2025年2月16日に名進研が開催した
「県立中学入試分析会」
に出席してきたので、これまで出ていなかった新情報を中心にまとめます。
具体的な項目としては
- 一次試験の合否ボーダーライン
- 二次試験の様子や質問項目
- 二次試験の評価と最終的な合否について
- 公立中高一貫校の偏差値帯
- 私立中との併願状況について
あたりを簡単にまとめます。
一次試験の合否ボーダーライン
これは、現地で配布された資料にそのまま書いてありました。
点数をそのまま書いてしまうと怒られそうなので、適性検査Iと適性検査IIの合計点(60点)に対する得点割合で書きます。
名進研のデータとしては、2025年の愛知県立中高一貫校一次試験の合格最低得点率(合格最低点)は
- 明和中:70.0%
- 刈谷中:58.3%
- 半田中:51.7%
という結果だったそうです。
正直なところ、思ったよりも低いなと感じましたが、受験生の話としては
「とにかく時間が足りない」
という状況だったようです。
なお、名進研の生徒の状況としては、
50点台前半でも数人居る程度
という感じだったそうで、50点台の後半を取るのはかなり困難な適性検査だったようです。
二次試験の様子や質問項目
二次試験の面接がどのような様子だったかについては、そもそも絶対数が少ないので情報がほとんどありませんでしたが、今回の分析会でかなり情報が公開されました。
なお、面接の大前提として、
“「事前提出した志願理由書」と「通知表の写し」をベースにした質問がなされる”
というのがあり、志願理由書には
- 志望動機
- これまでに取り組んだ探究活動の実績や経験
- 中学・高校生活の抱負
- 将来の進路や目標
を記載し、入試前に学校に提出しています。
面接の様子
面接会場そのものの様子は、以下の通りCBCニュースでイメージが報道されており、Youtubeでも閲覧することが可能です。
引用元:Youtube CBCニュース公式より
上の画像の通り、面接官3人に対して受験生1人という構成で行われたそうです。
今回の分析会で強調されていたのは
“終始和やかな雰囲気で圧迫感は全く無い面接だった”
というところ。
かなり通常の入試面接とは雰囲気が異なっていたそうで、入室の段階で”面接官が自ら扉を開ける”というところからも異質さが際立っていたようです。
(通常の面接だと受験生がノックでして入室するパターンが多かったりしますから)
質問項目について
さて、最も肝心な質問項目についても、分析会では結構詳細な内容の説明があり、
「名進研の生徒が面接再現を行う動画を流す」
という形式で行われました。
まず、恐らく全員共通して聞かれた内容で重要そうだったのが、面接の冒頭にて
1分間で自分の探究活動について話す
というのがあったこと。
なお、その場のアドリブですぐ、というわけではなく、まとめる時間は少し与えられたそう。
(その前段として”今日はどのような交通機関で来たのか?”というアイスブレイク的な質問もあったそうです)
これは名進研としても想定外の質問だったそうで、”困った”という感想を持った生徒が多かったという話がありました。
ここでは、恐らく事前提出している志願理由書に書いた探究活動の内容を要約して話すことが求められていたのだと思います。
そして、ここから先は、この1分で話した内容を掘り下げていく形で進められていました。
今回の分析会で面接再現を行った生徒2人はそれぞれ探究活動として「ダンス」と「生物の飼育」について記載していましたが、それぞれ以下のような掘り下げ(質問)があったそうです。
【ダンスを探究活動に挙げていた生徒のケース】
- ダンスを始めたきっかけは?
- ダンスチームの人員、指導員の数は?
- (回答に対して)XXというのはどういうことなのか?
- 話し合いで解決できない場合の対処はどうしていたのか?
- 振り付けが揃わなかった時の対処はどうしていのか?
- 他の人と対立した時にどう行動するか?
- 誰かと意見が対立したか?
- 正直な気持ちを仲間に伝えたのか?
- (中学・高校での抱負欄に記載した内容について)どのような探究活動をして学んでいきたいか?
