北海道・滝川市、異例の主要事業休止 市立病院の経営再建のため

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北海道滝川市

 北海道滝川市は17日、2025年度当初予算案を発表し、大幅な赤字の見通しとなった市立病院の収支を改善するため、JR滝川駅前周辺地区再生整備事業を休止する方針を明らかにした。公立病院の経営難が各地で深刻化する中、立て直しのため主要事業の休止に踏み切る異例の事態となった。

 市立病院は中空知医療圏の2次救急を担う中核の医療機関だが、国の新型コロナウイルス関連補助金が廃止された中で患者数が感染拡大前の水準に戻らず、物価や人件費の高騰で経営が悪化。9億円あった現金残高が今年度末にはなくなる可能性も出てきた。

 このため、毎年、11億円だった市の繰り出し額をさらに3億円増額する。増加見通しのふるさと納税を財源とするため、同じく財源に見込んでいた駅前整備事業があおりを受けた形だ。同事業では、29年度の供用開始に向け駅前の空きビルを撤去し交流施設などを整備する基本計画を今年度末に発表する予定だったが、策定を延期する。

 前田康吉市長は「病院の収支改善は市全体の財政運営の最重要事業で、市民生活を守るために決断した。事業が白紙になるわけではなく、休止は1、2年で済むようにしたい」と話した。

 当初予算案の一般会計は前年度比16・0%増の245億4300万円。特別会計を合わせた総額は8・1%増の450億5236万円となった。【横田信行】

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