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米金融「機密情報」を中国に漏洩…!FBIに検挙された63歳大学教授の「スパイ行為」と「オンライン講座」の中身

スパイ被疑者が中国で開いたオンライン講座

復旦大学に招かれてロジャーズは、2022年から24年にかけて、合計4回にわたってオンラインで講義した。オンラインでやるだけの広範な需要があったからだろう。

どの回もFRBの役割の説明で始まる。2番目に、ヨーロッパ中央銀行、イングランド銀行、そして日銀の役割が、FRBのそれとは異なる点が説明され、強調される。

それ以上の細かい差異は具体的には説明されない。FRBの「マルチ・カントリー・モデル」では、国ごとに、さらに部門ごとに、利率の変化の波及過程が、それぞれ異なる数式として措定されるが、トリビアリズム(些末主義)の弊害を避けるため、復旦大学での講義では意識的に省略されたのではないだろうか。

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3番目に、FRBの利率の変更に伴う通貨交換率や株価の変動ぶりが、ヨーロッパ、日本、カナダ、そして中国に即して、グラフ付きで解説される。

講座の教育的効果は小さくはないだろう。中央銀行での決定の際の利率、その構成要素とそれらの要素のからみ具合は、実は至って簡単だが、実社会での波及効果の範囲の広さと複雑さとのコントラストについて、明敏な受講者は大いに啓蒙されるのではないだろうか。

なお4回目の講義では、興味深い事例として、米株式取引が連銀の利率変更に従わなかった場合が、特集扱いで紹介されている。

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