【生物の飼育を探究活動に挙げていた生徒のケース】
- 生き物の飼育を通して、何が難しいと感じたか?
- 生き物を育てる探究活動のきっかけはいつぐらいだったのか?
- XXの飼育は学校の自由研究で提出したものか?
- XXの飼育で難しかったのはどんなことだったのか?
- XXはどうやって手に入れたのか?
- 今も飼育しているのか?
- 一番好きな生き物は?(◯◯と回答)
- ◯◯は実際にどこで見たのか?
- それは誰と行ったか?
- 生きている◯◯を見てどう思ったか?もっと静かだと思ったか?
※実際の面接再現では生徒本人が回答部分も再現していたが、個人情報的に微妙な部分もあるので割愛
基本的には、杓子定規な質問が飛んでくるのではなく、冒頭の1分間で話した探究活動をキーに、どんどん掘り下げていく内容だったと思われます。
恐らく上記以外にも大事な質問があったのだと思いますが、名進研も慈善活動ではないので、塾生のみに公開される内容も多いような気がしてます。
面接再現の後にはフリートークのパートもあり、生徒の言葉で印象的だったものに
- 面接対策はありがたかった
- 志願理由書の添削はありがたかった(夏頃から実施していた)
- 1分間話す内容も事前にまとめて覚えるように言われたキーワードを組み立てて対処できた
というのがありました。
名進研では面接のベースとなる志願理由書の添削も含めて二次試験対策は早期から手厚く行っていたようで、この部分の有無はかなりの差を生んでいるのではないかと感じましたね。
あ、もちろん、名進研をオススメしているわけではなく、
「専門塾による対策の有無で差が出るような二次試験だった」
という事が言いたいだけです。(当たり前ではあるんですが)
公立校の入試で専門塾等へ対策費用を出した人が有利になる内容に疑問を感じる方も多いかと思いますが、現実として、そういう内容だったというのは間違いないと思われます。
二次試験の評価について
さて、二次試験(面接)の内容は何となく見えてきましたが、肝心なのは
「どう評価されるか」
というところだと思います。
今回の分析会ではかなり重要な情報が開示されており、入試前の段階で
「愛知県教育委員会に問い合わせたら”A・B・C・Dの4段階で評価する”というコメントを得られた」
という説明がありました。
これ、実は募集要項や説明会等で一切言及が無かった内容で、今回の分析会で初めて出た情報だと思います。(違っていたらすみません)
名進研の説明担当者は「質問したら答えれもらえてラッキーだった」と自慢気でしたが、冷静に考えると
入試前の段階で愛知県教育委員会が塾の関係者に非公開情報を与えた
という状況になってしまっているのは少し疑問が残ります。
※名進研が名進研関係者として質問したかは不明です
もちろん、今回の”面接はA・B・C・Dの4段階で評価する”という内容は合否には直接関係のない情報ではあるので、そこまで重く考える必要は無いかもしれません。
しかし、内容自体は非常に気になったので、県の担当者(あいちの学び推進課中高一貫教育室)に電話で確認しました。
電話で得られた情報をざっくり書くと以下のような感じでした。
- 名進研にそのような説明をしたのは認知していない
- 得点開示(※)で面接の評価をA~Dの4段階で開示しているのは事実
- ただし、この4段階評価は得点開示用に面接評価を割り当てたものにすぎない
- 4段階評価は実際の合否に直接使用しているわけではない
※令和7年1月24日から2月25日までは受験校に行くと適性検査得点と面接評価を聞くことができる
なお、名進研はこの”面接はA・B・C・Dの4段階で評価し、この評価を用いて最終合否を判定する”という情報をベースに、最終的な合否がどのように判断されるか考察していました。
しかし、愛知県の回答である「4段階評価は実際の合否に直接使用しているわけではない」というのが本当だとすると、今回の考察はあまり意味がないものになってしまいますね…
公立中高一貫校の偏差値帯について
今回の分析会で配られた資料には明和中、刈谷中、半田中の偏差値も記載されていました。
