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大阪公立大学医学部附属病院で患者情報が漏洩した。登録医の情報を記載したマスターの設定にミスがあったことが原因だ。設定ミスに気づいたのは、同院の事務部門の職員だった。漏洩した情報は患者618人の氏名や年齢、住所、郵便番号などである。同病院は、2年半以上も誤設定に気づけなかった。

 2024年12月3日、大阪公立大学医学部附属病院が中村博亮病院長名で「個人情報の漏洩のお詫びとお知らせ」という文書を発表した。

 2024年11月28日午後5時30分ごろ、同院が運用するシステムから患者の個人情報の漏洩が発覚。漏洩した情報は患者618人分の「カナ氏名」「患者氏名」「性別」「年齢」「生年月日」「郵便番号」「住所」である。

 大阪公立大学医学部附属病院が公開した文書では、「現時点で本案件による被害等は確認されていませんが、当該患者様に対し、ご心配、ご迷惑をおかけしたことを改めてお詫びするとともに、改めて個人情報の取り扱いに係る適切な管理を徹底し、再発防止に努めてまいります」としている。

 大阪公立大学医学部附属病院は、「地域医療情報連携ネットワーク」を用いて、患者の個人情報をやり取りしていた。地域医療情報連携ネットワークは、カルテ共有に同意した患者の個人情報を、病院や診療所、薬局などの地域のクリニック間で共有するためのシステムである。医療サービスを円滑に提供するため、各地で構築されている。

 このたびの情報漏洩では、担当するクリニックの登録医と大阪公立大学医学部附属病院の医師のみが見られる情報が、同ネットワークに参加する125施設154人の医師から見られる状態になっていた。