【カイロ=佐藤貴生】イスラム原理主義組織ハマスは20日、パレスチナ自治区ガザを巡るイスラエルとの停戦合意に基づき、仲介する赤十字国際委員会(ICRC)に死亡した人質4人の遺体を引き渡した。1月19日の停戦発効以来、遺体の引き渡しは初めて。
イスラエルのメディアによると、4人には2023年10月にハマスが連行した当時、生後9カ月と4歳だった男の子とその母親が含まれている。一緒に拉致された父親は今月、ハマスに解放された。
生後9カ月はハマスが連れ去った人質約250人の中で最年少で、家族の安否はイスラエル国内で大きな関心を呼んだ。もう1人は当時83歳だった男性。イスラエルはDNA型を照合して身元を確認する。ハマスは22日に生存する人質6人を解放するとしている。
停戦合意の第1段階の期限は約10日後に迫り、イスラエルのサール外相は18日、停戦を恒久化する第2段階の詳細に関する交渉を始めると述べた。交渉は今月上旬に始まる予定だった。第2段階ではハマスによる人質全員の解放や、イスラエル軍のガザ完全撤収などが含まれ、交渉が進展するかどうかは見通せない。
一方、イスラエル軍は親イラン民兵組織ヒズボラを巡るレバノンとの停戦合意に基づき、撤収期限だった18日に大半の軍部隊をレバノン南部から撤収させた。ただ、南部の5カ所で駐留を継続するとしており、レバノン大統領府は「占領」に当たるとして非難している。