“怪しいコメ”銘柄産地不明 飛び込み営業急増 群馬拠点インド人社長直撃【詳細版】
政府が備蓄米21万トンの放出を決めてから、抱え込んでいたコメを手放そうと、小売店には飛び込み営業が急増しています。そのなかには、怪しいコメを売り込む業者がいることが分かりました。番組は怪しいコメがどこから仕入れられているのか追跡しました。 【画像】産地も銘柄も記載なし 新大久保で売られていた謎のコメ
■業者「今年の新米2割引き」
アジア食材店A 「毎日いろんな業者が来る。このコメがありますか、買いますかって」 アジア食材店B 「新規の業者から電話がかかってくる。怪しいから買わない」 備蓄米の放出前に売り急いでいるのでしょうか。おなじみのスーパーアキダイ・秋葉弘道社長の元にも。 秋葉社長 「三十何年やってやってきていますけど、個人からコメの売り込み来たのは(今までで)多分2回か3回ですよ。それがわずか1カ月ちょっとで3件も来るというのは異常なこと」 東京・新大久保では、銘柄も産地も表示されていない怪しいコメが売られていました。このコメはどこから来たのでしょうか。 都内のスーパーに置いてあるコメは、新潟県産のコシヒカリで5378円。それ以外のものも4000円を超えているものが多くあります。 東京都のコシヒカリの平均卸売価格は、おととし12月は5キロ2386円でしたが、1年で4018円に。7割近く高くなっています。 70代女性 「非常に高いですよね。家族が多いからコメの消費が。お弁当もあるので」 秋葉社長の元には、備蓄米放出前に生産者を名乗る人物からこんな売り込みの電話がありました。 秋葉社長 「25年度産の新米を契約してくれないかということ。今よりも大体2割から、場合によっては3割近い割引で契約をしてほしいとか。生産者も次のコメが安くなったら困るから、ある程度今のうちに売り先を決めておこうという思いで話が来ている」
■“怪しいコメ”銘柄&産地不明
番組が向かったのは新大久保です。多国籍の街・新大久保では産地や銘柄の分からない謎のコメが売られています。 香辛料や調味料などアジア食材を専門に扱う店に売られていたコメは、よく見かけるコメ袋に入っていますが、産地も銘柄も記載がありません。10キロで6200円、5キロあたり3100円と割安です。 消費者庁によると、コメには産地や品種、作った年、精米時期といった細かい表示が義務付けられています。産地を伝えなかった場合、50万以下の罰金が科せられる可能性もあります。 袋の透明な部分からコメが見えますが、白く濁ったものや、割れているものもあります。店員に話を聞くと次のように答えました。 アジア食材店 店員 「店長さんだけ分かる。きょうは休みです」 そこで20日に改めて、店長を訪ねてみると…。 アジア食材店 店長 バングラデシュ国籍 「(Q.(このコメ)産地・銘柄とか分かる?)これが分からない。いろんな業者がお店まで持ってきて。このコメがありますか、買いますかって。必要だったら買ってる。必要なかったら買わない」 飛び込み営業が相次いでいました。あればあるだけ売れるので、今はどんなコメでも仕入れているといいます。 義務付けられている食品表示がないことを指摘すると次のように話しました。 アジア食材店 店長 「もう売っちゃいけないならやめる。私たちはそこまで分からない」 袋に書かれていた業者の電話番号にかけてみると、「おかけになった電話番号は現在使われておりません」とアナウンスが流れました。