2025-02-21

さな飲食店の始め方

プロを目指す人向けの料理教室10年ほどやっているんだけど、

本当にたくさんの人がお店を持ちたくて、うちに習いにくる。

うちは、ただの料理教室コンサルではないので、損得勘定抜きにして開業相談に乗ったりする。

若い人だと20代から上は50、60代まで、みんな自分の店を持ちたがる。

一生懸命貯めたお金をドカンと使って、夢を叶えたいのだ。

でも実際、飲食店は1年で5割、3年で7割、5年で8割が廃業する。

お金で苦しくなるケースもあれば、体力的に苦しくなるケースもあったり、

モチベーションが保てないケースもある。本当にさまざま。

なので、うちの生徒さんから開業相談もらった時は、いくつかのことを試すことをお勧めしている。

これから飲食やってみたいという人は同士だと思ってるので、増田に潰さな飲食店の始め方を放流してみる。

1.まずはイベントをやれ

まず、料理仕事にしたいのであれば、人に料理を出すことを試す必要がある。

恐ろしいことに誰にも料理を出したことないけど店やってみたい人というのは、結構いる)

最初家族、次に知り合い集めてのホームパーティ

そして、どこかのイベントスペースを借りての料理イベントや、シェアキッチンでの練習出店。

なんでもいいので、料理提供して食べてもらう場を作ることが大事

この話をすると、

仕事で忙しくて疲れてるので、土日にそんなのできないよ。」

という方が結構いるのだけど、飲食は超体力/気力の勝負

仕事休日イベント立ち上げられるくらいのモチベーションや体力なければ、

まじで諦めた方がいい。絶対体力的に無理なので。

2.自分の好きと嫌いを知ろう

みんな「お店を持ちたい」「美味しいってお客さんに言ってもらいたい」

みたいなフワッとした夢を語るんだけど、実際に飲食の何が楽しくて何が辛いかほとんど理解していない。

・お客さんに説明して提供するのは楽しいけど、長時間の仕込みは辛い。

メニュー試作は楽しいけど、休みが少ないのは辛い。

調理作業は好きだけど、集客SNSとか嫌い。などなど

店を始める前に、自分の「好き」と「嫌い」をちゃん理解しておく必要がある。

「好き」は武器であり、その店の魅力やコンテンツ力に直結する。

接客が好きなオーナーは、常連が集まるような店が作れるだろうし、

開発が好きなオーナーなら、話題性のあるメニューが考案できるだろう。

好きの力が弱い店は競合に勝つのは難しい。

寝食忘れてという言葉があるが、そういう変態的な熱量こそが大事で、

それが無いと他店との差別化も難しいし、長いこと続けていくのも辛くなってくる。

一方「嫌い」は防御。サラリーマンと違って、店のオーナーは嫌いなことを我慢してやっても誰も褒めてくれない。

そして嫌いな作業は確実にモチベーションゴリゴリ削ってくる。

お金や人脈、時間といったリソースはわかりやすいが、実はモチベーション重要リソース

これが枯渇して辞める人は、実はめちゃくちゃ多い。

なので、先に嫌いなことを把握して最大限やらなくてすむ方法を考える必要がある。

ここで勘違いして欲しくないのは「やったことがないからできない」とかは全く関係なくて、

「やってみたら嫌いだった」ということを知るのが大事

「やったことなくて」「修行してなくて」「できないんで」みたいなこと言う人すごく多いのだけど、

「すぐやれ、今やれ、やった後で、やりたくないかどうか判断しろ。」でしかない。

3.利益計算をしよう

店を始めたいのに利益計算しない人が結構いる。

一杯1000円のカレーを売るとした場合、月に50万(損益分岐)の売上を立てるには

500食売る必要がある。500食を営業日週1休み26日営業で換算すると

大体20食をコンスタントに売る。6席の店でやったら4回転をさせる。

というのが目標になる。

これ実現可能数字か?というのをよく考える。

損益分岐を下回れば、絶対に潰れる。

本当はもっと色々と細かい原価や家賃人件費なんかを考えて作るんだけど、

その前に、1日何杯売れたら食っていけるのかな?のイメージをざっくりでも掴むべき。

そのイメージをもって、シェアキッチンでお試し営業をやってみる。

そうすると、最初は思った以上に売れないことに驚くだろう。

ただ、諦めずに半年から1年続けていると、1ヶ月ごとに日販が平均0.5〜1人ずつくらい徐々にゆっくり客が増えていくのも感じると思う。

これが飲食の客の増え方。それを踏まえて、どのくらいの年月で目標販売数になりそうか考える。

そこまでのランニングコストをあらかじめ用意して始めるのが理想だ。

から、1〜3をやってみて「いける!」と感じられるまでは、今の仕事を辞めてはいけない。

