呼ばれるが、AIの能力は、学習した事柄を想起できた率(リコール)、答の正確さ(プレシジョン)の調和平均値で計られる。学校での試験成績での100点ないし90点は、F-1スコアでは1ないし0.9に相当すると受け取って差し支えない。
上記の報告では、最新のAIのGPT-4oの場合、FOMC議事録の労働市場、インフレ、バランスシートに関する内容についてのスコアは0.94、0.93、0.96だ。
だが、金融の先行き(ファイナンシャル・デベロップメント)となると、やや落ちて0.8だった。
とは言え、失礼だが、中途半端な証券アナリストや経済学者よりも、今やAIのほうが、はるかに成績が良い時代が到来したと思わねばならない。