1人で留守番するなどしていた小学生女児ら10人に性的暴行を加えたとして、強制性交致傷などの罪に問われた元病院職員、柳本智也被告(28)の裁判員裁判の判決公判が18日、大阪地裁で開かれ、伊藤寛樹裁判長は求刑通り無期懲役を言い渡した。
公判によると、被告は外出時に偶然目にとまった女児やその家族の行動を監視し、スマートフォンのメモ機能で記録。1人で留守番しているタイミングに自宅に侵入したり、屋外で1人でいるときを狙ったりして、カッターナイフを示して「黙らな殺す」などと脅して犯行に及んだ。
犯行中には動画を撮影し、被害を周囲に言えば「お母さんとかも殺す」「写真をネット上にばらまく」「ずっと見ている」などと口止めしていた。被害女児らは今もトラウマに苦しんでいるという。
被告は被告人質問で、こうした行動確認を「探偵ごっこ」と称し、「(普段着用していない)眼鏡をかけると別の自分を演じられる」といった主張を繰り広げた。法廷では謝罪を繰り返したものの「当時は自分がやったという現実味がなかった。(女児を)傷つけたという認識は全くなかった」とも述べた。
判決によると、被告は平成28年3月~令和4年7月、断続的に女児10人に性的暴行を加えたり、勤務先の寮の同僚女性の部屋に侵入したりした。
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