原作主人公vsオリ主   作:大根ハツカ

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一二話:開廷

 

 

「おそよう、伊吹。二日連続重役出勤とはやるじゃねぇか。二日目の生徒指導室はどうだった?」

「おそよう。教師の機嫌が良かったのか、全く叱られなかったよ」

 

 教室に入ってすぐ、相変わらず髪色が真緑に染まった栗栖裕也に声をかけられる。時計を見ると、ちょうど昼休みが始まったばかりだった。ちなみに、叱られなかった理由は折手メアが異能を使用したからである。あのクソ野郎はスマホ並みに異能を多用している。

 折手メアのことを考えていると、思いもよらぬことを尋ねられる。

 

 

「それで、折手さんとは何処までヤッたんだ⁉︎」

 

 

 ……そうだった、思い出した。

 昨日、俺は折手メアにまるで告白の呼び出しのような声の掛けられ方をしたのだった。その次の日に午後から登校しているとあれば、男子高校生がその発想をするのはおかしいことではない。クラス中の男子から視線を感じる。

 

「いやいや、そんな訳がないだろ。折手とは特に何もなかったよ。俺が遅刻したのも、ただの寝坊だ」

「嘘だね」

「はぁ?」

 

 確かに折手メアは俺のことを好きではあるが、俺という原作主人公が好きなだけであって、俺個人が好きなわけではない。

 そもそも、あのクソ野郎と俺が恋人だと誤解されるのは心外にも程がある。いや、顔だけならば美少女なのだが。

 

「お前、昨日までは折手さんって呼んでただろう。なのに、今は折手って呼び捨てにしてる」

「……いや、ちょっと話して仲良くなっただけだよ。深読みすることじゃない」

「あの男嫌いの折手さんと仲良くなっただけでも、タコ殴りに値する駆け抜けだがなぁ‼︎」

(“あの”ってどの⁉︎ アイツの何処が男嫌いなんだ⁉︎)

 

 裕也が話す折手メアのイメージと、俺の記憶にいる折手メアの乖離が激しい。

 

「そもそも! 折手さんと二人きりで午後に登校してるとか、ぜってー眠れぬ一晩を過ごしてんだろうが! 許せねー‼︎」

「いや〜……たまたま遅刻のタイミングが一緒だったんだよ、うん。駅でばったり会ってさ。それで一緒に登校してただけで、特に何があったわけでもないぞ?」

 

 男子だけでなく女子の視線も突き刺さる。

 やばい、このままでは俺の高校生活が終わる。

 裁判所で罪を問われている被告人の気分になる。

 

「……靴下」

「えっ?」

「お前が履いてる靴下、昨日のものと柄が全く同じだ。そのシャツも、洗ってねーだろ」

「いっ、いや〜〜、ただの偶然じゃないカナー。この柄の靴下いっぱい持ってるし、シャツも……ほら、アレだしな。うん、全然そういうのじゃない」

 

 やばいやばいやばいやばいやばい‼︎

 折手メアとラブホに泊まったこと自体は事実だ。どうにかして誤魔化さなければ。というか、俺はあいつの下着も見たし裸も見ている。バレると学校中の男子全員にタコ殴りにされる。

 

「そして、最後だ……」

 

 栗栖裕也は学ランの中に隠れた、カッターシャツの襟を引きずり出す。ちょうど俺からは見えない後ろの襟を掴み、それを指差して言う。

 その真っ直ぐな瞳は、被告人に証拠突き付ける検察官のようであった。

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()‼︎」

 

 

 マジで知らない証拠が飛び出した。

 俺はこのシャツを昨日から着ているが、そんなキスマークがつく暇なんて、なんて…………。

 

 脳裏にダブルピースする折手メアが浮かぶ。

 

(あのクソ野郎ッ、やりやがったなぁぁぁぁぁ‼︎)

 

 ヤバイッ、追い詰められた!

 何かッ、誤解を解く言葉を言わなければ!

 傍聴席(女子)の目は冷え切っており、裁判官(男子)は有罪を既に決断している。弁護士は何処にもいない。

 

 考えろ、頭を回せ!