しかし、記載されていた偏差値は、「愛知県中高一貫校チャレンジ模試」と「公立中高一貫校適性検査対策模試」をベースにした偏差値です。
つまり、普段目にする私立中の名進研偏差値とは全く異なる数字となっています。
一方で、私立中との併願組にとっては
「いつも見ている偏差値に当てはめると、今回の公立中高一貫校はどの位置づけなのか」
というのは非常に重要な情報なので、(身バレ覚悟で)分析会の後で質問してきました。
結果的に、いつも見ている私立中の偏差値に当てはめたものとして、以下の内容をご回答いただきました。(名進研、太っ腹です…)
- 明和中:滝と名古屋中の間ぐらい
- 刈谷中:愛知淑徳中と同等
- 半田中:偏差値50ぐらい
そして、昨年(24年)の私立中名進研偏差値は以下のようになっていました。
- 南山女子:名進研偏差値63
- 東海中 :名進研偏差値62
- 滝中 :名進研偏差値62
- 愛知淑徳:名進研偏差値53
- 名古屋中:名進研偏差値57
- 南山男子:名進研偏差値53
つまり、公立中高一貫校の名進研偏差値帯としては、
- 明和中:名進研偏差値58~61
- 刈谷中:名進研偏差値53前後
- 半田中:名進研偏差値50前後
という結果だと考えられます。
強調していますが、上記数字は”名進研偏差値”であり全国的な偏差値ではありません。
なので、以前書いた記事の数字を用いて日能研偏差値に無理やり換算すると
- 明和中:日能研偏差値54~59程度
- 刈谷中:日能研偏差値52前後
- 半田中:日能研偏差値46~49程度
という感じになると思います。(あくまで推測です)
私立中との位置関係を可視化するとこんな感じ。
(多分、明和中はもっと東海・滝に近い偏差値帯だとは思いますが)
個人的には
「名古屋地区の中学受験は日能研偏差値55-60の選択肢が無いのが痛い」
と考えていたので、明和中がちょうどこのレンジに入ったのは喜ばしく感じています。
もちろん、一般的な私立中入試の問題と適性検査は大きく違うものなので、単純に同列に考えることは難しいとは思いますが、目安にはなると思います。
私立中との併願状況について
私立中受験を考えている方々にとって
「結局、明和中と私立中の併願はどれぐらいあったのか?」
というのが気になるところだと思うのですが、これも(身バレ覚悟で)分析会の後で名進研の状況を質問してきました。
回答をざっくり書くと、
- 明和中専願者と私立併願者は専願者の方が多い
- 明和中合格者20人の半分以上が私立中併願者ではない
- 明和中合格率は私立中併願者(私立中コースを受講している子)の方が明らかに高かった
- 明和中と南山女子、両方合格した場合、明和中を選んだ受験生の方が多かった
(南山女子を選んだのは1人だったとのこと)
という感じ。
回答の様子からすると、私の予想以上に明和中専願者が多かったように感じられました。
一方で、
「東海、南山女子を目指す・手が届く子にとっては一次試験は特別な対策が不要なぐらいだった」
というコメントもあり、一次試験に限って言えば、私立中受験との相性がそこまで悪くない試験であった事も事実だったようです。
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以上、今回は
[25年実施]名進研 県立中学入試分析会での新情報まとめ
をご紹介しました。
分析会では適性検査に関する分析もあったのですが、名古屋子育て情報局でも問題分析・簡易解説は行ったので、今回は割愛させていただきました。
今回の表題画像は、
「入学試験の面接において、試験官と笑顔で会話する日本人小学生」
(A Japanese elementary school student smiles and talks with an examiner during an entrance exam interview.)
です。
実際には受験生1人対面接官3人だったそうですが、画像のように終始柔らかい空気の面接だったそうです。
皆様の参考になれば幸いです。
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