割られる数が大きい割り算は、筆算をするのも億劫なものです。
しかし、9で割る割り算に関しては、簡単に暗算する方法があるのを知っているでしょうか?
どんな暗算方法か気になる人は、ぜひ今回の問題にチャレンジしてみてください。
問題
次の計算をしてください。計算結果は整数で答え、余りも出してください。
2350÷9
※制限時間は10秒です。
解答
正解は、「261余り1」です。
かなりややこしい割り算に見えますが、10秒以内で計算するにはどうしたらよいのでしょうか。
次の「ポイント」で、暗算方法を詳しく解説します。
ポイント
この問題を時間内に計算するには「割られる数の各桁を足して割り算の答えを出す」という暗算方法を使うのがポイントです。
9で割る割り算については、次の暗算方法が使えます。
<四桁の数1000a+100b+10c+d÷9の暗算方法>
※aは千の位、bは百の位、cは十の位、dは一の位の数を表す
手順1.答えの一番大きい位(ここでは百の位)=a
手順2.答えの二番目に大きい位(ここでは十の位)=a+b
手順3.答えの三番目に大きい位(ここでは一の位)=a+b+c
手順4.余り=a+b+c+d
※手順1~3の計算の途中で答えが10以上になった場合は、繰り上げる。
※※手順4で余りが9以上になった場合は、一の位に9の個数分の数を繰り上げる。
さっそく、この暗算方法を利用して、今回の問題を計算してみましょう。
<2350÷9の暗算方法>
1.答えの一番大きい位(ここでは百の位)=2
2.答えの二番目に大きい位(ここでは十の位)=2+3=5
3.答えの三番目に大きい位(ここでは一の位)=2+3+5=10(10以上)十の位に1繰り上げる。
4.余り=2+3+5+0=10(9以上)10÷9=1余り1なので一の位に1を繰り上げる。
繰り上げ発生後の処理。
十の位5→6に
一の位0→1に
余り10→1に
答え:261余り1
繰り上げの処理が少しややこしく感じた人は、各桁の答えを縦積みにして、繰り上げが発生する様子をイメージしてください。
この暗算方法が成り立つ理由
では、この暗算方法が成り立つ理由を考えてみましょう。
四桁の数を表す1000a+100b+10c+dという式を、9の倍数が現れるように変形していきます。変形する部分を強調した太字部分に注目してください。
1000a+100b+10c+d
=900a+100a+100b+10c+d←1000aを900aと100aに分解
=900a+100(a+b)+10c+d
=900a+90(a+b)+10(a+b)+10c+d←100(a+b)を90(a+b)と10(a+b)に分解
=900a+90(a+b)+10(a+b+c)+d
=900a+90(a+b)+9(a+b+c)+(a+b+c)+d←10(a+b+c)を9(a+b+c)と(a+b+c)に分解
=900a+90(a+b)+9(a+b+c)+(a+b+c+d)
=9{100a+10(a+b)+(a+b+c)}+(a+b+c+d)
9{100a+10(a+b)+(a+b+c)}+(a+b+c+d)を9で割ると、答えは100a+10(a+b)+(a+b+c)になり、余りが(a+b+c+d)になります。これは、先に紹介した暗算手順と一致しますね。
繰り上げについて
ここで、aやa+b、a+b+cは答えの各位の数を表しているので、10以上になったら繰り上げが起こることになります。
また、余りとなるパートのa+b+c+dが9以上だった場合、a+b+c+d=9×e+f(e>1、0≦f<9)とすると次のように変形ができます。
9{100a+10(a+b)+(a+b+c)}+(a+b+c+d)
=9{100a+10(a+b)+(a+b+c)}+9×e+f(e>1、0≦f<9)
=9{100a+10(a+b)+(a+b+c+e)}+f
暗算の手順4で余りが9以上になったときの繰り上がりも、説明ができますね。
まとめ
9で割る割り算の暗算方法、理解できましたか?
割られる数の各桁を足していくだけで、答えと余りが出るのはとても楽ですね。今回の問題では、繰り上がりがある場合のちょっとレベルの高いパターンも紹介しました。最初は少し難しく感じるかもしれませんが、似たような問題を二、三個計算すると、段々慣れていきますよ。
なお、この暗算方法はインド式計算法の一種として知られています。インド式計算法には割り算だけでなく、掛け算を暗算する方法もあります。興味のある人は、ぜひ調べてみてくださいね。
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。