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「私が隠し録音やりました!」非公開の証人尋問音声を流出させた増山兵庫県議…狙いは告発者貶め反転攻勢か?〈維新県議3人が立花氏に協力〉

集英社オンライン / 2025年2月21日 18時48分

「パワハラは事実、告発者処分は違法」百条委の判断に斎藤知事と維新は徹底抗戦へ…奥谷委員長は文書と録音データ提供について「偽計業務妨害で被害届を出す」〈兵庫県政大混乱〉〉から続く

斎藤元彦兵庫県知事のパワハラや公金不正支出疑惑を調べる県議会調査特別委員会(百条委)の委員だった維新の増山誠県議が、昨年10月に行なわれた非公開の証人尋問の音声を隠し録りして立花孝志NHK党党首に提供していたと“自白”した。昨年11月の知事選に斎藤氏を応援すると言って出馬した立花氏は、増山氏を含む3人の維新県議から情報を受け取っていたと表明。選挙の裏で、維新が組織ぐるみともいえる立花氏への協力をしていた実態が少しずつ明らかになっている。 

〈画像〉改めて見ると感慨深い…奥谷委員長と副委員長の2ショット

尋問内容は選挙後まで非公開のはずだった

問題の音声は昨年10月25日に秘密会で行なわれた百条委での片山安孝元副知事の証人尋問を録音したものだ。知事選のさなかの昨年11月5日に立花氏が自身のSNSで約3分13秒間のやり取りを公開していた。

「録音の中で片山氏は、増山氏の質問をきっかけに、斎藤氏の一連の疑惑を外部に告発した元西播磨県民局長・Aさん(60)を調べる過程で押収した県の公用パソコンの中に、斎藤県政を倒すクーデター計画をうかがわせる文書があった、と話しています。

さらに片山氏は、パソコンには不倫が関係する可能性がある文書もあったと話し始めました。この直後に百条委の奥谷謙一委員長が『それはプライバシーにかかわる情報だから話さなくていい』と制止しましたが、片山氏がなおも強引に話そうとしたため、奥谷氏が尋問をやめ休憩すると宣言する声が入っています。片山氏への尋問は2時間予定されていましたが、結局この問題により50分程度で打ち切られました」(県議会関係者)

実はこの尋問内容自体はずっと秘密にされていたのではなく、後に百条委が大部分を公開している。その経緯を地元記者が振り返る。

「10月24、25と2日間連続で関係者の尋問が行なわれたのですが、同月31日に告示が迫っていた出直し知事選に影響を与えないようにとの理由で、選挙後までは内容を公開しないことが決まっていたのです」(地元記者)

こうして尋問は非公開となったが、メンバーとして出席した増山氏が、隠れて録音した音声を立花氏に提供していた。立花氏によると10月31日にカラオケボックスで受け取ったという。

さらに立花氏は音声を暴露した11月5日、百条委の副委員長を務めていた岸口実県議から受け取ったとする怪文書も公開している。

文書は告発者のAさんが昨年7月に自死したことに絡み、当時百条委メンバーだった竹内英明元県議らを“黒幕”と名指しし、竹内氏がAさんの自死を斎藤氏の責任に見えるように印象操作しているなどと非難する内容だ。Aさんのことも「過去10年以上にわたって複数の職員と不倫」などと貶めていた。♯29

多数決で非公開に賛成していた増山氏や岸口氏

立花氏は増山氏からAさんが不倫をしていたなどと書かれた別の文書も受け取っていたと公表。さらに維新の白井孝明県議の名も挙げ、これら維新の3人の県議が「僕に情報をくれていました」と主張している。

「実際に立花氏は音声と怪文書に沿った話や、さらにそこから膨らませた話を選挙中に街頭演説で話し、それをYouTube動画で拡散させました。『斎藤氏はハメられた』と訴える2馬力選挙を展開したのです。

