犯人隠避事件の病院例年の検査で違反確認なし 事件後の対応調査へ
渡部耕平 江湖良二
青森県八戸市の「みちのく記念病院」で、兄の元院長と弟の医師の2人が、虚偽の死亡診断書を遺族に示して殺人を隠そうとした犯人隠避事件。
捜査関係者によると、殺人事件が起きた当時、兄弟は病院に不在で、出勤したのは翌朝だったという。
事件を受けて青森県と八戸市は今後、病院の運営実態とともに、殺人事件が起きた当時の兄弟の所在や、対応状況も調査する方針だ。19日には、同病院に対して医療法などに基づく立ち入り検査を実施し、同病院の入院患者の状態や病室の状況などを確認した。
八戸市保健所では、同病院に対する検査を毎年行ってきたが、指導や助言は毎回行うものの、これまで、命令や処分に該当するような法令違反は確認していないという。 また、県医療薬務課の関係者は「病床数も多く、患者を受け入れてくれる最後のとりでのような認識だった」と話す。
宮下宗一郎知事は19日、「この病院が病院として機能するのにふさわしいか、過去に同様のことが繰り返されていたのではないかを含めて検査する」と述べた。