原作主人公vsオリ主   作:大根ハツカ

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番外編が多いと思いましたか?
安心してください。番外編は次回で終了の予定です。
「Branch_6」の投稿後に、第三章Part_1を投稿します。(すみません、恐らく三分割です)
9月の下旬を目安にお待ちください。




Branch_5:理想のヒト/√B

 

 

 

「追い詰めたぞッ、()()()()()()……‼︎」

 

 

 十二月二十五日。

 雪が降りしきる純白の聖夜(ホワイト・クリスマス)

 黒いスーツという祭日には似合わない堅苦しい格好で俺は立っていた。

 

 正面には、司祭服を着た男。

 何処か獅子のような印象を受け、眼帯で隠れていない側の瞳は肉食獣のようにギラついている。

 

 その男の名はレオンハルト。

 熾天使(セラフィム)聖杯(ハート)”の座に着いており、()()()()()()()()()()()()()

 

「わざわざこんな所までご苦労なこった。オレは転生者でも無いのにな」

「ですが、その被害は大差ありません。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()‼︎」

 

 俺の隣に立つブレンダ先輩が言い放つ。

 六界列強(グレートシックス)は殺害しても、転生して復活する。ならば、全人類を先に殺害しておけば転生先は存在しない。

 これはそんな馬鹿げた計画だった。レオンハルトはその計画を本気で実行するために、世界を敵に回したのだ。

 

(……チッ、隙がねぇな)

 

 二対一。一見すると有利にも見えるが、それは間違いだ。本来ならば軍隊を用意しても良いような世界の危機──()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「オマエらがそれを言うのかッ⁉︎」

「…………ッ」

「オレだって全人類を殺したい訳じゃない‼︎ 他に道があるならそちらを選びたいさ‼︎ だけどッ、それ以外にオレ達に勝ち目はないだろうが‼︎」

「…………それ、は」

 

 口籠るブレンダ先輩に対して、レオンハルトは怒鳴り付けるようにして叫んだ。

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ッ⁉︎」

 

 


 

 

 あの日──折手メアの策略によって俺とブレンダ先輩が激突した日。

 俺はブレンダ先輩に説得されて、折手メアを信じない事に決めた。誰よりも、ブレンダ先輩を信じると決断した。

 奴隷にしたアドレイドと天命機関の協力で折手メアを完全に包囲して、あと一歩の所まで追い詰めた。

 

 

(──だが、その一歩があまりにも遠かった)

 

 

 失敗した。

 何もできなかった。

 俺の手も、ブレンダ先輩の刃も届かなかった。

 

 アドレイド、エヴァ、リィン、ジェンマ。

 協力してくれた味方を全て失い、本気を出した折手メアによって故郷は滅び、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 俺のせいだ。

 俺が失敗したせいで何もかもが無くなった。

 罪滅ぼしの為に、俺は天命機関に所属し、一つでも多くの転生者事件が解決するように奮闘した。

 

 天命機関の人達は優しかった。似た境遇の人が多いのだろう。転生者事件が活性化した原因の一つでもある俺を責めることなく、様々な技能を教えてくれた。

 居場所ができた、仲間ができた。──()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 後から知ったことだけど、ディートリヒと折手メアが手を組んでいたらしい。

 俺に近寄った人達はみんな転生者に変えられて、彼らを俺が鏖殺して、そんな事を何度も何度も繰り返した。

 

 

『オマエは呪いの宝石(ホープダイアモンド)みたいなヤツだな。持ち主を次々と破滅させて、その癖オマエだけは傷一つなく輝いてやがる』

 

 

 確か、このあだ名を付けたのはレオンハルトだったっけ。

 レオンハルトは天命機関の中でも典型的な()()()。実際に悪行を働いているかどうかに関係なく、転生者ならばそれだけで万死に値するという思想の持ち主。

 たとえ俺が現世出身の転生者だろうと、レオンハルトが俺を嫌うには十分な理由だ。

 

 

 転生者を殺した。

 その倍以上の味方を犠牲にした。

 

 転生者を殺した。

 その大半が元々は味方だった。

 

 転生者を殺した。

 それでも、折手メアは殺せなかった。

 

