トランプ米大統領が、トランスジェンダー女性の女子競技への参加を禁止する大統領令に署名した。出生時は男性ながら、女性を自認する人たちだ。
トランプ氏は「連邦政府が認める性別は男性と女性だけだ」と述べており、トランスジェンダー女性を男性とみなしている。
国際オリンピック委員会(IOC)に対しても、2028年ロサンゼルス五輪で同様の措置を取るよう求めた。トランスジェンダーの選手にはビザ(査証)の発給を認めない方針も示し、IOCに圧力をかけている。
全米大学体育協会は大統領令に沿った新規定を発表した。世界陸連のセバスチャン・コー会長もトランプ氏の考えを支持する意向を表明している。
スポーツ界では、多様な性を認めつつ、競技の公平性をいかに保つかが課題となっている。近年、米国の学生スポーツでもトランスジェンダーの参加を巡る論争が起きていた。
4年前の東京五輪では、女性を自認するニュージーランドの重量挙げ選手が、トランスジェンダーとして史上初めて五輪に出場し、話題を呼んだ。
昨夏のパリ五輪におけるボクシング女子では、前年の世界選手権の性別適格検査で不合格となり、女子としての出場資格を認められなかったアルジェリアと台湾の選手が、参加を許可された。
それぞれの階級で金メダルを獲得したものの、対戦相手が試合途中に危険を訴えて棄権する例もあった。両選手にはネット上で中傷投稿が相次いだ。
IOCは、ジェンダー平等に関する指針で「性の多様性、身体的外見、トランスジェンダーであることを理由に不公平に競技から排除されるべきではない」として、競技団体に配慮を促している。
スポーツをする権利はあらゆる人に認められている。性自認だけで競技への参加機会が制限されることは避けなければならない。
タイムなどを争う競技や格闘技、団体球技などスポーツの特性やレベルによって、対応も異なるだろう。競技の公平性を担保するルール作りが求められている。それぞれの団体が丁寧に議論を重ね、合意を形成する必要がある。