英エリザベス女王、医師の管理下に 滞在先のバルモラル城で
画像提供, EPA
英王室は8日、エリザベス女王(96)が、滞在中のバルモラル城で医師の管理下に入ったと発表した。担当の医師らが、女王の健康状態を懸念したためだという。
女王の子供たちは全員、スコットランド・アバディーンの西約64キロにある女王の居宅のバルモラル城にいるか、同城に向かっている。
王室は声明で、「今朝さらに診察した結果、女王の医師は女王陛下の健康状態を懸念し、医師の管理下に入るよう勧告した」とした説明。また、女王は快適な状態にあると付け加えた。
王室がこうした声明を出すのはきわめて異例。通常、女王の医療面での問題はプライベートなことと見なされ、王室はなかなかコメントを出さない。
画像提供, PA Media
画像提供, Getty Images
家族が女王のもとに
チャールズ皇太子は、妻のカミラ夫人(コーンウォール公爵夫人)と共にバルモラル城に到着している。アン王女も、すでにスコットランドに滞在しており、公務をこなしている。
ヨーク公アンドリュー王子とウェセックス伯爵エドワード王子夫妻は日本時間9日午前1時過ぎ、同城に到着した。
孫のケンブリッジ公爵ウィリアム王子も一緒に、バルモラルに到着した。キャサリン妃は、子供たちが転校したの学校の新学年が始まったばかりのため、ロンドン近郊のウィンザーに残ったという。ウィリアム王子の弟のサセックス公爵ハリー王子も、スコットランドへ移動中と、広報担当者が明らかにした。
バルモラル城やロンドン・バッキンガム宮殿の前には、女王の健康を願う人たちが雨の中、集まり始めている。
王室の声明は、これまでよりはるかに明確に懸念を表現しているため、女王の健康状態に関して差し迫った懸念があることは明白。これまでは、歩行など移動が困難だという説明にとどまっていた。
女王は7日、枢密院とのオンライン会合を欠席し、医師から安静にするよう勧告されていた。
一方で、女王が倒れたのではないかといった根拠のない憶測をしないよう、警告も出されている。女王は6日、自らの足で立ち、リズ・トラス新首相を任命した際に笑顔で写真に納まった。
しかし、枢密院とのオンライン会合が直前になってキャンセルされたことからすると、女王の健康状態が衰えていることは間違いない。
「深く憂慮」と首相
トラス首相は、今回の知らせに「国全体」が「深く憂慮」するだろうと述べた。
また、「私の思い、そしてイギリス中の人々の思いは現在、女王陛下とその家族と共にある」と付け加えた。
女王は6日のトラス氏の首相任命を、ロンドンに移動せず、バルモラル城で行った。女王は70年間の在位中、通常はバッキンガム宮殿で新首相を迎えてきた。
イングランド教会の最高指導者、カンタベリー大主教のジャスティン・ウェルビー氏は、「私の祈りと、国中の(イングランド教会と)国民の祈りは今日、女王陛下と共にある」と述べ、こう続けた。
「神の存在が、女王陛下とその家族、そしてバルモラルで世話をしている人々に力を与え、慰めますように」
女王の健康状態悪化のニュースは、光熱費急騰に苦しむ家庭や企業を支援する新たな計画の詳細を、政府が下院で議員らに説明していた時に流れた。
野党・労働党の党首、サー・キア・スターマーは「深く心配している」と述べた。スコットランド自治政府のニコラ・スタージョン第一首相は、女王に思いを寄せた。
ウェールズ自治政府のマーク・ドレイクフォード首相は、ウェールズの人々を代表して、心からの祈りを表明した。
女王は7月から、長年好んで夏を過ごしてきたスコットランドの居宅バルモラル城に滞在している。