 ……俺はまだ何もできちゃいないのに、天上位階だけが上がっていった。

 ディートリヒと折手メアに目をつけられていた俺は、皮肉なことに誰よりも転生者を殺していた。それとも、死んだ味方の穴埋めをする為だろうか。

 

 怒りで頭がいっぱいになって何も考えられなかった。

 血で目が真っ赤になって、周囲を見ることなんて出来なくなった。

 だからだろうか。レオンハルトが天命機関を離反していたことなんて、俺は全く気が付かなかった。

 

 

 そんな俺の手を引いてくれたのはブレンダ先輩だった。

 彼女はいつだって正しかった。

 彼女はいつだって曲がらなかった。

 だから、俺はそんな彼女が──

 

 


 

 

 レオンハルトの言葉に俺は何も返せなかった。

 だって、その通りだ。全部、俺のせいなのに。

 

 なのに、ブレンダ先輩は毅然とした態度で答えた。

 

 

()()()()()()()()()()()()()

 

 

 その言葉を聞いて、レオンハルトは途端に興味を失くしたかのように鼻で笑った。

 彼の目線が俺へ移る。

 

「オマエはどうだ、六道伊吹? 六界列強(グレートシックス)を殺害する為に全人類を殺害する事がそんなに悪いのか?」

「…………、」

「分かるぜ? オマエはオレと同じ人でなしだ。自分の信念の為ならそれ以外を犠牲にできる怪物だ。六界列強(グレートシックス)なんてムカつくヤツをブチ殺すためなら全人類を纏めて殺すことくらいオマエにだって出来るだろう?」

「…………ああ、その通りかもな」

 

 全人類が死ぬとか、世界が滅びるとか、()()()()()()()()()()()

 気に食わねぇ六界列強(グレートシックス)共がのうのうと生きる世界なら、いっそのこと俺が滅ぼしてやろうかとさえ思える。

 

 かつて、ブレンダ先輩はこう言っていた。

 俺とレオンハルトでは()()()()()()()()()()、と。

 相性が悪い、ではない。むしろ、性格は似通っていて相性は良い。だが、致命的に噛み合わせが悪い──調和が取れない。ブレーキ役が存在しない、アクセルしかない車みたいなものだ。

 もしも俺とレオンハルトが手を組めば、()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 ……それも、良いのかもしれない。

 全人類なんてちっぽけな事言ってないで、他の世界も巻き込んだ全世界を滅ぼしてしまいたい。

 

 

「だったら──」

「──()()()()()

 

 

 ──でも、だけど。

 こんな世界でも、守る理由が一つだけある。

 

 

()()()()()()()()()ッ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()‼︎ ()()()()()()()()()()()()()()()()()()‼︎」

 

 

 ブレンダ先輩が好きだ。

 彼女が守りたいものを、俺も守ってやりたい。

 

()()だと、そう思ったんだ)

 

 彼女は本物の正義の味方だった。

 一〇〇%正しい人間ではなくても、ほんの僅かでも一〇〇%に近づけるために正しくあろうとしている人間だった。

 こんな俺でも思わず憧れてしまうような、そんな女性だった。

 だから、俺の怒りを曲げても彼女の為になら戦える。

 

 多分、それはレオンハルトにとって最大の譲歩だった。

 転生者嫌いの彼でも、俺の事は気にかけていたのだろう。だから、俺に言葉をかけた。

 だが、二人の道は分たれた。ならば、あとは激突するしかない。

 レオンハルトは一度目を伏せると、口の端を吊り上げて笑った。

 

「はッ、勝手にほざいてろ。情けないオマエらには阻止なんかできない」

「貴方の専門分野は兵器の開発。直接戦闘を専門とする私に正面から勝てるとでも?」

「勝つ必要なんてない。元から全人類が死ぬ計画を立ててるんだ、ここでオレが死んだって構わない。それに──」

 

 レオンハルトは天を指差した。

 

 

「──()()()()()()()()()()()()

「──────は?」

 

 

 それは天使だった。

 頭上にて輝く円環、背中で羽ばたく一対の黒翼。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「あれは……‼︎」

「人型決戦兵器、殺戮魔人(キリングマシーン)ファウスト。全人類を殺す(すくう)カミサマってヤツだぜ」

 