 俺が生存する(ルート)を導き出せ!

 走馬灯を使い、昨晩の記憶を振り返る。

 咄嗟に言葉を捻り出した。

 

 

「折手は見た目だけで、実際はクソだったぞ」

「遺言はそれで十分か?」

 

 

 言葉選びを絶対に間違えた。

 つい本音が出てしまった。

 

(いやでも、仕方なくないか⁉︎ 可愛い女子に告白されるかと思ったら、あのクソTSオッサン野郎が出たときのガッカリ感を味わってるんだぞ‼︎)

 

 そんな事を知る由もない裁判官(男子)は俺に判決を下した。結果は言うまでもない。死刑だ。

 男子たちが俺を囲み始める。

 

「待て待て待て、他の男子ならともかく、裕也にそれを言われる筋合いはねぇぞ」

「……は? 何の話だ?」

 

 栗栖裕也はとぼける。いや、実際に心当たりがないのかもしれない。だが、俺はこの状況を覆す爆弾を所有している!

 

 

「風呂に入る時間を間違えて、椎菜の裸を見たらしいなぁ! 裕也くんよぉ‼︎ 美少女の妹と同じ家に住むのはどんな気分だぁ?」

「「「「殺す」」」」

「何で俺まで⁉︎ 俺は兄貴だぜ⁉︎」

 

 男子の嫉妬が俺だけでなく、栗栖裕也にも向けられる。つまり、俺に向かってくる男子の数が大体二分の一になったということだ。

 

「道連れだぁぁ! 親友ぅぅぅ‼︎」

「やりやがったなぁぁぁ‼︎」

「「「「殺す」」」」

 

 直後、俺たちは同時に教室を飛び出す。

 後ろからは嫉妬に駆られた処刑人(非モテ)たち。

 生死を賭けた追い駆けっこ(デスレース)の幕が開けた。

 

 

 


 

 

 

 寝たふりをして机に突っ伏していた折手メアは、遠くのクラスから大声が聞こえて跳ね起きる。場所としては向かい側の校舎、二年一組の教室だろうか。

 

(転生者の襲撃……六道伊吹の身に危険が? いやしかし、放課後ならともかく昼は日常パートだからバトルはないはず……。もしや陽キャか?)

 

 自らが原因であるとは知る由もない折手メアは、陽キャ怖いなぁと思いながら窓の外を眺める。

 折手メアの席は窓際の一番後ろ、いわゆる学園モノの主人公の席である。更に、向かい側には六道伊吹の教室が存在する。これは原作前に六道伊吹と関わるのはマズイが、六道伊吹を眺めていたいと思い、異能を使ってクラス分けから席順まで操作したからである。

 

(昼休みは彼も教室にいないし、この時間はいつも暇だなぁ。早く授業が始まらないかなぁ。この時間ってみんなどうしてるのだろうか。前世のボクは学校も通ってないからなぁ……うごごごご、トラウマが)

 

 前世の記憶(パンドラの匣)を開けてしまい、黒歴史に悶える。思わず遠くを見つめてしまう。頭の中で六道伊吹の匂いを思い出して堪える。

 銀色の髪が太陽の光を反射し、物憂げに窓の外を眺める姿は宗教画のようであった。クラスメイトたちは思わず見惚れてしまう。折手メアはこの顔のおかげで、校内では六道伊吹以外に本性を知られていない。

 

(…………寝たふりを再開するしかないか。イブメアのファンアートを妄想してやり過ごそう)

 

 残念なことを考えながら、机に突っ伏そうとする折手メアに近づく足音が聞こえる。

 折手メアは有象無象のモブには興味が無いので、接近に気がついていないふりをした。その態度が男子嫌いというイメージを作っている事を、折手メアは知らない。

 

「えーと、折手……さん。今ちょっといいかなぁ」

(……この特徴的な(CV)は)

 

 しかし、その声を聞いて頭を上げる。

 その声は折手メアの前世において有名だった声優の声だった。即ち、有象無象のモブとは異なり原作に登場するキャラクターだ。

 

