自衛隊だった僕は、農家になることを決断しました。
自衛隊の時に、国を守ることは故郷を守ることという考えになり、「子どもたちを岩舟町で育てたい」「岩舟町で育って故郷を好きになって欲しい」「お父さんの作るトマトを誇りに思って欲しい」
そんな思いがありました。
小さい頃、親が農家ということにコンプレックスを持っていたので、尚更でした。
農業は、個人の農家が集まって産地化して、組合ができ市場に出荷する流れが一般的です。
産地化して大量の野菜を出荷することで、市場から安定した単価をいただくことが可能です。産地化して組合を作り、出荷するトマトは、皮が硬く、日持ちする品種というのが基本です。
大手スーパーなどは、棚持ちするしないはとても重要な問題になります。
僕が好きになった品種は『桃太郎』どこかで一度は聞いたことがあると思いますが、皮が柔らかいので日持ちがあまりしません。もぎったらすぐ食べるトマトになります。
その分、旨味・甘み・食べやすさが揃っています。
どのトマト農家も良い品質のトマトをたくさん作ることに懸命です。
品質の良いトマトをたくさん作りたい。僕もそんなふうに思っていました。
だけど途中で、みんなとは違うトマトを作りたくなりました。
「稲葉さんちのトマトは美味しいね」って言ってもらえるようなトマトを作りたくなりました。
トマトの勉強に農家さんのところへ行きました。
僕の大好きな桃太郎をとてもうまく作る農家さんです。
いろいろなことを教えてもらいましたが、いざ自分で作ってみると美味しい桃太郎は作れませんでした。
失敗続きで諦めかけていた頃。
酵素というキーワードに出会いました。
1.酵素とは、人間でいう基礎代謝を良くするもので、食べものを胃の中で消化する時に手助けをしてくれて、エネルギーに変換する時も手助けをしてくれるものです。
分解を加速させ、合成も加速します。消化、吸収の流れがどんどん早くなるので、植物本来の成長を促進し栄養価の高い農産物ができ上がります。
2.吸収したものが消化・吸収され、体を作ったり調子を整えたりする時、体の中では様々な物質が休むことなく分解・合成されています。こうした化学反応をスムーズに進めるのが、酵素です。
3.酵素は、吸収した成分の分解や合成を活発にすることで健康な状態を維持する役割を担っています。そうすることで、植物では、品質の良いものをたくさん生産でき、また、健全なので栄養価が高く、病害虫に侵されにくくなり、減農薬栽培が可能になります。
今までとは違う、ミネラルの吸収力アップ。
トマトにも変化が。
旨みや甘みがぎゅっと詰まったトマトができました。
まずは近所で、自動販売機による販売をしてみました。
美味しいと評判も良く、事務所まで買いに来てくれる人も増えました。
そこから少し離れた所から買いに来てくれる人も増え、自信がついてきたので、全国の方に食べてもらいたいと思い通信販売を開始しました。