といった感じで、飲食始めたいっていう生徒さんに話して、結構な人数が独立した。

今のところ7割くらいは、3年の壁を超えてくれたので、

普通にいきなり始めるよりは生存率はだいぶ高いんじゃ無いかと思ってる。

もしお店始めたい人がいたら参考にしてもらえれば嬉しいかな。

追記

たくさんのブコメありがとう

ちょっといくつか言及した方が良さそうなコメントがあったので追記する。

飲食店バイト修行

これは「しなくても良い」が俺の意見

年齢にもよるけど、50過ぎたオジさんが飲食店なんかに入ったら100%使えない奴扱いされる。

厨房に入れても洗い場かドリンク、動き悪ければホール

ほとんど飲食店を作るために有益経験を積ませてもらえないことが多い。

しろプライドをズタボロにされて飲食が大嫌いになる可能性がある。

(というか、実際やめておけって言ったのに飛び込んでボロ雑巾みたいに扱われた人を何人も知ってる)


もちろん20代とか若くて体力あって愛嬌あってなら、飛び込んでもいいよ。

でも脱サラ組のオッさん、主婦上がりのおばさんはマジでおすすめしない。

それよりも、さっさと自分のやりたい店のテスト営業を繰り返した方がずっと有益だよ。


家賃の有無

家賃がない事は(売上ノルマ的に)大きなアドバンテージなのは、その通り。

でも、そういうアドバンテージがあっても全然潰す。

いくら家賃からなくても、人が来ない飲食店オーナーって病むよ。

あとは、やっぱり毎日営業の体力持たないとかも全然ある。

そうすると、人を雇って自分は楽して・・・。みたいな考え方が頭よぎって

結局、奥さん手伝わせて熟年離婚したり、適当バイト入れて店のお金持ち逃げされたりと

そういうケースも全然あるのよ。

自分の家を改装してやれば家賃からずに悠々自適飲食店できる。

って相談持ってくる人いるんだけど、やっぱり最初テストマーケティングやってから始めた方がいいって勧めてるよ。

>体力について

飲食基本的に立ちっぱなしだし、力仕事も多い。

労働時間も長いし、休みも少ない。と体力勝負なところは超「ある」。

なので、40越えた人にはジム良いよって言ってる。お金に余裕あるならパーソナル。

自分講師業やりながらカレー屋の経営もやってたりするので、

時々、仕込みや営業入る時もあるんだけど、40越えてからガタガタっと体力落ちて、

やたらと疲れるようになったので、パーソナルで「厨房作業で使う筋肉」のメニュー組んでもらったんよね。

そっから劇的に疲れ方が変わって、筋肉マジで嘘つかないなあってのを実感してるよ。

まあ、これは飲食開業の話とあんまり関係いかもしれないけど。

>立地について

立地も大事なんだけど、そもそも良い物件は、中々でてこない。一年以上探してる生徒はよくいる。

そして良い立地は基本的家賃が高いので、マーケティング営業がしっかりできてないと余裕で潰れる。

まり立地は重要だけど、それ以外の部分を詰めきれないなら宝の持ち腐れになるんよね。

今はSNSあるので、広報力とコンテンツ(味)作り、接客良ければ立地の不利は業態にもよるけど、ある程度ひっくり返せるようになってるよ。

  • 家賃がなければつぶれない

  • 一番健全で確かな方法 財務省潰せば消費税もゼロにできるし、国民の消費しやすくなって経済も回復する 飲食店も潰れにくくなる。

  • >接客業のバイトや修行 これは「しなくても良い」が俺の意見。 年齢にもよるけど、50過ぎたオジさんが接客業なんかに入ったら100%使えない奴扱いされる。 売り場に入れても...

    • 大人しくボロ雑巾にされてる高齢新人バイトもいるんだねぇ。 私の職場には他人に仕事押し付けて偉そうなツラしてるろくに仕事しない高齢新人バイトがいるけども。

      • いやそんなこと自慢されても… だいいちソレってオマエのことじゃあないんだろ? 東京都民がニヤつきながらつれーわー、つれーわー、って都内暮らしでの生活難や劣悪環境を自慢する...

  • 立地で9割決まるのに料理教室で相談してる時点でお察し

  • 飲食店は1年で5割、3年で7割、5年で8割が廃業する これよく聞くけど、どこのデータなのか知ってる人いる? 体感そこまで高くないしネットでもソースを見たことがない。

  • 飲食以外の自営業にもだいぶん当てはまりそう。 自分は社会人経験後、かなり大人になってから学校に行って今は自営業(飲食では無い)ですが、まわりを見ても自分を見ても、思い当...

  • 一生懸命貯めたお金をドカンと使って、夢を叶えたいのだ。 世間じゃ飲食は最底辺と言われているのに?

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