「…………初めまして」

「あっ、うん。初めまして。うちは二年一組の佐武真尋(さたけまひろ)って()うんやけど、ちょっとだけ聞きたいことがあんねん……ええかな?」

 

 目の前にいたのはボブヘアで焦茶色の髪の女子高生。糸目で目尻が下がっており、口元には八重歯が見えている。柔らかい雰囲気からは人当たりが良さそうな印象を受け、関西弁は可愛く感じる。

 折手メアが高嶺の花ならば、その少女は一番可愛い女友達だろうか。綺麗すぎて気後れする折手メアよりも、ガチ恋の人数が多いかもしれない。校内で三本の指に入る美少女である。

 そんな美少女が申し訳なさそうに眉を下げ、両手を合わしてお願いしている。

 

(佐武真尋……六道伊吹と同じクラスの美少女。主人公に密かに恋心を抱いているが、どのルートでも成就しない片想いのサブヒロイン、日常パートの象徴だね。孤立しているボクに話しかけるような勇気はないはずだけど……)

「…………いいよ、ボクに何か用かな?」

 

 原作知識から佐武真尋のプロフィールを思い出しつつ答える。質問をしてはいるが、何の話かはもう分かっている。

 

「六道くんと一緒に登校してきたって聞いたんやけど……いや本人に直接聞けって話かもしらんけど、男子で鬼ごっこしてるみたいやから聞けんくてな?」

「ああ、一緒に登校したとも。しかし、聞きたい事はそんなことではないだろう?」

「……うん。そうやなぁ。うちは事実確認をしたいわけじゃなくて……、折手さんの気持ちを聞きたいというかぁ」

 

 手をモジモジとして悩んでいた佐武真尋は、腹を括って思い切って質問する。

 

 

「折手さんと六道くんが付き合ってるって噂はホンマなん?」

 

 

 乙女だなぁと折手メアは思った。

 六道伊吹に直接聞けず、遠回りして折手メアに聞きに来てる所が特に乙女だ。鬼ごっことやらは言い訳でしかない。

 それでいて、これは牽制も兼ねているのだろう。『自分は六道伊吹の事が好きだ』と遠回しに伝える事で、相手を遠慮させる手法だ。……遠回しと言うには、本人が聞きに来ている分いささか直接的ではあるが。

 

(さて、普通に答えるのなら“付き合ってない”だが、それは面白くないなぁ。……そういえば、彼女って確か)

 

 そんな牽制は折手メアには通じない。

 折手メアは相手に遠慮などせず、その心にはどう言えば事態が面白くなるかという考えしかない。面白くなるのならば、嘘をつく事も乙女心を踏み躙ることも厭わない。

 

(今のルートはボクがヒロインとなったオリジナルのEXルートだけど、状況としては前倒しされた『テントラ』のCルートに近いはず。であれば、佐武真尋はこれから……。アハハッ、面白くなってきたなぁ)

 

 このクソ野郎とて、六道伊吹と結んだ約束を忘れているわけではない。むしろ、六道伊吹との会話は一字一句覚えている。

 悪い事をすれば六道伊吹は折手メアを嫌う。彼女の悪事を止める唯一のセーフティワードは、今もしっかりと脳に刻まれている。悪事を企めば、六道伊吹から制裁を受けることになるだろう。

 

 しかし、バレなければ問題はない。

 獅子身中の虫こと、諸悪の根源は構想していた筋書き(チャート)を思いつきで書き換える。

 そして、人生オリチャー野郎は質問に答えた。

 

 

「付き合ってはないよ」

「そっ、そっかぁ! まぁ、折手さんはそんなん気にならなそうやもんな。じゃあえっと、昨日何してたか聞いても…………」

()()()()()()()()()()()()()()()()()

「……………………え」

 

 

 空気が凍った。沈黙が教室を支配する。聞き耳を立てていた全てのクラスメイトの動きが停止する。一向に動き出す気配はない。

 そんな中でも、折手メアだけは止まらない。

 

「キミ、彼のことが好きなんだろう? だからボクに確認したかった。キミが本当に聞きたかったのはボクと彼が付き合っているかどうかではなく、ボクが彼に気があるのかどうか……そうだろう?」

