性的少数者まさかの黒人差別でハリウッド大混乱 オスカー候補のトランスジェンダー女優が「出禁」に
ミュージカル映画『エミリア・ペレス』への出演でアカデミー賞の主演女優賞にノミネートされたトランスジェンダーのカルラ・ソフィア・ガスコンが、過去のムスリムや黒人に対する差別的コメントにより、事実上、アカデミー賞から「出禁」にされた。 【写真を見る】『エミリア・ペレス』で、女性となって新たな人生を生きる主人公を演じたカルラ・ソフィア・ガスコン 問題のツイートが浮上すると、『エミリア・ペレス』を北米とイギリスで配給し、アワードキャンペーンを率いているNetflixは、今後、ガスコンがアワード関係のイベントに出席する際の飛行機代や宿泊代ほか諸経費を一切出さないと判断した。つまりもう彼女が受賞できるためのサポートはしないということ。
また、スペインに住む彼女がアカデミー賞授賞式に出席するには、ロサンゼルスに飛び、ホテルに宿泊して、スタイリスト、ヘアメイク、ドライバーなどを雇う必要がある。Netflixが彼女のためにそれをやらないというのは、「授賞式にも来るな」ということだ。 アカデミー自体は彼女のノミネーションを取り消したわけでもなく、彼女の出欠に関しては何も言っていない。だが、ほかの人たちが気まずくならない配慮を、早々と行っている。
■授賞式の形式も変更することに 昨年は、過去のその部門の受賞者5人が同時に舞台に上がり、今年の候補者ひとりひとりに対して称賛の言葉を贈るという形式が取られた。だが、それをやるとなると、誰かがガスコンを褒めなければならない。 これは想定していなかったシナリオで、アカデミーは、今年、この形式の発表は演技部門でなく、別の部門で実施することにしたのである。 実際、今、彼女を称賛したい人は誰もいない。これほど四面楚歌な状況になることは珍しい。こうなったのは、そんな投稿をしたうえ、注目される存在になってからも削除をしなかった彼女自身の自業自得。だが、同時に、ハリウッドの自業自得ともいえる。
この10年近く多様化の目標を掲げ、成果を見せてきたハリウッドは、今回トランスジェンダー女優が史上初めてオスカー候補入りを果たしたことを派手に祝福した。その当人もまたハリウッドと同じリベラルで、多様性を支持する人であると完全に信じていたからだ。 今思えば、そこがすでに甘かった。キム・カーダシアンの父でトランスジェンダー女性のケイトリン・ジェナー(昔の名前はブルース・ジェナー)がトランプ支持者であるのは有名ではないか。だが、その可能性は誰も考えなかったのだ。