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小6娘への文章指導でわかったこと。彼女が本当に書きたかったことはマシュマロへの愛だった

伝わってこない…

小学校6年生の娘が、自主学習で書いた作文を読んだのだけれど、うーむと唸ってしまった。

富士山が見えるキャンプ場に行ったことを書いていて、一見まとまっている。だけど、「すごかった」「楽しかった」「よかった」が連発されていて淡白だった。

彼女が感動したポイントをもっと伝えてほしい、と感じてしまった。

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ここで娘にちょっとヒアリングをしてみた。

「キャンプはなにが楽しかったの?箇条書きにしてみて」

娘が一気に書き出した。おぉ、いっぱいある!

「ここから、3つに絞るとしたらどれ?」

カヌー、マシュマロ、富士山が挙がった。それぞれの感想を簡単に書いてもらった。

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「この3つに絞って、文章を組み立ててみたらどう?」

娘が書き出す。

とろーりとろけるマシュマロ。まろやかそう。リッツにはさんで食べました。

昨日は朝、友達と富士山を見ました。とってもきれいでした。

今日はカヌーをみんなでのり、とても楽しかったです。みんなで楽しい思い出ができました。

 次はほかの友達ともいきたいです。

むむむ…それぞれのエピソードがさらに淡白になってしまった。困った、どうしよう。

そこで思い切ってみた。

「本当に楽しかったこと、1つに絞ったらなに??」

娘「マシュマロ!」

「カヌーや富士山よりも!?」

娘「マシュマロがとろ〜っとしていて最高だったの。リッツではさんで食べたのも初めてだった」

そうか、マシュマロか。

マシュマロはキャンプに行くたびに食べているから、特別感がないと思っていたのだけど、娘からしたら違ったようだ。

「わかった、じゃあマシュマロの最高なところだけを教えて」

そうしたらこんな作文ができあがった。

雨上がりのうす暗い静まりかえった夜。たき火が燃え上がっていた。みんなでマシュマロを突きさしたわりばしを持っている。

 「よし、焼けた!」

富士山のすぐ近くにある朝ぎりジャンボリーオートキャンプ場で連休中に、小学校の同じクラスの友達と、キャンプに来ていた。

友達のお母さんが持ってきてくれたリッツ2枚で、マシュマロをはさみ出来上がり!

 ん~~!

マシュマロの甘みとリッツの塩けが口の中で一緒になって、ちょうどいい。

やっぱりマシュマロを焼くと、表面がサクッ!中はとろ~り。サイコー!

甘い香りがただよってきて、心が落ち着く。

キャンプは、マシュマロが一番!キャンプといったらマシュマロ!

これはゆるぎない事実だ。

友達と富士山を見たり、カヌーをしたりして、とっても楽しかったけど、一番印象にのこったのは、マシュマロだった。

マシュマロ食べたら、心が落ち着くのか。
本当に好きなんだな、マシュマロ。

彼女が暗がりでマシュマロを食べた姿を思い出して、うれしくなった。

学校の宿題としてはどんな評価になるのかわからないし(ビックリマークとか入ってるし)、文章がうまい子はほかにもたくさんいるだろう。

だけど文章というものが、自分の気持ちを伝えるための伝達手段だとしたら、これでいいんじゃないか、そう思った。

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ちなみに補足すると、彼女がマシュマロの文章を書くにあたって、ほかにも伝えたことがあって以下の3つ。

1.マシュマロのことだけ書いてみてほしい
2.「楽しかった」「うれしかった」を使わずに気持ちを書いてみてほしい
3.周りの景色はどうだったのかを書いてみてほしい

文章って「表現する」「伝える」、この2つが大事。とくに表現は、押し付けられたものではダメだから、子どもへの文章指導っていつも悩ましい。細かく修正したくなるけど、それだと意味がない。だから、大まかな方向性を伝えるような指示がいいのかなと。

彼女が少しでも「表現できた」って思えていたらいいのだけれど…

ひとまず次のキャンプでは、マシュマロとリッツを持っていくことを娘と約束した。リッツに挟んだマシュマロを、僕も食べてみたいから。

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コメント

5

素晴らしい!臨場感たっぷりに感動が伝わってきますね。これぞ編集力!

丹羽亮仁 [Akihito Niwa]
丹羽亮仁 [Akihito Niwa]

はじめまして。すごい名文に仕上がってますね…。
次に書くものがまた読みたくなります。
好き!を書くのが一番ですが伝え方にも秘密はありますね。
地の文書く時、嬉しいを多用する癖があるので気をつけたいと思いました。

川満直哉(rimroux)
川満直哉(rimroux)

本当に書きたいことにきちんとフォーカスして書くと文章が途端に活き活きしてくることがよく分かります。お仕着せの「作文」のフォーマットに固執せず、お子さんの才能を上手に引き出した素晴らしいディレクションだと感じました。

しみP
しみP

可愛い♪
(=^ェ^=)

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小6娘への文章指導でわかったこと。彼女が本当に書きたかったことはマシュマロへの愛だった|高林ゆうひで/コルク
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