「……え、いや、あの、えっと………………」

「いいよ、答えよう。ボクは六道伊吹が好きだ、存在全てを愛している。でも、キミと争うつもりなんてないよ。恋の鞘当てなんて、ボクの柄じゃないからね。キミが彼のことを好きになるのは、キミに認められた自由の権利さ」

 

 折手メアは笑う。

 優しい笑み……()()()()、相手を馬鹿にする様に嘲笑う。

 

 

「ただし、既に彼はボクの(モノ)であり、ボクは彼の人生の相棒さ。キミの出る幕はない。()()()()()()()()()()()()()()()()

「…………ッ!」

 

 

 佐武真尋は唇を噛む。握りしめた拳には爪が食い込んでおり、足は微かに震えている。目尻に涙が溜まっている。

 ダッ‼︎ と、それをこぼさない様に逃げ出した。教室のドアが乱暴に開けられ、廊下を走って何処かへ去る。それと同時に、教室は喧騒を取り戻す。クラスメイトたちが何をひそひそと話し出すが、そんなものはどうでもいい。

 

(面白くなってきたぞー‼︎)

 

 この先の展開をよく知ってる折手メアは、一人ほくそ笑む。同じようなイベントが『テントラ』のCルートにも存在した。

 その時に佐武真尋が牽制した相手は、もちろん折手メアではなく栗栖椎菜(Cルートのヒロイン)であったが、大体の状況は同じだ。

 ……まぁ、原作よりも言い過ぎた感はあるが。別に心は痛まないのだが、まさか泣きそうになるとは思わなかった。原作キャラの新しいスチルがあるならカメラで撮ればよかったなと折手メアは思った。

 

 

 


 

 

 

「…………ぅぅ」

 

 体育館の裏で一人、少女は涙を流す。

 恋が破れた辛さ、牽制して返り討ちに合った惨めさ、ボロカスに言われた悔しさ、大勢の前で好きな人を言われた恥ずかしさ、何も言い返せなかった情けなさ。それは全ての感情が混沌として入り混じり、頭の中がぐちゃぐちゃになる。

 

 体育座りで泣いている佐武真尋に、近づく影が一つあった。その影は佐武真尋を覆い隠し、寄り添うように背中に手を当てる。

 

 

「どうしましたか、真尋先輩……」

「…………っ、()()()()()……‼︎」

 

 

 その影の主は栗栖椎菜。

 六道伊吹の幼馴染……栗栖裕也の妹であり、佐武真尋とは同じ部活の先輩後輩である。

 

「……椎菜ちゃんに言われた通り付き合ってるか聞いてみたんやけど、それだけじゃないぐらい進んでるみたいやったわ…………」

「それは……ショックでしたね」

「背中を押してくれたのに、……ごめんな?」

 

 本来ならば、佐武真尋にはあの折手メアに話しかける勇気はない。普段なら萎縮して、何も言えなかっただろう。しかし、今回は話しかけた。()()()()()()()()()()()()()()()()()

 噂を気にして遠くから観察するぐらいなら、真偽を確かめに行けば良いと言ってくれた。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「……それで、昨日は二人で何をしてたと言っていましたか?」

「ごめん、そこまでは聞いてない。ただ、その……らっ、ラブホテルに二人で行ったらしい……」

「…………ふむ」

 

 栗栖椎菜は顎に指を当てて考えこむ。

 見たことのない癖だった。雰囲気もいつもとは違う。それほどまでに、ショックを受けているのかもしれない、そう佐武真尋は考えた。

 

「使えんなァ。やはり女とはこの程度であるかァ。結局、番外位の目的は分からずじまいだァ……」

「えっ……?」

 

 聞き間違えだろうかと思った。しかし、栗栖椎菜の様子が先程までとは明らかに違っていた。雰囲気からして別人に感じる。

 佐武真尋の脳が警鐘を鳴らしていた。何かが変だ、何かがおかしい。

 

「しかし、貴様のその情動は我を揺さぶった。面白い、良い暇つぶしになるであろう」

 

 佐武真尋は何かを言おうとした。

 だが、声は出ない。いや、出ていても周囲には響かない。佐武真尋を魔法の影が覆い隠す。

 

