石破首相 拉致被害者家族らと面会「あらゆる可能性を模索」

石破総理大臣は北朝鮮による拉致被害者の家族らと面会し、先の日米首脳会談でトランプ大統領から解決に向けた全面的な支持を得たとした上であらゆる可能性を模索し、すべての被害者の帰国実現に全力を挙げる決意を強調しました。

石破総理大臣は20日総理大臣官邸で拉致被害者の家族会代表で横田めぐみさんの弟の拓也さんや母親の早紀江さんらと面会し、先に家族会がまとめた今後の活動方針を受け取りました。

石破総理大臣は今月15日に有本恵子さんの父親の明弘さんが亡くなったことに触れ「誠に残念至極だ。心から哀悼の意を表し、お悔やみを申し上げたい」と述べました。

そして、先の日米首脳会談でアメリカのトランプ大統領からかつて面会した被害者の家族の近況を問われ、解決に向けた全面的な支持を得たと説明しました。

その上で「拉致問題は単なる誘拐事件ではなく国家主権の侵害だと強く思っており、政府としてあらゆる可能性を模索していかなければならない。何としても解決するため力を尽くしていく」と述べ、すべての被害者の帰国実現に全力を挙げる決意を強調しました。

これに対し横田拓也さんは「なぜ国家は被害者を取り戻すために何もしようとしないのか。もうこれ以上苦しめないでほしい。速やかに日朝首脳会談を行い、日本で家族との再会が実現できるようにしてもらいたい」と求めました。

また早紀江さんは「もう50年近く全国行脚などの活動をしてきたが、北朝鮮はなかなか難しい国で思うようにはいかない。1日も早く子どもたちに日本の土が踏める喜びを与えてもらいたい」と訴えました。

拉致被害者の家族「日朝首脳会談のすみやかな実現求める」

北朝鮮に拉致された被害者の家族は、石破総理大臣と面会したあと報道陣の取材に応じました。

面会には中学1年生の時に拉致された横田めぐみさんの母親の早紀江さん(89)とめぐみさんの弟で家族会代表の横田拓也さん、それに1歳の時に母親の田口八重子さんを拉致された飯塚耕一郎さんなど被害者家族ら11人が出席しました。

面会のあと、横田拓也さんは拉致被害者の有本恵子さんの父親、明弘さんが今月15日に96歳で亡くなったことに触れ、「ご遺族の苦しみ悲しみを考え、その怒りや悔しさというものを伝えました。私たちとしては時間がないというタイムリミットがあり、何とか日本政府が一刻も早く解決させ、引き続き強い外交交渉をしてもらいたい」と述べました。

そして、石破総理大臣が自民党総裁選挙で主張していた東京と北朝鮮にそれぞれ連絡事務所を設置し交渉の足がかりを作るという考えについては自分たち家族は賛成してないと改めて伝えたと話したうえで、「連絡事務所を作っていちから調べましょう、考えましょうでは時間だけが過ぎ、待たされている高齢の親世代の家族が1人また1人と亡くなってしまいます。連絡事務所を論じている段階ではなく決裁権を持っている人間どうしが面会して意思決定してほしい」などと述べ、日朝首脳会談のすみやかな実現を求めました。

また、横田早紀江さんは、「明弘さんが亡くなったのはとても残念なことです。有本さんははじめから運動を続けていたので本当に残念ですが、残された家族は同じように苦しんでいます。それほどひどいことが日本で起きてまだ解決していないのです。解決のためにはやはり日朝交渉、日朝会談しかありません」と話しました。

そして、飯塚耕一郎さんは、「官邸に来るたび、一緒に活動してきた方々が一人ひとりいなくなっていることに喪失感や焦燥感があります。怒りのマグマが回っているような心境です」などと胸の内を語りました。

横田早紀江さん「被害者の一刻も早い救出を」集会で訴える

中学1年生の時に北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの母親の早紀江さんが都内で開かれた支援者らの集会に参加し、2月15日に拉致被害者の有本恵子さんの父親、明弘さんが亡くなったことに触れたうえで改めてすべての被害者の一刻も早い救出を求めました。

中学1年生の時に新潟市で学校から帰る途中に北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの母親の早紀江さん(89)は20日、東京・中野区で開かれた拉致被害者の救出を祈る集会に参加しました。

集会では拉致被害者の有本恵子さんの父親、明弘さんが今月15日に96歳で亡くなったことが伝えられ、参加者全員で祈りをささげました。

政府が認定している拉致被害者のうち安否が分かっていない12人の親で健在なのは早紀江さん1人だけになり、被害者家族の焦りは一段と強まっています。

早紀江さんは「明弘さんが亡くなったことを国の拉致問題の担当の方と話した際、『こんなに長いこと本当に何をしているんですか』と言ってしまいました。本当に叫ばずにはいられないような状況がきています」と話しました。

そのうえで、「被害者が何とか元気に生きているということがはっきりわかる状況が見えてほしいです。みんなが喜びにあふれる日が必ず来ると私は思っていますので、これからも頑張っていきたい」と述べ、改めてすべての被害者の一刻も早い救出を求めました。

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