東京女子医科大学 元理事長を背任の罪で起訴 東京地検
東京女子医科大学の施設建設をめぐる背任事件で、東京地方検察庁は21日、元理事長を大学から建築士に不正な報酬を支払わせ、2億8000万円余りの損害を与えた罪で起訴しました。
また、建築士と、元理事長への資金の還流に関わったとみられる大学の元職員も在宅起訴しました。
東京 新宿区にある東京女子医科大学の元理事長、岩本絹子被告(78)は、新宿区にあるキャンパスの施設建設をめぐり、大学のアドバイザーだった1級建築士に対して不正な報酬を支払わせ、大学に損害を与えたとして先月、背任の疑いで逮捕され、その後、足立区の医療センターの建設をめぐる背任の疑いでも再逮捕されました。
警視庁の調べで、2つの施設の建設をめぐって建築士側に振り込まれた資金の一部は、現金の形で元理事長に還流していたとみられています。
東京地方検察庁は21日、元理事長について、大学にあわせて2億8000万円余りの損害を与えた背任の罪で起訴しました。
また、東京 台東区の設計会社社長で1級建築士の松丸典義被告(68)と、東京女子医科大学の元経営統括部次長、森洋美被告(52)についても共犯の罪で在宅起訴しました。
警視庁によりますと、大学から口座に振り込まれた金を松丸被告が引き出し、それを受け取った森被告が岩本元理事長に渡していたとみられるということです。
東京地方検察庁は3人の認否について明らかにしていません。
岩本絹子元理事長が主導したとされる建築士への不正な報酬の支払いは、いずれも理事会の承認を得て行われていました。
大学の経理を担当していた元職員は、不審な資金の流れについて、学内の複数の関係者が当時から認識していたと指摘し「経理だけではなくて、総務の人たちもみんな見てるんです。この伝票怖い、触りたくないといった職員もいました。高額すぎて異常と言ってもいい。普通に考えればおかしいと思う人がいて当たり前なのに、役員がOKを出して理事会を通っていることにすごく疑問を感じました」などと話しました。
この元職員は大学を退職し、学内のほかの職員とも協力しながら警視庁や文部科学省に情報提供などを行ったということです。
大学の今後について、元職員は「これまでは当たり前のルールがすべてずれていたので、当たり前の状況に戻すことが大事だと思います。独裁政治のような状況で働くのと、元理事長がいなくなった今の状況はまったく違うと思うので、新しい人の意見、外部の人の意見も聞きながら、1つずつ進めていってほしい」と話しています。