「ハッピーバースデイだァ‼︎ 貴様は我の新しい手駒となったァ‼︎ その命、その体、その魂、余すことなく我が有効活用してやろォ‼︎」

 

 その手が、その声が、その()()が、佐武真尋の魂に触れる。記憶の扉が破られ、世界観が構築されていく。

 

「………………あ……」

 

 そして、新たな転生者が目を覚ます。

 虚な目でディートリヒを眺め、ニヒルに笑った。元々の彼女が持っていた優しい笑みではない。それは先程見たばかりの、相手を馬鹿にするような笑み。

 

「……()()、は…………」

「さぁ、貴様はどんな世界観(ユメ)を見た?」

 

 栗栖椎菜は……否、六界列強(グレートシックス)・第四位のディートリヒ・フォン・エルケーニッヒは同胞に右手を伸ばした。

 

 

()()()()()()()()()?」

 

 

 直後、ディートリヒの右手に赤紫色の縄が巻きつく。縄がディートリヒを地面に抑えつける。

 

「この程度であるかァ……」

 

 《神体加護》を使い、縄を弾き飛ばす。

 そんな物は第四位には効かない……はずだった。

 

 シュルルルッ‼︎ と。

 縄は《神体加護》をすり抜け、ディートリヒを縛り上げる。

 

「なにィィイイイイイイイ⁉︎」

 

 よく見ると、その縄には物理的な実態は存在しない。右手に巻き付いているわけではない。

 それは()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「なッ、なんだこれはァァアアアア‼︎ こんなものがッ、こんな()()()が存在していいのかァァアアアア⁉︎」

()()は死者、死者に自由は赦されず、赦しを与えるために()()()の罪を裁こう」

「そんなまさかッッッッ‼︎ 待て待て待て待てェェエエエエ‼︎ やめろォォオオオオオオオオオオ‼︎‼︎‼︎」

 

 そして、その女は呪文(キーワード)を告げる。

 地獄の裁判所が開廷する。

 

 

世界新生(reverse)───《死後の世界(アフターワールド)》」

 

 

 直後、世界がひっくり返った。

 世界観(ジャンル)が書き変わる。

 物理法則(第零摂理)が捻じ曲がる。

 これより先は異世界、魂の罪を裁く地獄。

 

 

「クソがァァアアアアアア‼︎ 今度こそォォオオ‼︎ 終末(ワールド)……ッッッッ‼︎⁉︎⁉︎」

「罪人に抵抗は許されない。その力は封印する」

「ヤメロォォオオオオオオ‼︎ 女ごときが我の異能を奪うんじゃないッッッッ‼︎ 我は無罪であるぞォォオオオオオオ‼︎‼︎‼︎」

()()()()。満場一致で判決は下された。()()の魂を断罪する」

 

 異能は奪われ、魂は縄に縛られている。

 足元には地獄へと通ずる深い沼。

 数多の亡者がディートリヒの足に縋りつき、引き摺り込もうと手を伸ばす。ディートリヒには見覚えはなかったが、その亡者たちは全て()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「《極刑・罪科応報》」

 

 

 ディートリヒに相応しい地獄は決まった。

 肉体が、魂が、永遠の牢獄へ閉じ込められる。

 

「再審だァァアアアア‼︎ 再審を行えェェエエエエ‼︎ 我の行うことは全て正義ッッ、我こそが法律であるぞォォオオオオオオ‼︎‼︎‼︎」

「黙れ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 ドポン、と。

 ディートリヒが沼に飲み込まれて消滅する。

 これこそが地獄の王、魂を裁く者。

 

 

「……この街は死者が多い。ひとまず、この学校から裁くとするか」

 

 

 折手メアが仕掛けた最悪の爆弾が起動する。

 六界列強(グレートシックス)にすら勝利した、最凶の異能が蠢く。

 

 






佐武真尋(さたけまひろ)
専用ルートが待ち望まれる系負けヒロインです。
原作で主人公と結ばれていないからこそ、二次創作において男性オリ主のヒロインになる率が高い感じのキャラです。

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