「変革もたらす人を育成」、佐賀県立大の運営方針取りまとめ 全高校に推薦枠検討

佐賀県立大の2029年4月開学に向けた準備を進める県は14日、具体的なカリキュラムや育成を目指す人材像を記した「現時点でのとりまとめ」を発表した。起業家精神を持ってチャレンジし、周囲に変革をもたらす「チェンジ・メーカー」の育成に向け、学外との連携を積極的に進めていくことを強調。入学者選抜では一般入試や学校推薦だけでなく、総合型選抜(旧AO入試)も「バランス良く組み合わせる」と明記した。

学部は「経営情報学部(仮称)」のみで、入学定員を200~300人と想定。県内全ての高校に指定校推薦枠の設置を検討する。教育課程には「リーダーシップ」や「経営組織論」、「デザイン思考」を学ぶ科目を盛り込み、学生には「課題解決や新たな価値の創造に意欲を持ち、柔軟な思考力を身につけようとする人」を求める。

県内の企業や農林水産業、医療・福祉など各方面の協力を得て、“オール佐賀”で人材育成を支える。実務を学べるインターンシップや、企業関係者らが講師となった実践的な講義の実施なども検討する。

小中高との連携も強化。大学生や教員が高校の授業をサポートするほか、高校生が入学前から県立大の科目を履修できるようにすることも検討する。また、小中学生も日ごろからキャンパスに出入りし、県立大を身近に感じてもらえるような環境を整える。

県は「学生が県全体でフィールドワークを行うことで、『日本一プロジェクトが生まれる大学』を目指す」としている。

(田中早紀)

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