 ガシャコンッ、と遠くで異音が響いた。

 天上にて死の天使は人類史の終わりを告げる。

 

 

「変形。浸撃選別形態(Deadly Drizzle)──《最後の審判(ディエス・イレ)》」

 

 

 ぽつぽつ、と雨が降り出す。

 不自然な雨だった。

 あり得ない雨だった。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「がっ、ごばッ⁉︎」

「先輩……⁉︎」

 

 咄嗟に、《破邪の剣(アスカロン)》を傘状に展開して雨を防ぐ。

 ブレンダ先輩は自らが吐いた血を掬い取って見つめる。

 

 

「毒っ……いえッ、()()()()ですか⁉︎」

「即座に気付きやがって。可愛げがないな」

 

 

 コイツッ、ブッ殺してやろうか⁉︎

 ブレンダ先輩は可愛げに溢れてんだろうが‼︎ 

 

「核兵器の使用も考えたがな、オマエらの妨害も考えると()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「生物兵器じゃ転生者の世界観は貫けねぇぞ⁉︎」

「それでも、次の転生先は無くなる。生き残った連中は老衰で十分だろう?」

 

 たった数滴触れただけでこの効果。

 クソっ、どうすればいい……⁉︎

 そう悩む俺の手を、そっとブレンダ先輩が触れた。

 

「……私はっ、大丈夫です。だからッ、貴方はあの天使を──‼︎」

「……クソがッ、了解‼︎」

 

 《破邪の剣(アスカロン)》をそのままにして、俺だけ傘の下から飛び出す。

 さっさとこの騒動を終わらせて、ブレンダ先輩を病院まで連れて行く‼︎

 

「行かせると思うか?」

「テメェ程度で俺を止められるとでも?」

 

 そこで初めて、レオンハルトの表情に動揺が浮かぶ。

 ヤツは俺が雨に触れても何ともないことに気が付いたのだ。

 

「…………解せないな。何故《最後の審判(ディエス・イレ)》の下でも動き回れる?」

「生憎と、俺は下半身が機械に置換されていてな。生物兵器は改造人間(サイボーグ)には効かないんじゃねぇのか?」

 

 昔の無茶の代償だった。

 俺の体重に物理的に耐えられなくなった脚を取り替えたのは、目の前にいる男だったはずだ。

 

「オマエの脚の性能はオレが一番よく知ってる。だが、あり得ない! 改造人間(サイボーグ)だって全身を置換している訳じゃない! 生体部分に効かないはずがないだろう‼︎」

「……さぁ、な。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

 理由なんかどうでも良い。

 目の前の男に興味はない。

 俺の中に燻る怒りだって無視する。

 

 最速最短で天使を撃破し、人類を延命する‼︎

 

 

「俺は熾天使(セラフィム)宝石(ダイヤ)”、洗礼名(コードネーム)はホープ‼︎ 天命規則に基づき、神罰を執行するッ‼︎」

 

 

 全人類絶滅のカウントダウンが始まる。

 残り時間、あと──

 

 

BAD END


 

 

 

 

 

 

【Reset Code 013】

『EXルートの逸脱』

 

世界線(Route)21.64426『呪われた宝石』

 

>>>“WORLD END” Activation

《セーブデータを再生します:1/13800000000》

 

 

 

 

 






▽分岐点21.0『ブレンダ先輩の手を取る』を選択
 ブレンダに説得されると、このルートに突入します。六道伊吹は天命機関に所属し、熾天使(セラフィム)宝石(ダイヤ)”として転生者と戦います。ブレンダは六道伊吹にとってタイプの女性なので、動乱の中で二人の仲は急速に深まります。

▽本ルートの結末
 レオンハルトとファウストは撃破するが、《最後の審判(ディエス・イレ)》は阻止できず、地球は防毒マスクが無ければ数十秒で死に至る死の星となりました。その結果、大幅に人口を減らした天命機関と世界観の防御で生き残った転生者の戦力差は覆り、折手メア及びディートリヒによって六道伊吹とブレンダは死亡します。

▽攻略のヒント
 他のヒロインは諦めて、折手メアを好きになろう。折手メア以外と関係を深めると、嫉妬によって死亡します。浮気はダメ、ゼッタイ。

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