その効果は大きく、斎藤氏が逆転勝ちした選挙結果にも大きく影響したとみられています。

それだけではありません。怪文書で名前が挙げられた竹内氏ら、斎藤氏の疑惑解明に積極的だった議員らが、SNSなどでデマ交じりの誹謗中傷にさらされてしまいました。『家族を守りたい』として県議を辞職した竹内氏はその後も攻撃され続け、1月に急逝しました。攻撃で心身ともに疲れ果てた末の自死とみられています」(フリーランス記者)

この悲劇につながる問題の“きっかけ”のひとつともいえる隠し録音をしたことを増山氏は2月19日に公開されたYouTubeチャンネル「ReHacQ」の動画で、笑みを浮かべながら、

「端的に申し上げますと、10月25日の片山元副知事の発言を録音して立花氏に渡したのは私です。ハイ。県民のみなさんがこの情報を知らずに行動していいのか、という思いがあったんですよ」

と説明した。

だが、この説明は不誠実だと県職員の一人は憤る。

「斎藤氏の本人の尋問が予定されていなかった10月25日の百条委の内容を選挙後まで非公開にすることには反対もありました。しかし斎藤氏を擁護してきた増山氏や岸口氏らは多数決で非公開に賛成しているんです。

『県民がこの情報を知らなくていいのか』と言いながら、告発内容と関係のないAさんのプライベート情報を片山氏が一方的に言い立てた部分の音声を立花氏に提供したことの説明になっていません」

Aさんの不倫を連想させる文書は、何度も“切り札”として利用されてきた  

増山氏はReHacQで自白した動機を、音声提供者が岸口氏ではないかとの誤解を解くためだ、との趣旨の説明をしている。しかし立花氏は音声提供者は岸口氏とは別の県議だと説明してきており、そもそも岸口氏に疑いの目は向いていなかった。

このため増山氏の狙いは、AさんやAさんによる告発は信用できないともう一度強調するためではないかと地元メディア関係者は指摘する。

「百条委で制止を聞かずに話そうとした片山氏と増山氏が最も前のめりになったのは、Aさんのパソコンに不倫を連想させる文書があったと知らしめることだったと思います。

ただこの文書は告発内容に関係がなく、書かれていることが本人のことなのか創作なのか区別がつかず真偽不明とされているものです。このため、選挙後に公開された10月25日の片山氏の尋問時の映像でも、これに触れた部分の音声は消されています」

実はこの文書は、斎藤氏側近の県幹部や維新が反撃の“切り札”として何度も利用してきた経緯がある。

「Aさんの告発直後の昨年3月25日、片山副知事が取り上げたパソコンから見つけたこの文書を印刷したものを、斎藤氏の最側近だった井ノ本知明総務部長(当時)が複数の県議や県職員に見せ、『こんなのを書く人間が言うこと(告発)なんか信じられへんでしょ~』と言って回っていました。Aさんは信用できないと印象づけ、百条委の設置を阻止しようとしたんだと思います」(県OB)

片山副知事は「自分が辞職するので百条委設置はやめてくれ」と県議会に懇願したが、結局失敗。すると片山氏は突然副知事を辞職する。

「ところが今度は百条委で、増山氏と岸口氏がこの文書も開示して調べよと執拗に要求したんです。これをAさんは気に病んでいました。結局昨年7月、百条委は告発内容に関係がないとして調べないことを決めました。しかしその前日にAさんは『一死をもって抗議をする』との言葉を遺し自死しました」(県職員)

文書を見せて回った井ノ本氏の上司だった片山氏。片山氏が設置阻止に失敗した百条委で公開を求めた増山氏と岸口氏。これら同じ登場人物が選挙に向けて放ったのが、またもAさんの文書だったというわけだ。

「知事選で斎藤陣営のSNS広報を行なったPR会社の関係先が公職選挙法違反容疑で家宅捜索を受けるなど、斎藤氏は最近また追い込まれています。増山氏が自白に打って出たのは、もう一度Aさんの文書に注目を集め、斎藤批判の声を封じようとする意図があるのではないでしょうか」(地元メディア関係者)

斎藤氏をめぐる問題は、昨年3月の勃発から、解決に向け一歩も進んでいない。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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